赤ちゃんのでべそは病気なの?
赤ちゃんのお腹にポコっと飛び出している「でべそ」。見た目にも気になり、もしかしたら病気かも?と心配になる方も多いのではないでしょうか。
でべその正式名称は「臍(さい)ヘルニア」と呼ばれています。「臍」はへそのことで、「ヘルニア」は本来あるべき位置からはみ出している症状を指しています。
赤ちゃんのでべそは病気ではない場合が多く、ほとんどが1歳頃には自然に引っ込んだおへそになりますので、過度な心配はしなくても大丈夫でしょう。
赤ちゃんのでべその原因とは
でべそは成長によって自然に引っ込むことが多いですが、原因が分からないと不安になりますよね。
赤ちゃんのでべその原因と、引っ込んでいく経過についてご紹介いたします。
【赤ちゃんのでべその原因】
赤ちゃんが生まれるまで、ママと赤ちゃんはへその緒でつながれています。
へその緒には血管が通っているので、へその緒を切ったあとはその血管が収縮するため、縮んでいきます。
もともとへその緒が通っていた穴が周りの筋肉や皮膚におおわれていき、次第にふさがっていきます。
しかし、でべその場合は、このふさがり方が不十分なため、お腹に力が入ると腸が飛び出してしまいます。
泣いたりうんちの際にいきむなどするとお腹に力が入り、その度に膨らむように飛び出します。
飛び出している時に抑えると一時的には引っ込みますが、力を入れるとまだ飛び出すという特徴があります。
また、飛び出したでべそを触るとグジュグジュとした柔らかい感触があります。
【でべそは2種類ある?】
でべそには大きく分けて2つの種類があります。
でべその正式名称である「臍ヘルニア」の他に、「臍突出症」と呼ばれるものもあります。
臍ヘルニアは腹圧で腸が飛び出すことを指しますが、臍突出症は腸が飛び出すのではなく、おへそ周りの皮膚の下に余分な皮膚などがたまっている状態なので、飛び出したり一時的に引っ込むことがありません。
どちらも見た目には変わりません。
【でべそが引っ込んでいく経過】
赤ちゃんのでべそは成長に従って引っ込んでいきますが、どのような経過があるのでしょうか。
一般的にでべそは1〜3ヶ月頃がピークで、4ヶ月頃まではお腹に力を入れるたびに膨らみます。
成長過程で寝返りやハイハイをするようになると、腹筋が発達するためでべそが次第に縮んでいきます。
そして、ほとんどの赤ちゃんのでべそは1歳、場合によっては2歳には縮むので自然に治っていきます。
赤ちゃんのでべその治療法とは
ほとんどのでべその場合は、自然治癒で1歳、遅くても2歳には治るため心配ありません。
ですが、まれに治療が必要な場合もあります。
他にも、でべそが大きくて見た目が気になる場合は、治療をしてもらえることもあるようです。
それでは、病院で治療を受ける場合、どんな治療があるのかみていきましょう。
【圧迫して治す方法】
経過観察のみで、1歳になってもでべそが治らない場合のみ手術をするというのが一般的でしたが、近年では圧迫法で生後3ヶ月以内など早い時期に対処する場合もあります。
圧迫法では、スポンジをへその部分に入れて、その上からテープで圧迫、固定して腸が飛び出るのを防ぎます。
防水のテープなので、貼ったまま入浴など普段通りの生活をすることができます。
期間としては、約1〜2ヶ月でほとんどが治り、将来でべその手術が必要になったとしても最小限で済むというメリットもあります。
【手術が必要な場合】
1〜2歳になっても、お腹に力を入れるとでべそが飛び出したり、おへその周りの皮膚が余って変形している場合に、手術が必要になることもあるようです。
手術方法は、おへその半周ほど切開をし、腸が飛び出してくる穴を防いで治療します。
でべそで気をつけたいこと
赤ちゃんのでべそを毎日見ていると、どうにかして引っ込めたくなる方もいるかもしれません。
大きさによっては、おむつ替えや着替えの時などに衣類にあたるため、赤ちゃんのお世話をする際に気になりますよね。
ですが、気になるからといって無理に凹ますなど、対処法を自己流で試すのは止めましょう。
傷がつき、ばい菌が入ってしまう可能性もあります。
また、赤ちゃん自身が知らない間に触ってしまうこともあります。
触った手を知らずに口に入れることもあるので、でべそがそのまま見えている状態は避けて、洋服や腹巻などで覆うように気をつけましょう。
過度に気にしすぎるのではなく、でべその周りに垢などで黒くなっているものがあれば、沐浴後にベビーオイルをつけた綿棒で軽く拭き取る程度で大丈夫でしょう。
ですが、大きすぎるのでは?など、心配な場合は定期検診でみてもらうか、かかりつけの小児科を受診してみても良いでしょう。
まとめ
ぽっこり飛び出している赤ちゃんのおへそ、つい気になってしまう方がほとんどではないでしょうか。
1〜2歳までに自然治癒する場合が多いですが、それ以降まで治らない場合は手術が必要になることもあります。
赤ちゃんのでべそはすぐに対処する必要はなく、触りすぎないようにだけ注意して赤ちゃんのお世話をしましょう。
気になる場合は、1歳までの定期検診でみてもらうようにしましょう。