「過保護」と「過干渉」育児
子どもと接する上で注意したいのが「過保護」と「過干渉」。
この育児の違いは”似て非なるもの”です。
一体どのような違いがあるのか、今回は意外と知らない「過保護」と「過干渉」の育児の違いについて詳しく解説します。
過保護育児とは?
過保護育児とは、わが子が大切であるがゆえに、必要以上に手を貸してしまったり、子どものやりたいようにやらせてあげたりすること。
たとえば、
・子どもが欲しいと言ったものはすべて買ってあげる
・子どもが苦手なことはママが必ず手を貸す
・子どもが失敗しそうなことは「危ないから」とやらせない
などのように、必要以上に守ったり甘やかしたりするような状態を「過保護」と言います。
【過保護育児の注意点】
赤ちゃんや幼児期など、まだママに甘えたい時期の子にとっては、甘えさせてあげる行為も大切です。
それによって、子どもの不安が解消され自立心が育まれることもあります。
ただし、過保護育児のように何でもママが子どもの要求を受け入れたり、何でもママが手を出してしまっては、子どもが成長する機会が奪われてしまいます。
苦手なことに挑戦し、失敗するのも1つの学び。
欲しいものを我慢することも学び。
転んでケガをして「痛い」「危ないから気を付けよう」と経験することも学びです。
心配な気持ちはよく分かりますが、必要以上に手を貸してしまわないようにし、色々な感情を経験させてあげるようにしましょう。
過干渉育児とは?
過干渉育児とは、子どもの世界に必要以上に関わり、何でも親の意思に従わせようとすることです。
たとえば、
・子どもが付き合う友達をママが選ぶ
・子どものやることをすべてママが決める
など、基本的に子どもの気持ちを無視してママが何でも決めてしまったり、ママの考えを押し付けてしまったりすることを「過干渉」と言います。
【過干渉育児の注意点】
過干渉育児は、必要以上に子どもに立ち入ろうとすることで起こります。
ママの過去の経験から、「○○した方がよい」「○○しないと幸せになれない」と言った固定観念から、すべての行動の善し悪しを子どもに押し付けてしまうことが多いようです。
過干渉になると自立心はもちろん、自尊心も育たなくなってしまいます。
何でもママが決めてママが選ぶことで、子どもが自分で考えて行動することをしなくなってしまうからです。
たとえ「○○したい」と思っていても、それを真っ向から否定されてしまえば、自己主張することもできなくなります。
また、ママが介入しすぎることで「自分はダメな子なんだ」と自信を持つことができなくなることもあるでしょう。
しまいには、何でもママが決めてくれないと判断できないような子に育つことも。
親子であっても、ママはママ。子どもは子どもです。
興味を持つことも、得意なこともママとは違い、「別人格」の一人の人間ですから、子どもを信じ、任せることも大切ではないでしょうか。
過保護と過干渉の大きな違いとは?
ここまで過保護と過干渉育児のそれぞれの特徴についてご紹介しましたが、この2つの違いとは一体何だったのでしょうか?
それは、「子どもの気持ちを尊重しているか、そうでないか」というところ。
過保護の場合は、子どもの気持ちを尊重したうえで、ママがどうするかその先の行動を決めますが、過干渉の場合は、子どもの気持ちは一切無視していることがわかります。
どちらも、ママが子どもに対して愛情を持っているからこそ「幸せになって欲しい」「失敗して欲しくない」という思いから、ついやってしまうことかもしれません。
しかし、過保護も過干渉育児も、いつまでママが子どもに関わり過ぎていると、子どもがママから巣立つことができなくなってしまいます。
親離れ、子離れすることはとても大切ですから、親としてその時々の子どもに合わせたサポートをしていきましょう。
過保護・過干渉育児にならないためには?
私は大丈夫と思っていても、意外とやってしまいがちな過保護・過干渉育児。
どのようにすれば、過保護にならず、過干渉にならずに育児をすることができるのでしょうか。
以下のようなことを心がけ、子どもの自立を促すようにしましょう。
【子どもを褒めて認めてあげる】
まずは子どもをたくさん褒めて認めてあげましょう。
「すごいじゃない」「よくできたね」など簡単な言葉かけで構いません。
失敗したことにばかり目を向けず、長所を伸ばしていくよう心がけましょう。
【他人と比べない】
つい周りと比較して「○○ちゃんはできてたよ」と言ってしまいますが、比較するなら他人ではなく「過去と現在」を比べるようにしてください。
「前よりずっと絵が上手になった」「前よりおしゃべりが上手になった」など成長を認めてあげることが大切ですね。
まとめ
過保護と過干渉育児は、どちらもママの愛情があるがゆえの行動。
しかし、子どもの本当の幸せを願うなら、「やり過ぎ」はよくありませんよね。
子どもの成長を温かく見守り、必要なときに必要な分だけ手を差し伸べるように心がけましょう。