赤ちゃんのアレルギー症状にはどんなものがある?
赤ちゃんの時期に現れやすいアレルギー疾患として、「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」があげられます。
食物アレルギーとは多くの人がご存じの通り、食べ物によってアレルギーを起こすことを言います。
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が皮膚に現れる症状です。
その他にも、アレルギー疾患はありますが、今回はよくある上記2つのアレルギーにおいて、どのような症状が出るのか、また病院を受診する目安をまとめました。
赤ちゃんの食物アレルギーの症状
本来食べ物は、体に害を及ぼすものではありませんが、人によっては免疫機能が過剰に働き、アレルギー症状が出ることがあります。
赤ちゃんに多い食物アレルギーの症状は次のようなものがあります。
【赤ちゃんの食物アレルギー症状】
食物アレルギーの症状は、食べた後に(多くが食べた直後に)出ます。
・蕁麻疹のような湿疹が出る
・口周りが赤い
・かゆがる
・目の充血
・まぶたが腫れる
・嘔吐下痢症状がある
・元気がなくなる
・咳が出てきて、苦しそうにしている
など。
これらの症状が食べた後、2時間以内に症状が出ることを、即時型食物アレルギーと言います。
赤ちゃんの時期に発症した即時型食物アレルギーは、3歳頃までに約半分、就学頃には8〜9割の人が治るといわれています。
また、蕁麻疹のような肌症状だけでなく、咳が出る、ゼイゼイするなどの呼吸器症状や、嘔吐や腹痛などの消化器症状など、複数の症状が重なって出ることをアナフィラキシーと言います。
アナフィラキシーの症状が出て、血圧が下がり、ぐったりする、意識が朦朧とするなどという命に関わる症状が見られることを、アナフィラキシーショックと言います。
【食物アレルギーの受診の目安】
初めて食べたものでアレルギー症状が見られた時には、必ずかかりつけの小児科など、医療機関を受診しましょう。
すぐ症状が落ち着いた場合でも、念のため受診しておくと、今後の対応について医師からアドバイスがもらえます。
受診の際には次の点を記録や把握した上で、受診しましょう。
・何を食べたのか
・どれくらいの量を食べたのか
・食べてから発症までの時間
・症状がどのくらい続いているか
・他にいつもと違う症状はあるか
・これまでに他にもアレルギーが出たことがあるか
また、アナフィラキシーショックの症状が見られ、呼吸が苦しそうであったり、意識が朦朧としている場合には、すぐに救急車を呼んで受診するようにして下さい。
受診後は検査等の結果に基づいた、医師の指示に従っていきましょう。
ママやパパの判断でアレルギーの原因となった食べ物を除去することは避けてください。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎は悪くなったり良くなったりを繰り返す、痒みのある湿疹が主の肌の疾患です。
アトピー性皮膚炎の原因は、生まれつきの“アトピー素因”によるものと言われています。
遺伝性の要素もあり、アトピー性皮膚炎の症状が出ている人の中には、アレルギー性の疾患を持つ血縁関係の家族がいることがあります。
症状は、赤ちゃんの場合、頭、おでこ、頬など露出されている部分から始まり、その後首の付け根などに皮膚炎症状が出やすいのが特徴です。
学童期になると、顔周りではなく、ひじ周り、ひざ裏などに湿疹が出ることが多くなります。
【赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状】
・ドライスキン
・左右対称に湿疹が出ることが多い
・頬・頭・おでこなど露出されている部分から始まり、首・腕・膝などに広まって行く
・耳の下が切れるいわゆる「耳ぎれ」になることがある
・最初は肌の乾燥から始まり、それが赤くなり、痒みのあるボコボコした湿疹になり、ジュクジュクと感染を伴うことがある
・湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す
【アトピー性皮膚炎の受診の目安】
赤ちゃんの場合、乳児性湿疹とアトピー性皮膚炎の見分けがつきにくいことが多いでしょう。
清潔にし、保湿をしてあげるという対策はどちらも変わりませんが、かきむしってしまい酷くなる前に皮膚科や小児科を受診することをおすすめします。
炎症がひどくなると、治るのに時間がかかり、かゆみが強いと質の良い睡眠が得られないこともあるため、赤ちゃんはグズグズしてしまうことも多いです。
早めに受診し、適切に治療・ケアをしていくのが良いでしょう。
緊急性のものではありませんが、早めに受診しましょう。
また、処方された塗り薬はしっかりと湿布し、ママやパパの判断で使用をやめる、使用を避ける、量や回数を変えることはやめましょう。
アレルギーマーチとは?
アレルギーマーチという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
アレルギー素因を持つ子どもが、成長とともに様々なアレルギー疾患が症状を変えて出現してくることを言います。
例えば、赤ちゃんの時に食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を疾患していた子が、幼児期になり気管支喘息と診断され、就学頃アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を発症するなどが例として挙げられます。喘息を起こしたりなど。
しかし、発症リスクが高い子も、アレルギーマーチを避けることができるかもしれないと考えられ始めており、様々な研究がされているところです。その方法の一つとしてあるのがアレルギーの原因物質に触れる機会を減らすことです。
具体的には、皮膚の清潔を保ち、保湿すること、湿疹ができたときに適切に治療をすることなどが挙げられます。
できるだけ早い時期(赤ちゃん時期)から、このように気を付けてあげると、アレルギーマーチを予防することに繋がる可能性が高いと言われています。
まとめ
赤ちゃんのアレルギー症状には、じんましんや湿疹などの皮膚症状の他、かゆみや炎症、咳や胃腸気管の不調など様々です。
食物アレルギーの場合は症状が軽くても受診し、医師の指示を仰ぎましょう。
赤ちゃんでスキンケアだけで良くなってこない湿疹があるときは早めに受診し、適切なケアをしてあげましょう。