赤ちゃんの日焼けの基本情報

赤ちゃんの肌と紫外線

皮膚が紫外線を浴びると、過剰な紫外線から体を守るために、黒いメラニン色素を作ります。これが、日焼けと呼ばれる現象です。

 

紫外線は1年中降り注いでいますが、紫外線量が増えるのは5~9月の間で、特に7月がピークになります。

真夏はもちろんですが、5月からすでに紫外線量は増えていて「うっかり日焼け」をしやすくなります。

 

赤ちゃんは肌がとてもデリケートなので、日焼けのダメージは大人より大きくなります。とは言え、あまり過剰に赤ちゃんの日焼け対策をすると、ビタミンDが足りなくなる恐れもあります。

ビタミンDが欠乏すると、骨の発育が悪くなったりO脚や背中が曲がったりする「ビタミンD欠乏症」になることもあります。

 

赤ちゃんが体内にビタミンDを生成するためには、紫外線がある程度必要なので、極度に日光を避ける必要はありませんが、紫外線量の増える季節や時間帯は、日光に当たる照射時間に注意しながらお出かけすると良いでしょう。

 

日光浴と外気浴の歴史

紫外線には体内でビタミンDを作る働きがあるため、赤ちゃんの健康のために「日光浴」が良いとされていました。しかし、1998年以降からは母子健康手帳に「日光浴」を推奨する文章がなくなりました。

その理由は2つあります。

 

1つは、栄養摂取状況が好ましくなかった時代、ビタミンDを体内で作るために日光浴が推奨されていましたが、現在では様々な食べ物から栄養を摂取することができるようになったため、日光浴の必要性があまりなくなったと思われたからです。

 

2つ目は、オゾン層破壊でたくさんの紫外線が地球に降り注ぐようになり、昔より紫外線の影響を受けやすくなったからです。

 

赤ちゃんの皮膚はまだ薄く、肌のバリア機能も弱いため、日焼けすると大人より大きなダメージを受けてしまいます。

以前はこれらの理由から、赤ちゃんの日光浴の必要性が低くなったと考えられ、母子手帳には「日光浴」の表記が削除され、外の空気にふれる「外気浴」に変更されています。

 

紫外線とビタミンDの最近の傾向

近年は、紫外線を適度に浴びる必要性も指摘されています。

実際に日光浴をしていないがために母乳中のビタミンDが減ってきているという報告や、ビタミンDが不足したがゆえにO脚の子が増えてきているという報告もあります。

 

ビタミンDは食べ物からも摂取できますが、食べ物を通して吸収されたビタミンDは、紫外線を受けて活性化しないと骨の成長を助けることができません。

 

紫外線の害ばかりを気にして日光を過剰に避けることは、ビタミンD不足に陥る可能性があると言われています。ビタミンDが不足すると、骨の成長が阻害され、姿勢が悪くなったり、足の骨が曲がったり、くる病になったり、免疫力の低下にもつながります。

 

ビタミンDを作るために必要な1日の日光浴の時間は、本州の夏場であれば15~30分程度が目安です。必要な日光浴の時間は、緯度や季節、時間帯によっても異なってきます。

 

直射日光を避け、朝夕など日差しのやわらかい時間帯に、軽い散歩をすると良いでしょう。

夏場に外出する時は、紫外線予防よりも熱中症予防の方に気をつけることで、丁度よい具合に紫外線予防をすることができます。

 

直射日光を避け、サングラスなどを利用するのも良いですし、夏場はベビーカーや車に乗せている時も、日除けを使ったり帽子を被せたりし、熱中症対策をすることで適切な紫外線予防にもなります。 詳しい日焼けの症状や、日焼けしたときのホームケアの方法などは、「日焼けの症状」、「日焼けのアフターケア」をご覧ください。

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