母乳の量はいつから増える?
赤ちゃんが産まれたら自然と母乳が出てくるの?
なかなか母乳が出てこないけど、いつからたくさん出るようになるの?
など、初めての赤ちゃんの場合、母乳に戸惑うママは多いのではないでしょうか。
母乳育児が軌道に乗るまで、不安に感じることもあるかもしれません。
そこで今回は、母乳がいつから増えるのか、出にくい原因や対処法などについて解説していきます。
母乳はどうやって作られる?
そもそも、母乳はどのようにして作られるのでしょうか。
母乳が作られる流れについてみていきましょう。
【①妊娠中から準備が始まる】
赤ちゃんが産まれてから母乳の準備が始まるのではなく、妊娠中から母乳の準備が始まります。
妊娠すると胎児と母体を守るために「プロゲステロン」というホルモンが発達し、母乳を作る乳腺を発達させてくれます。
妊娠中は準備のみで、分泌されることはありません。
【②出産後のホルモンの発達】
出産後、妊娠中に「プロゲステロン」を分泌していた胎盤がなくなり、今度は「プロラクチン」と「オキシトシン」というホルモンが活発に働きます。
この2つのホルモンにより母乳の生成が促され、母乳を乳腺から押し出されるという活動が始まります。
【③産後から数日経過して】
産後すぐは「プロゲステロン」が体内に少し残っているため、母乳の分泌があまりすすみません。
出産直後からおっぱいを吸わせて乳頭に刺激を与えることで、「プロラクチン」と「オキシトシン」が大量に分泌され、数日後から徐々に母乳の分泌が増えていきます。
母乳の量が増えるのはいつ?
出産すればすぐに母乳が出てくる、と考えている方も多いかもしれません。
しかし実際には、産後すぐではなく数日経過してから母乳が出始める場合がほとんどです。
母乳の出る時期や分泌量には個人差がありますが、安定した量の母乳が出るにはある程度の期間を要します。
一般的に、母乳の出る量が安定するのは生後1ヶ月から3ヶ月くらいと言われています。
ですので、産後すぐに母乳があまり出なくても心配になる必要はありません。
母乳は赤ちゃんがおっぱいを吸うことで分泌量が増えていきます。
産後すぐはママの疲労や体の準備が整っていません。
また、赤ちゃんの吸う力も弱く頻度が一定でないため、母乳の供給量が安定しません。
それでも、頻繁におっぱいを吸わせることを続けていくと、次第に安定していきます。
母乳が出にくい原因
中には、生後数ヶ月をすぎても母乳が出にくい、母乳量が安定しない方もいるかもしれません。
そのような場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
【母乳を吸わせる回数が少ない】
赤ちゃんが母乳を吸う回数が少ないと、母乳を分泌するホルモンへの刺激が少なくなります。
母乳はホルモンの刺激によって分泌量が増えるため、吸わせる回数を増やすことが大切です。
【ちゃんとくわえられていない】
初めは赤ちゃんも上手にくわえるのが難しい場合もあるでしょう。
くわえ方や授乳するときの姿勢などにより、いくら吸わせていても実はちゃんと飲めていないこともあります。
また、乳頭が硬かったりくわえにくい形をしていたりする場合も、赤ちゃんがちゃんとくわえられていない原因になります。
【ママが育児などによるストレスを感じている】
ママが育児によるストレスや疲労を感じている場合、ホルモンが刺激されにくくなってしまいます。
その結果、母乳が出にくくなったり少なくなったりしてしまっているのかもしれません。
母乳が出にくい場合の対処法
母乳があまり出ない場合や、母乳量が安定しない場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
【正しい授乳姿勢を心がける】
頻繁に飲ませているはずなのにあまり飲めていないと感じている場合、赤ちゃんが正しく飲めているか確認しましょう。
授乳の際は赤ちゃんとママがぴったりとくっつくように抱っこし、おっぱいをしっかり深くくわえさせましょう。
【おっぱいマッサージをする】
体が冷えている時のマッサージをすると痛く感じるため、入浴後など体が温まっている時におっぱいマッサージを行ってみましょう。
おっぱい全体を手のひらで優しく動かし、柔らかくなるようなイメージでマッサージしてみましょう。
刺激が強すぎると乳腺を傷つけてしまう恐れがあるので、優しくするのを心がけましょう。
【リラックスした気持ちを心がける】
母乳が出にくいと心配や不安を感じてしまう方は多いかもしれません。
ですが、その不安が今度はストレスにつながり母乳の量が少なくなってしまう原因になるかもしれません。
「いつか出るかもしれない」「まだあまり出なくても大丈夫」など、まずはママ自身がリラックスする気持ちになるよう心がけましょう。
まとめ
赤ちゃんが産まれてすぐ母乳育児を始められると思ったのに、と不安に思う方は少なくありません。
最初からたくさん出る方もいれば、母乳量が安定するまで時間がかかる方もいます。
なかなか量が増えない場合、つい気持ちが焦ってしまうかもしれません。
そのような場合はぜひ、対処法を試してみてください。
ただし、母乳の量には個人差がありますので、対処法ですぐに出ない場合もあるかもしれません。
まずはママ自身がリラックスすることを心がけて、楽しい授乳の時間にしてみてはいかがでしょう。