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赤ちゃんが生まれた瞬間に泣く理由が知りたい
赤ちゃんがこの世に誕生して最初にすることが、泣くことです。
「生まれてきたことが嬉しいから泣く」「ママにやっと会えて嬉しいから泣く」など、喜びを噛みしめて泣くのだというは、よく言われていることですよね。
それは素敵な理由ではありますが、赤ちゃんが泣きながら生まれてくることには、他にも生き抜くために必要な大切な理由があるのです。
赤ちゃんはなぜ生まれた瞬間に泣くの?その理由を、順を追って説明していきます。
赤ちゃんはママのお腹の中にいる時は泣いていない
赤ちゃんは、実はママのお腹の中にいる間は声を出して泣くことはありませんでした。
詳しく見ていきましょう。
【胎内では肺で呼吸をしていなかったため】
赤ちゃんがママのお腹の中で過ごしている時は、羊水に浸かった状態で過ごしています。
自分で呼吸をしているわけではなく、成長に必要な酸素や栄養は、ママの胎盤とへその緒を通じて受け取っていました。
赤ちゃんが吐きだす二酸化炭素も、ママへその緒と胎盤を通じて渡しています。
赤ちゃんはそのようにして、お腹の中で過ごしてきました。
ママのお腹の中では、赤ちゃんは自分の肺を使って呼吸をすることはなかったのです。
よって、赤ちゃんが泣いて過ごすということもありませんでした。
【生まれた後に泣くための練習はしている】
赤ちゃんは自分の肺で呼吸は行っていないものの、羊水を肺胞に入れて膨らませ、肺をつぶして羊水を吐き出す練習をしていました。
これは、赤ちゃんが生まれてすぐに呼吸を自分の肺で行い、泣き声を出すための大事な練習です。
ちなみに、赤ちゃんがお腹の中にいる時にしているあくび、しゃっくりも、呼吸の練習の1つです。
赤ちゃんが生まれた瞬間に泣く理由は?
ママのお腹の中から外の世界に誕生し、これから強く生き抜いていくための第一声が、赤ちゃんの泣く声です。
この第一声には、大切な理由があります。
【初めて自分で呼吸をした証拠】
赤ちゃんはママのお腹の中では、肺も羊水に満たされた状態で過ごしていますが、産道を通る際に羊水は外に排出されます。
そして、肺は空っぽになりつぶれた状態になるのです。
生まれてお腹の外に出た瞬間に、初めて自分の力で肺にたっぷりと酸素を吸い込み、肺を膨らませます。
そして、息を吐きだすのと一緒に「オギャー、オギャー」という泣き声を出すのです。
医学用語では「第一啼泣(だいいちていきゅう)」と言い、一般的には産声と呼ばれているものです。
赤ちゃんが泣いたということは、自分で呼吸ができるようになった証拠ということ。
自分の力で肺に酸素を送り込み、二酸化炭素とのガス交換ができるようになり、全身に力強く血が巡り始めます。
赤ちゃんがなかなか泣かなかったけど大丈夫?
生まれた瞬間に呼吸ができるようになるとは、人間とは力強く不思議なものです。
しかし、そんなにすぐに呼吸はできるの?苦しくないの?と疑問に思うかもしれません。
赤ちゃんはママのお腹の中にいる間、ママの胎盤とへその緒を通じて酸素を送ってもらっています。
自分の力で呼吸は行っておらず、血液中の酸素はお中の外にいるよりも少しだけ薄い状態で過ごしているので、酸素が効率よく体を巡れるような働きがあるそうです。
出産時に何かしらの原因やトラブルがあって、赤ちゃんがなかなか泣かなかったということが稀にあります。
その間はママも心配になりますが、少しの間酸欠になっていたとしても、その後に産声を上げていれば、脳への影響は考えにくいとのことです。
(産声をなかなかあげられない赤ちゃんに、助産師さんが背中をさすったり、足に刺激を与えて産声を出させることがあります。)
新生児期の赤ちゃんが泣く理由
赤ちゃんが生まれた瞬間に泣くことは、呼吸を始めたという大切な合図です。
そして、生まれて数時間を過ごした新生児期の赤ちゃんが泣くのには、生き抜くための別の理由があります。
【欲求を伝えたい】
赤ちゃんがお腹が空いた、おむつが汚れた、眠い、抱っこして…といった欲求をママに伝えるために、泣くという手段を使います。
言葉が話せない赤ちゃんです。
欲求を満たしお世話をしてもらうために、身体でいっぱい泣いて伝えようと必死です。
【びっくりしたり、怖い思いをしたりした】
赤ちゃんがびっくりしたり怖い思いをしたりすると、感情のままに泣き声を上げます。
例えば強い音がした時や、身体に刺激があった時などです。
まとめ
赤ちゃんが生まれた瞬間に泣くのは、これから人生を歩んでいくための大切な第一声。
初めて自分の肺で空気を吸って吐き出す時、「オギャー、オギャー」と産声をあげますが、これは呼吸ができるようになった証拠です。
ママにとっても、忘れられない瞬間となることでしょう。
呼吸のために赤ちゃんが泣くのは、実は生まれたこの瞬間のみの出来事。
これから先に赤ちゃんが泣く理由は、自分の欲求をママに伝えたりお世話をしてもらうたったりするための手段として泣くのです。
赤ちゃんは成長して自分のことを自分できるようになるまで、生きるために泣くと言ってもいいかもしれません。
大切な命です。赤ちゃんの声にしっかりと耳を傾け、育てていきたいですね。