赤ちゃんに電気毛布は使っていいの?
電源を入れればすぐに温かくなり、ぬくぬくとしたぬくもりが心地よい電気毛布は、冬場は手放せないという人も多いのではないでしょうか。
冬場、特に就寝時は暖房機器の電源を切る家庭も多いことから、寒くないように赤ちゃんにも電気毛布を使ってあげたいと思うママもいるかもしれません。
しかし、赤ちゃんには電気毛布は使用してはいけません。
大人にとっては快適な電気毛布も、赤ちゃんにはたくさんのリスクがあるのです。
電気毛布を赤ちゃんに使用すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。
電気毛布を赤ちゃんに使用するリスク
具体的にどんなリスクがあるのか見ていきましょう。
【リスク①低温やけどを引き起こす】
電気毛布によるトラブルで特に多いのが、低温やけどです。
低温やけどとは、普段触っただけではやけどをしないような、心地よさすら感じる温度のものを長時間触っていると起きてしまうやけどのこと。
低温やけどを負った肌は、表面は赤く腫れているだけのように見えますが、実際は肌の内部まで壊死してしまうほどひどい状態になってしまうケースもあります。
やけどのレベルによっては、手術が必要となる場合もあるため注意が必要です。
【リスク②脱水状態になる】
赤ちゃんはとても暑がりな上に汗っかき。
大人では心地よさを感じるぬくもりでも、赤ちゃんにとっては暑く感じ、たくさんの汗をかくこともあります。
たくさんの汗をかいて水分補給をしないままでいると、冬だとしても熱中症になり、脱水状態となってしまいます。
深刻な脱水症状になると、命にかかわることもあり大変危険です。
【リスク➂肌トラブルにつながる】
赤ちゃんの肌はとてもデリケートで繊細なため、少しの変化ですぐにトラブルを起こしてしまいます。
先述したように、赤ちゃんはとても汗っかきです。
電気毛布を使用することで、汗をかきすぎてしまいあせもやおむつかぶれといった肌トラブルにつなることも。
赤ちゃんがあせもやおむつかぶれになってしまうと、かゆみや痛みが出てしまいます。
赤ちゃん自身がつらい思いをするのはもちろんのこと、不快感から夜泣きの原因にもなってしまいます。
また、電気毛布の使用は肌の乾燥を促進させるとも言われています。
特にアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などの赤ちゃんは、それらの症状が悪化してしまう恐れもあります。
【リスク➂温まりすぎてしまう】
赤ちゃんの平熱は、36.7℃~37.5℃ほどで、私たち大人よりも1℃以上高い赤ちゃんもいます。
そのため赤ちゃんは大人以上に暑がりなのです。
それに加えて、赤ちゃんの体温調節機能はまだまだ未熟なため、上手に熱を逃がせません。
電気毛布によって温まりすぎてしまい、「うつ熱」といった症状を引き起こすこともあります。
うつ熱とは、周りの気温と共に体温も上昇してしまい、体の中に熱がこもってしまっている状態を言います。
うつ熱は、熱中症にもつながり、死に至るケースもあるのでとても危険です。
SIDS(乳幼児突然死症候群)の原因のひとつに、「温めすぎ」が挙げられますが、これもうつ熱によるものだとも言われています。
電気毛布だけでなく、通常の寝具や服でも着せすぎには注意してくださいね。
赤ちゃんに電気毛布はいつから使用可能?
それでは、電気毛布はいつから使用可能なのでしょうか。
明確に「いつから使用可能」という定義はありませんが、大人になるまで避けたいのが就寝時の使用です。
子どもは体温調節機能が未熟なため、眠っている間に電気毛布によって脱水症状を引き起こしている可能性があります。これは、赤ちゃんに限ったことではありません。
また、眠っている間に使用することで低温やけどの心配もあります。
子どもが寝ている時間は、家事をしたりママ自身も眠ったりと子どもから目を離しがちですよね。
子どもの変化に気づきにくいという点でも、就寝時の電気毛布の使用はおすすめできません。
布団が冷えていて、眠りにつきにくい場合などは、あらかじめ布団の中に電気毛布を入れておき、布団に入るころには電源を切るようにすると良いですよ。
まとめ
大人にとっては心地よい電気毛布でも、赤ちゃんには危険なことが分かりました。
「たかが電気毛布」と思うかもしれませんが、電気毛布による脱水や低温やけどによって緊急搬送される赤ちゃんは少なくありません。
また、電気毛布以外にも、着せすぎや温めすぎには注意が必要です。
特に低月齢の赤ちゃんは、暑さを感じていても自分で布団から出たり、布団をどかすことはできません。
月齢が上がってきたとしても、「暑い」という感覚を自分の言葉で伝えるのはまだまだ難しいですよね。
そのため、ママは赤ちゃんが汗をかいていないかなど、こまめにチェックするようにしましょう。
もちろん、ママやパパでも電気毛布を使ったまま眠ってしまうと低温やけどなどの危険性があるので、使用する際は十分に注意してくださいね。