母乳育児とは?
母乳育児とは、赤ちゃんをママの母乳を飲ませて育てることです。
母乳のみを飲ませて育てる場合を「完全母乳育児」
粉ミルクと併用して育てる場合を「混合育児」
粉ミルクだけを飲ませて育てる場合を「完全ミルク育児」
などと言います。
必ずしも母乳で育てなければならないわけではありませんが、母乳育児をするとママと赤ちゃんの双方に様々なメリットがあります。
母乳育児のメリット
母乳育児をした場合のメリットは以下のとおりです。
【赤ちゃんにとってのメリット】
・乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症リスクを下げる
・免疫力の向上
・ママとのスキンシップによる情緒の安定
乳幼児突然死症候群とは、何の前ぶれもないまま、突然赤ちゃんが死んでしまう病気です。主に1歳未満の乳児に見られるもので、その原因は未だわかってはいません。
しかし、母乳を飲んで育った赤ちゃんの方が、そうでない赤ちゃんに比べて発症率が低いと言われています。
そのため現在は、世界的に母乳育児を推奨する傾向にあります。
また、このほかにも母乳に含まれる免疫物質により、赤ちゃんを様々な感染症やアレルギーから守ってくれるというメリットがあります。
【ママにとってのメリット】
・子宮の収縮を促し、産後の回復を早める
・妊娠前の体重に戻りやすい
・がん発症のリスクを下げる
・ママの心のケア
母乳育児は、上記のように赤ちゃんだけでなくママにも良いことがあります。
母乳を出す際に分泌されるホルモンにより、子宮の回復が早まったり、がん発症のリスクを下げるという効果があると言われています。
また、赤ちゃんとのスキンシップにより、産後不安定なママの心をリラックスさせ、赤ちゃんへの愛情を感じやすくなるというメリットもあります。
母乳育児のデメリット
母乳育児にはデメリットもあります。
・乳腺炎のリスクがある
・ママ以外の人に授乳を代わってもらえない
・母乳に影響のない薬を服用しなければならない
など。
特に母乳だけを飲ませる完全母乳育児の場合は、ママ以外の人に授乳を代わってもらうことができないため、ママが体調不良のときにゆっくり休むことができなかったり、薬の服用に気を付けなければならないというデメリットがあります。
母乳の飲ませ方
母乳育児をスムーズに進めるには、母乳を正しく飲ませることが大切です。
以下の点を参考に、正しい姿勢で赤ちゃんに母乳を飲ませてあげましょう。授乳クッションなどを活用して、授乳時の姿勢が崩れないようにしてください。
①乳輪部分も赤ちゃんがくわえるようなイメージで深くくわえさせる
②赤ちゃんの顔とママの体が平行になるような姿勢で授乳する
③左右まんべんなく吸わせる
④様々な授乳姿勢で飲ませる
など。
正しい姿勢を保つことができれば、赤ちゃんが母乳を飲みやすくなります。毎回しっかり飲んでくれることで、乳腺が刺激され、自然と赤ちゃんが必要な分だけ母乳をつくる体になっていきます。すると、母乳量が安定するので、スムーズな母乳育児をすることができます。
また、乳腺炎や乳首が切れるなどのトラブルも防ぐことができるので、正しい姿勢で授乳を続けることは非常に大切なことです。
もし、
・赤ちゃんが母乳をうまく飲んでくれない
・母乳が出ない(足りない)
・おっぱいがカチコチに硬くなり、痛みや熱がある
・乳首が切れて授乳がつらい
などのトラブルがある場合は、母乳外来や出産した病院に相談すると良いでしょう。