産後のママは風邪をひきやすい状態
出産後、慣れない育児にバタバタするあまり、自分の体調管理がおろそかになっているママも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんのお世話は24時間待ったなし!ママの多少の体調不良はつい我慢して後回しにしてしまうこともありますよね。
「風邪ひいたかな」という程度では、気合で乗り切ろうと頑張ってしまいがち。
でも、産後のママは、まだまだ体調に気を付けなければならない時期なのです。
なぜかと言うと、産後のママの状態は、一般的に「風邪をひきやすい」といわれる状態と合致しているからなんです。
風邪をひきやすい状態とはどんなものなのか、なぜ風邪をひきやすいのか、その原因をみてみましょう。
風邪をひきやすい状態とは
風邪は、「風邪症候群」と呼ばれる感染症のひとつで、子どもから大人まで多くの人が罹患することのある病気です。
一般的に、風邪をひきやすい状態とは
・免疫力が低下している
・鼻やのどの粘膜が乾燥している
・疲れやストレスが溜まっている
などがあげられます。
これらの状態と産後のママの体の状態は、非常に共通点が多いため、普段に比べて体調を崩しやすくなっているというわけです。
具体的にどのような原因が関係しているのか、見ていきましょう。
原因①免疫力が低下している
もともと妊娠中は、ママの免疫が赤ちゃんを攻撃しないように軽度免疫が低下するしくみになっています。
そのため、妊娠中から風邪をひきやすい状態になっています。
産前産後のママの体の中では、妊娠出産に必要なホルモン分泌量の増減やそれに伴うホルモンバランスの乱れにより、さらに免疫力が低下しやすくなっているのです。
【免疫力を向上させるためには】
ホルモンバランスの乱れは、母乳育児や生理の開始とも関連しており、思ったように制御することは難しいのが現状です。
しかし、免疫力低下には自律神経の乱れも関係しています。
自律神経を正常化させるには質の良い睡眠が大切です。
・細切れでも良いのでなるべく睡眠時間を確保する
・軽いストレッチやヨガなど、室内で手軽にできる運動を始める
軽い運動は質の良い睡眠にも有効です。
産後の運動不足解消も兼ねて、無理のない範囲ではじめてみてはいかがでしょう。
原因②鼻やのどの粘膜が乾燥している
風邪のウイルスは、鼻やのどから侵入することが多いです。
鼻やのどの粘膜が乾燥すると、ウイルスなどの異物を体外へ排出する機能が鈍り風邪をひきやすくなります。
母乳を作るためにママの血液や体内の水分は使われているため、体全体が軽い脱水状態になりやすく、鼻やのどの粘膜も乾燥しがちです。
また、産後のママは、赤ちゃんのお世話が優先で自分の食事や水分補給はおざなりになりがち。
のどが渇いたなと感じた時には軽い脱水状態になりかけているということを覚えておきましょう。
【乾燥や脱水状態を防ぐためには】
まずはこまめな水分補給を意識するようにしましょう。
冷たいものより常温のほうが体温を下げ過ぎないのでおすすめです。
・水分の多い食事で唾液の分泌を増やし、口腔内の乾燥を予防する
・室内でもマスクをつける
・換気に注意し、室内湿度を45-60%前後に保つ
など、体の内外から乾燥しにくい環境を作るようにしましょう。
原因③疲れやストレスが溜まっている
赤ちゃんのお世話に育児疲れや育児ストレスはつきもの、と思うかもしれませんが、免疫力が落ちている状態に過度の疲れやストレスが加わると、病気やウイルスに対する抵抗力も落ちてきます。
妊娠出産による体力の低下や睡眠不足なども重なると、風邪だけではなくいろいろな病気を引き起こすもとになってしまいます。
【リフレッシュするためには】
授乳やおむつ替えなど、赤ちゃんのお世話に忙しい日々が続き、自分の時間が持てませんよね。
しかし、ママの体を労わることも大切です。
・赤ちゃんが寝ている時には、一緒に昼寝する
・パパがお休みの日は、半日だけでもひとりで外出の機会を作る
・行政の育児サービスや育児サークルなどを利用してみる
など、少しでもママがリフレッシュできる機会を作れるよう工夫してみましょう。
風邪でも母乳育児を続けて大丈夫?
ママが風邪をひいたときに心配なのが、赤ちゃんへの影響ではないでしょうか。
特に母乳育児の場合は、母乳を通して赤ちゃんに風邪をうつしてしまわないか心配になりますよね。
【授乳は続けてOK】
母乳を介して風邪やインフルエンザのウイルスや菌が赤ちゃんに移ることはないと考えられています。
授乳は続けていても問題ないでしょう。
ただし、授乳時はどうしても密着することになるので、咳やくしゃみからの感染が心配です。
必ず手を洗い、マスクをして授乳するようにしましょう。
搾乳したものを、パパや家族に哺乳びんで授乳してもらうのもよいですね。
【薬の影響はある?】
医師に伝えれば、授乳中でも影響の少ない薬を処方してもらえます。
ただ、赤ちゃん連れで病院に行くのが難しい、手軽に市販の風邪薬で済ませたいという場合もあると思います。
市販薬の成分が母乳の中に入るのはほんの少量と考えられていますが、全く心配がないというわけではありません。
市販薬を購入する際は、あらかじめ薬剤師に授乳中であることを相談し、大丈夫なものを購入するようにしましょう。
まとめ
風邪と言えども重症化すると怖い病気です。
さらに、風邪が長引き不調が続くと、産後うつに発展してしまうケースもあります。
ママが風邪でダウンしてしまう前に、パパや家族と協力する体制を整えておきましょう。