ベビー用スリングの特徴とは?
ハンモックのようにも見えますが、布を斜め掛けにした中に赤ちゃんを入れて抱っこしている姿を見たことがありませんか?それがベビースリングです。
【スリングの仕組み】
1枚の布を輪っか状にして肩から斜め掛けにして、布の広い部分に赤ちゃんを入れ、抱っこします。
布と長さ調製用の留め具だけでできたシンプルな構造で、以下のタイプがあります。
〈リングタイプ〉
2つのリングを組み合わせ布を固定し、スリング全体の長さを調節します。個々に合わせられるので、パパとママで共用も可能です。
広げれば授乳ケープ代わりに使うこともできます。
〈バックル・ファスナータイプ〉
バックルやファスナーで長さを調節します。パパとママで共用可能。
〈チューブタイプ〉
布を輪っか状にしただけのシンプルなタイプで、長さ調節はできません。S,M,Lなどのサイズ展開となっており、フィット感は少ないかも。
【スリングの起源】
諸説ありますが、欧米やオーストラリアでは、数百年前から布1枚で赤ちゃんを抱っこする風習がありました。
現在市販されている商品の多くは1990年代に発売開始になっています。
2000年代になってハリウッドスターがスリングで子どもを抱っこする姿がニュースなどで伝えられると、そのスマートさと手軽さで日本でも人気が高まりました。
【スリングの特徴】
かさばらないので持ち運びに便利で、小さくたたんでおくこともできます。キャリータイプと比べて価格が手ごろなのもうれしいところです。
綿や麻、メッシュタイプなどさまざまな素材の市販品がありますが、好きな布で自作することもできます。
使い始めは「これで本当に合ってるのかな?」と不安に感じることもあります。そんなときは家族や友だちに全方位から確認チェックをお願いしましょう。
自治体の育児相談や健診の際に保健師などに確認してみるのも良いですね。
赤ちゃんの安全のために、必ず正しい使い方をマスターしましょう。
ベビースリングでの抱っこの方法は?
形状がシンプルなスリングですが、さまざまな使い方ができます。代表的な抱っこの方法を紹介します。
実際に使用する際は、必ず製品の取扱説明書で手順を確認しましょう。
【抱っこの種類】
〈横抱き・ハンモック抱き〉
新生児から使える抱っこ方法です。スリングをハンモックのように広げ、赤ちゃんを中に入れて横抱きします。
ただし、この抱き方は赤ちゃんの首が固定しにくく前に曲がってしまうので細心の注意が必要です。
〈コアラ抱き〉
赤ちゃんの姿勢は縦抱きに近い形になりますが、首が据わる前から使える抱っこ方法です。赤ちゃんの頬っぺたとママの胸がくっつくくらい密着させます。
〈カンガルー抱き〉
赤ちゃんを前向きに抱っこする方法です。スリングの中の赤ちゃんはあぐらをかく格好になります。
〈縦抱き・寄り添い抱き〉
足を開脚させてスリングの中に深く座らせ、ママの正面で抱っこする方法です。首が据わってから2歳くらいまで。
〈腰抱き〉
縦抱きの状態から赤ちゃんを左右どちらかにずらし、ママの腰骨あたりで支える抱き方です。ママの正面が空くので、買い物や家事の際に便利です。
【正しい抱っこのチェックポイント】
一般的によく使われる縦抱きの場合、このような点を確認しましょう。
・赤ちゃんのお尻が重心になっているか(お尻が脚の位置より下がっているか)
・赤ちゃんが深く開脚しているか(開いた脚がママの腰骨に乗っているか)
・赤ちゃんのふくらはぎあたりまで布で覆われているか(ふくらはぎまで入っていないと落下の恐れあり)
・背中の布がたるんでいないか(お尻からふくらはぎを覆うように布を引っ張ります)
・正しい姿勢で抱っこすると、赤ちゃんのお尻は下がり、背中の布はピンと張ります
ベビースリングの注意点とは?
スリングを使う際には、以下のような点に注意しましょう。
【窒息の危険性】
スリング内で赤ちゃんの首を曲げすぎたために気管が折れ曲がってしまったり、布で顔が覆われてしまうことによる窒息事故が起きています。
回避するためには、赤ちゃんの首の角度に注意し、常に顔が見える状態で使用することが大切です。
アメリカでは「Visible&Kissable(顔が見えて、おでこにキスできる距離の抱っこ)」を提唱しています。
【股関節形成不全の危険性】
スリング内では、赤ちゃんは必ず開脚させるようにして抱っこします。これは、股関節脱臼を防ぐためです。
【強度と耐久性に注意】
スリングを自作した場合、安全確保のために十分な布の強度と頑丈な縫製が重要です。
また、アクリル製のバックルは使用中に割れる恐れがあるので金属製のリングを使いましょう。
市販のものも、布の劣化やほつれがないか適宜チェックするようにしましょう。
【落下事故に注意】
スリングで抱っこする時は、必ず片手を赤ちゃんに添えるようにします。
また、装着中にかがむ場合は、必ずしっかりと手で赤ちゃんを支えたうえで、腰を曲げるのではなく膝を曲げるようにします。
まとめ
いかがでしたか?
スリングは、うまく使いこなせばとても便利な育児アイテムです。キャリータイプの抱っこ紐と併用するママも多いようですよ。
赤ちゃんの安全や健やかな発達のためにも、必ず正しい使い方をマスターしてから、赤ちゃんを抱っこしてくださいね。