育児ノイローゼの対処・治療法は?
育児ノイローゼとは、育児に伴い精神的・身体的な負担が蓄積し、ストレスや不安などが引き金となり、抑うつ状態や無力感、イライラなどの症状が出ることを言います。
「ノイローゼ」と言う言葉はドイツ語からきているものの、今の医学では正式な病名としては使われていません。厳密な定義はありませんが、産後うつの状態より軽い症状のことを指すことが多いようです。
その対処法は、自分だけで改善するのは難しいことが多く、精神科や心療内科の医師と相談しながら、症状に応じて最適な方法を見つけることが重要です。
また、周りのサポートを得ながら、負担を減らしていくことも大切になります。
今回は、もし育児ノイローゼになった場合の具体的な対処法についてまとめました。
育児ノイローゼの治療法:カウンセリング
育児ノイローゼの治療で、最も一般的な方法の一つがカウンセリングです。
精神科や心療内科への受診後や、育児相談窓口等で受けられます。
カウンセリングでは、専門のカウンセラーや心理士が、育児に関連する悩みやストレスを聞き取り共有し、心のケアを行います。
特に以下のような点に効果が期待されています。
【感情の整理ができる】
カウンセリングを受けることで、自分の感情の整理することができます。
日々の育児ストレスや不安を言葉にすることで、頭の中を整理し、「どうしてつらいと思うのか」などの感情を理解していきます。
こうした、気持ちの整理と、自分の気持ちを安心して話せる場を持つことは、ストレスの軽減に繋がります。
【対処法を習得できる】
カウンセラーとの対話は、ストレスを感じたときの具体的な対処方法や考え方を学ぶ機会にもなります。
ストレスを減らすための生活習慣の見直しや、周りとのコミュニケーションの取り方など、個々に合った対策を見つけていきます。
定期的にカウンセリングを受けることで、その時々に合った対処法を身につけ、ストレス耐性を身につけることも、育児ノイローゼの治療に繋がります。
【孤立感の解消につながる】
また、孤立感や無力感を抱えやすい育児中の方にとって、相談できる人がいることや、自分と同じ境遇の人がいるという気付きが大きな助けとなることが多いです。
自分はひとりではなく、頼れる人がいて頼ってもいいということ、同じ悩みを抱えている人は大勢いるということを知るだけでも、心が軽くなることがあります。
カウンセリングを通して、何事も1人で悩まず相談していけるようになれば、更なる症状悪化の予防にもつながるでしょう。
育児ノイローゼの治療法:薬物療法
カウンセリングや生活習慣の改善では症状が改善しない場合や、医師が必要と判断した場合、病院で薬物療法を提案されることがあります。
育児ノイローゼの重症度によっては、以下の薬が処方されることがあります。
・抗うつ薬
抑うつ症状が強い場合、抗うつ薬が処方されることがあります。これにより、気分の落ち込みや無気力感が軽減され、育児に対する負担感が和らぐことがあります。
・抗不安薬
不安や緊張感が強い場合には、抗不安薬が処方されることがあります。これにより、心の落ち着きを取り戻し、イライラや過剰な不安感が抑えられることが期待されます。
ただし、服薬に関しては、授乳中であることを伝え、不安や悩みが服薬によって逆に増えないように、医師としっかり相談してください。
育児ノイローゼの対処法:育児サポートの活用
育児ノイローゼの改善には、日常生活のサポートを受けることも効果的だと言われています。
核家族が増えた現代では、どうしても育児の負担や家庭の悩みを1人で抱えなければならないケースも増えてきました。
その点を解消するために、育児のサポートサービスを活用し、1人で頑張りすぎないこと、負担を少しでも減らすようにしていくといいでしょう。
・育児相談サービス
保健センターや自治体の育児相談窓口などで、専門家からアドバイスが得ることが、ストレス軽減につながることがあります。
電話やオンラインで相談できる場合もあるので、1人で悩みを抱え込んでしまう前に、気軽に相談してみるのがおすすめです。
・家事代行サービス
育児と家事の両立は、大変なことが多いです。
そんな時に家事代行サービスを利用すれば、日常の家事負担が減り、自分の時間や育児に集中できるようになるでしょう。
・一時保育の利用
一時保育を利用し、自分の時間を確保するのもいいでしょう。市区町村に寄りますが、1時間あたり500円~1,000円で赤ちゃんを預かってもらえることが多いです。あらかじめ手続きが必要になるので、今は気持ちの落ち込みはなく大丈夫、と思っているときに、利用の方法を調べておきましょう。
・育児イベントに参加
地域の赤ちゃん・子ども向けのイベントなど、同じくらいの子を持つ方と交流する場に行ってみるのもいいでしょう。
孤立感を解消できたり、悩みの共有ができたりするかもしれません。
育児ノイローゼの対処法:生活習慣の見直し
育児ノイローゼの改善のためには、生活習慣を見直すことも大切です。
・休息の確保
睡眠不足や過労は育児ノイローゼの大きな要因となりやすいです。周囲のサポートを受け、できる限り休息を確保し、心身とも休める時間を持つよう心がけましょう。
休むことも育児のうちと思ってみるといいかもしれませんね。
・栄養バランスの取れた食事
栄養バランスの取れた食事は、心身の健康維持に欠かせません。子ども中心の生活になると、どうしても自分の食事は二の次になってしまうものですが、ママが体を壊しては本末転倒ですよね。
簡単にバランスのとれた栄養がとれるものも最近出てきていますので、1日一食でもいいので取り入れてみるといいかもしれません。
・適度な運動
適度な運動もストレス解消には効果的です。散歩もいいですし、宅トレやストレッチは動画サイトにやり方が載っていますので、参考にしてみるといいかもしれませんね。
まとめ
育児ノイローゼの治療・対処法には、カウンセリング、薬物療法などが行われることが多いです。
その他、地域のサポートの活用や生活習慣の見直しなど、複数の方法が組み合わせながら、一人で抱え込まず、周りの方と一緒に子育てをしていくといいかもしれないですね。