モンテッソーリ教育を自宅でできる?
最近耳にすることも多い「モンテッソーリ教育」。
その教育理論を取り入れた施設や幼稚園もありますが、0歳の赤ちゃん時代から、自宅でも、モンテッソーリの教育理論を取り入れることができます。
たとえば、赤ちゃんがある特定の何かに興味を持って繰り返すことがありますよね。
興味を持つ「何か」とは、赤ちゃんが自分で求めているものであり、成長のステップで必要なものであり、また、その時期に吸収するのに適したものであるというのがモンテッソーリ教育の考え方です。
大人は、赤ちゃんの成長や発達に合わせた教具(おもちゃ)を用意してあげますが、これで遊ぶように強制するものではありません。興味を持つかどうかは赤ちゃん次第です。
また、モンテッソーリ教育には赤ちゃんの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の発達を促すメソッドがあります。
今回は、これらの教育メソッドと「教具」と呼ばれる学びの道具を組み合わせて自宅で取り入れる時の工夫をご紹介します。
0歳児のモンテッソーリ教育【視覚】
新生児の視力は0.01程度と言われています。明るさを感じる程度で、まだ色の区別はつきません。
モンテッソーリ教育メソッドでは、まずはじめに白と黒の教具を与えます。
<白黒モビール>
本来は飾りの形やひもの長さなども細かく指定されていますが、手軽に取り入れるなら
・厚紙に白と黒の幾何学模様を描く
・赤ちゃんから30cm離れたところに吊るす
といった点に気を付けて作ってみましょう。
〈グラデーションモビール〉
生後3ヶ月くらいからは色を認識できるようになります。
5色のグラデーションボールのモビールは、色の違いや遠近感を感じるのに役立ちます。
・発泡スチロールのボールに刺繍糸を巻き付ける
・濃い色の糸を長く、薄い色の糸は短くグラデーションになるように並べる
材料は100均でも手に入りますよ。
0歳児のモンテッソーリ教育【聴覚】
音の出るボールを転がすとそちらを見ることがあります。これは視覚と聴覚が連動して発達し始めているからなのです。
聴覚の発達を促すさまざまな教具がありますが、自宅で手軽に用意できるものもありますよ。
〈エッグシェーカー〉
4月のイースター時期にカラフルな卵のおもちゃが売られていますよね。
卵の中にお米や大豆、ボタンや鈴などを入れてしっかりふたをします(テープで止めておくと安心ですね)。
中身によって違う音が出るので聴き分ける力を伸ばすのに役立つそうです。
〈キックボール〉
鈴などが入った布製のボールを用意します。
・赤ちゃんが足を動かせば当たる位置に吊るす
・自分の姿が映る大きさの鏡を見える位置に置く
鏡を見て、「自分の足を動かす→ボールに届く→鈴が鳴る」という一連の行為を理解できるようになるそうです。
0歳児のモンテッソーリ教育【触覚】
赤ちゃんは気になったものをなめて、その感覚を確認します。自分の指をしゃぶるのも確認行動のひとつですね。
モンテッソーリ教育では、「赤ちゃんの気になるものを好きに触らせる」ことが大切と考えられています。
〈ティッシュボックス〉
次から次へとティッシュを出して巻き散らかされると、つい「だーめ!」と取り上げたくなりますよね。
モンテッソーリ教育では、まず赤ちゃんの好きにさせること。
とは言ってもティッシュを無駄にしてしまうのは良くないですから、赤ちゃん用ティッシュボックスを作ってしまいましょう。
・ティッシュくらいの大きさに四角く切った布を10枚ほど用意し、端同士を結ぶ
・空のティッシュケースやウェットティッシュケースに入れて端を出して引っ張る
1枚1枚バラバラのティッシュと違い、すべて繋がっているので散らかりません。また、全部出し終わったら簡単に元の状態に戻すことができます。
物をつまむことで指先の触覚や力の使い方、力加減などを覚えることができます。
〈触覚を楽しむカード〉
ざらざら、ツルツル、がさがさ、ふわふわ…赤ちゃんにとっては手触りの違いがとても興味深いもの。
モンテッソーリ教育では、この手触りの違いを楽しむために「センサリーカード」と呼ばれるものがあります。
これも簡単に作ることができますよ。
・手触りの違うものを用意(梱包用プチプチ、アルミホイル、綿、鈴、スポンジなど)
・プラスティックのトレイや瓶のふたなどに貼り付ける
材料はなめたりかじったりしても安全なものを用意しましょう。段ボールなどは避けたほうが良いですね。
床に並べて置いておけば、腹ばいの姿勢の練習にもなります。
まとめ
「味覚、嗅覚」は、1歳を過ぎて離乳食で食べ物の味やにおいを覚える頃から育てていきます。
0歳児は、「視覚、聴覚、触覚」の発達にモンテッソーリの教育メソッドを取り入れるのがおすすめです。
専用の教具でなくてもその教育メソッドを取り入れることはできそうですね。
モンテッソーリ教育を続けるかどうかは、理論本を読んだり施設を見学するなどして決めるようにしましょう。
もし、ママやパパがモンテッソーリの教育方針に賛同し、近くに通える園や施設があるのなら、園を選ぶ選択肢の一つとして考えるのも良いかもしれません。