里帰り出産とは
里帰り出産とは、実家から離れて暮らすプレママが帰省して、実家近くの産院などで出産し、産後しばらく実家で過ごすことです。
特に初めての出産は不安がいっぱいです。慣れ親しんだ実家で、両親や親戚、友人たちに囲まれて過ごすことは、非常に心強く、安心できる環境と言えるでしょう。
厚生労働省が公表している平成29年度の「仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(※1)によると、初産婦のうちの約6割、経産婦の約4割が里帰り出産しています。里帰り出産しなかった初産婦でも、約4割が親からのサポートを受けているようです。
※1.出典元:厚生労働省HP「平成29年度 仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」
里帰り出産の目的
里帰り出産をする主な目的は2つあります。
1つは、産後のママがゆっくり体を回復させるためです。産後のママの体は、大きなダメージを受けています。産褥期と言って、産後直ぐから2ヶ月くらいは、特に休養が必要な時期です。実家であれば、食事や洗濯などの身の回りのことは家族に任せ、ゆっくりと休息をとることができます。 体の回復が早ければ、母乳の出も良くなるでしょう。
もう1つの目的は、育児に専念するためです。パパが仕事で忙しく、家事のサポートが受けられない場合は、産後直ぐであっても、家事・育児の両方をママ1人で担わなければなりません。里帰り出産であれば、家事は家族に任せ、赤ちゃんのお世話に専念できます。上の子がいる場合も、ママだけでなく家族みんなで心のケアをしてあげることができるでしょう。また、育児の先輩であるおばあちゃんのアドバイスを受けることもできます。
里帰り出産は、このようにママの心と体の負担を軽くする目的がありますが、メリットだけでなくデメリットもあるようです。里帰り出産を検討する際には、これらを参考にしながら決めると良いでしょう。
詳しい内容については、「里帰り出産のメリット」「里帰り出産のデメリット」にてご確認ください。
里帰り出産する際の注意点
里帰り出産を検討する際は、まず実家近くに出産可能な病院があるかを確認することが大切です。最近では、産院の減少により、受け入れ先の病院が見つからないケースも出てきています。また、赤ちゃんやママの体の状態によっては、設備の整っている大きな病院でなければならないなど、転院先の病院がない場合もあります。
転院先の病院が見つかっても、役所や病院での手続きが面倒と感じるママもいるようです。
ほかにも、たとえ実家であっても大人になってから長期間生活を共にするのは気を遣う、一時的な帰省のためママ友が作りにくいといった悩みもあるようです。これらの点をよく踏まえながら、里帰り出産の有無を決めるようにしましょう。
里帰り出産をしない場合
様々な理由から、里帰り出産をしない・できないママも大勢います。
そのような場合は、自宅近くに住む家族や親戚に手伝いに来てもらったり、パパに短期間の育児休暇をとってもらったりしながら、産褥期の大変な時期を上手に乗りきるようにしましょう。家族以外でも、家事代行サービスや、産後ケアの専門家である「産後ドゥーラ」、市町村の産後ヘルパー派遣制度など、様々なサービスを利用し、産前産後の家事や育児の支援を受けることも可能です。
自宅付近に安心して利用できるサービスがあるかどうか、出産前に確認しておくと良いでしょう。