赤ちゃんの記憶力は?
赤ちゃんが生まれてから、どのように記憶力が発達していくか考えたことはあるでしょうか。
実は赤ちゃんの記憶力は、私たちが想像するよりも早く発達する能力だと言われています。
生まれてすぐ周囲の環境や経験を記憶し、その情報を次々に取り入れて成長しているのです。
今回は赤ちゃんの記憶力について、その発達や特徴、影響を含めて詳しく説明していきます。
赤ちゃんの記憶力の発達
赤ちゃんの記憶力はどのように発達していくのでしょうか。
【出生直後からの記憶】
生まれたばかりの赤ちゃんには記憶力がないと思っていませんか?
実は生まれたばかりでも記憶を持っています。
出生直後から、ママやパパの声、触れられた感覚など、出産時の経験を記憶しています。
もちろんその記憶をずっと覚えているわけではありませんが、ママやパパと絆を築く上で、この記憶が重要な役割を果たします。
【繰り返す経験による記憶】
生まれてから数ヶ月経つ頃には、毎日繰り返される物事を記憶していきます。
繰り返し経験したこと、例えば特定の音や視覚的な刺激に対する反応や、特定の行動パターンを覚えていきます。
「いないいないばあ」で喜んだり、人見知りをしたりするのも記憶の発達によるものと言われています。
<「いないいないばあ」と記憶力>
世界共通の赤ちゃんとの遊びである「いないいないばあ」。
単純な遊びのように見えて、この遊びは生まれた頃にしても赤ちゃんは喜びません。
いないいない・・・と隠れても、ただそれは目の前にあったものが消えたと認識するからです。
しかし、月齢が大きくなり、徐々に一時的に記憶する「短期記憶」力がついてくると、「見えなくなったけれど、隠れているだけでそこにある」ということが理解できるようになります。
そして、ばあ!と顔が出てくることを繰り返すうちに、だんだんと「隠れているけれど、すぐに顔がまた現れる」ことを覚え、予測し、期待するという力がつくのです。
<人見知りと記憶力>
人見知りも記憶力と大きな関わりがあるものです。
人見知りをするのは、覚えている顔と、そうではない顔を区別できるようになった証拠。
記憶力の発達しているということなのです。
【記憶の成熟】
赤ちゃんの記憶力は、時間の経過とともに成熟していきます。
生後数ヶ月から1歳頃にかけて、赤ちゃんは徐々に長期的な記憶を形成し始めます。
個人差は大きいですが、生後2ヶ月で約1〜2日間なら記憶したものを覚えていられるようになり、月齢を重ねるごとにその覚えていられる期間も伸びていきます。
繰り返しの経験や親しい人々との関わりを通じて、赤ちゃんは自分の世界を理解し、記憶を蓄積していきます。
赤ちゃんの記憶力の特徴
私たちが一般的に考える記憶力というのは、何かを覚えて、それをずっと覚えておくことであると考えがちです。
しかし、記憶力にも色々とあり、ずっと覚えているもの、ふとした瞬間に思い出すもの、何かしらの刺激で思い出すもの、短期間だけ覚えていてすぐに忘れるものなど種類があります。
赤ちゃんの記憶力には、それと同じように特徴があります。
【特徴①感覚的な記憶】
赤ちゃんの記憶は、主に感覚的な情報であることが多いです。
感覚的な記憶とは、視覚、聴覚、触覚などの感覚を通じて受けた情報を記憶することを言います。
特に、感情的に「これをされて嫌だった」「こうしてもらえると嬉しい、気持ちがいい」などの経験や刺激は、赤ちゃんの記憶に強く残ります。
【特徴②聴覚をはじめとした感覚での識別】
赤ちゃんは早い段階から、聴覚が発達しているため、ママやパパ、お世話をしてくれる人々の声を識別する力を持っています。
視力は徐々に発達してきますが、近くに寄ってきてくれる人の顔を見分けたり、匂いや抱っこのされ方など感覚で記憶する子も多いです。
また、感覚刺激との結びつきも強く、特定の音楽や歌を覚えて反応するなど、感覚記憶が伸びやすいのが特徴です。
それを生活の中で繰り返していく中で、短期記憶として数日覚えていられるようになり、中期記憶、長期記憶と繋がっていきます。
赤ちゃんの記憶力の影響要因
赤ちゃんの記憶力の発達の仕方を紹介しましたが、記憶力の成長には次の要因も関わっていると言われています。
【環境と経験】
赤ちゃんの記憶力は、周囲の環境や経験に大きく影響されます。
豊かな経験、つまりさまざまな経験を意識してすることや、感覚刺激の多い環境が、赤ちゃんの記憶力の発達を促進すると言われています。
また、周りの環境が変わりすぎない、安定した環境や安心感のある関係性も、記憶力の発達に重要だと考えられています。
【愛着関係】
赤ちゃんが安心して成長するためには、愛着関係が欠かせません。
ママやパパはもちろん、お世話や赤ちゃんと関わる人たちとの安定した愛着関係が、赤ちゃんの記憶力を支える基盤となるでしょう。
まとめ
赤ちゃんの記憶力は、生まれたばかりの頃から発達し、月齢を重ねるごとにどんどん発達していきます。
そして、周囲の環境や経験に影響されると言われています。
よく、赤ちゃんなど小さい子どもに何かをしてあげたり、旅行へ行ったりしても、「覚えていないから意味がない」という意見もありますが、そんなことはありません。
さまざまな経験と、大好きなママやパパと一緒に過ごした日々は、記憶力の発達に影響するとも言えるので、ぜひ赤ちゃんと一緒に楽しく過ごしてみてください。