蕁麻疹にはアレルギー性のものある?
離乳食が始まったころから赤ちゃんのお肌に赤いブツブツが…そんな経験をしたママもいるかもしれませんね。
赤ちゃんのお肌のブツブツ、それは蕁麻疹かもしれません。
蕁麻疹には、いろいろな原因があります。
長時間の直射日光や衣類、汗などの外部刺激による一過性のもの、他にもアレルギー性の蕁麻疹もあります。
一過性のものであればそう心配はいりませんが、もしアレルギー性の蕁麻疹の場合は、アレルゲンを特定し、今後の生活において注意することが必要になります。
特に、母乳やミルクだけを与えていた時期はなかったのに、離乳食を始めてから出るようになった蕁麻疹は、食物アレルギーが原因かもしれません。
今回は、食物アレルギーによる赤ちゃんの蕁麻疹について、症状や気を付けたいことなどをご紹介していきます。
アレルギーによる赤ちゃんの蕁麻疹とは
食物のアレルギーによる蕁麻疹の症状はどのようなものでしょうか。
【症状】
・皮膚の一部分が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う
・虫刺されのような大きさから、体の広い範囲に広がることもある
・チクチクとしたかゆみ、痛痒い場合もある
・時間がたつときれいに消えることが多い
・呼吸が荒かったり口の中がイガイガする
喉を苦しがる場合は気道の粘膜にアレルギー症状が出ている可能性があります。
呼吸困難やショック状態を引き起こすことがあり、特に注意が必要です。
赤ちゃんは言葉で状況を伝えられませんから、何かひとつ症状があれば他の症状がないか、ママや周りの大人がチェックしてあげましょう。
アレルギー性蕁麻疹で注意したい食材
アレルギー性蕁麻疹で特に注意したい食材は、言い換えればアレルゲンになりやすい食物ということですね。
離乳食期の赤ちゃんの蕁麻疹は
・鶏卵
・牛乳
・小麦
がアレルゲンとなっているケースが多いようです。
確かに、離乳食メニューによく使われる食材ですね。
0歳児では、この3種類でアレルゲン(アレルギーを起こす物質)の95%を占めているそうです(※)。
また、離乳食のデザートでよく使われる
・桃
・キウイ
・りんご
などが原因で蕁麻疹が出ることもありますので注意しましょう。
※引用元:消費者庁「平成30年度 食物アレルギーに関する食品表示に関する調査研究事業報告書」より
「2.原因食物 2)年齢群別解析」参照
【発症のタイミング】
食物アレルギーの発症タイミングは
・即時型:食べておよそ2時間以内に症状が出る
・遅発型:6~8時間後に症状が出る
・遅延型:1~2日経ってから症状が出る
の3タイプがあります。
【アレルゲンを特定するために】
蕁麻疹などのアレルギー反応が出る可能性の高い食材だからと言って、ずっと避けて通るわけにはいきません。
また、もし食物アレルギーがある場合、どの食材に対してアレルギー反応があるのか、きちんと調べる必要もあります。
離乳食時期には、次のような点に注意しましょう。
・初めての食材を食べさせるときは、スプーン1杯程度の量から始め、赤ちゃんの様子を見ながら徐々に増やしていくようにしましょう。
・離乳食のメニューと食材、量をメモしておきましょう。蕁麻疹などのアレルギー反応が出た場合、アレルゲン特定に役立ちます。
蕁麻疹が出た時どうすれば良い?
では、赤ちゃんに蕁麻疹が出た時、どうすれば良いでしょうか。
【アレルゲン疑いのあるものを取り除く】
食物アレルギーによる蕁麻疹の場合、口の周りや手などに蕁麻疹が出ることが多いようです。
・まだ口の中に食物が残っていた場合は吐き出させるか取り出します
・可能であればうがいをさせて、手も洗います(幼児以降の場合)
・食物の残りがあれば、受診する際に持っていきましょう
【赤ちゃんの体調をチェックする】
蕁麻疹以外にアレルギー症状が出ていないかチェックしましょう。
・顔色が悪くないか
・呼吸が荒くなってないか
・腹痛、軟便、嘔吐がないか
【塗り薬を塗る】
蕁麻疹などの皮膚症状以外に特に症状がなく、機嫌や体調も悪くないようであればかゆみ止めの塗り薬を塗ってあげましょう。
市販薬の場合は、外箱や説明書で対象年齢を必ず確認してから使います。
ステロイド外用薬は自己判断で使わず、必ず医師か薬剤師の指導の下で使うようにしましょう。
蕁麻疹が出ている間は、体が温まるとかゆみが増すため、お風呂はやめておいた方が良いでしょう。
受診した方が良い場合
食物アレルギー由来の蕁麻疹の場合、アレルゲンを特定するためにも病院を受診するのがおすすめです。
かゆみや腫れが数時間でおさまった場合は、翌日の診察時間内でも構わないので、食べたもののメモを持って受診しましょう。
ただし、蕁麻疹に加えて、下痢や嘔吐の症状が出ている場合は、診察時間外であっても受診しましょう。
そして、次のような症状の場合は特に注意が必要です。
・ぐったりして意識がない(意識障害)
・呼吸がぜーぜーしている(喘鳴)
・血圧低下やショック状態
これらの症状は「アナフィラキシー」と呼ばれ、命の危険もある大変重篤な状況です。
すぐに救急車を呼びましょう。
まとめ
食物アレルギーと判断された場合、医師に除去食や外用薬、内服薬などの指導を受けながら治療を進めていきます。
症状の重症度は赤ちゃんによってさまざまなケースがありますが、成長とともに改善していくことが多いようです。
そのためには、正しい診断と指導を受けることが大切です。
「たぶん鶏卵アレルギーだな」などと自己判断で特定の食品を除去することはやめましょう。