乳児のアトピー性皮膚炎って何?
アトピー性皮膚炎って聞いたことありますか?赤ちゃんにも多い皮膚炎のことで、ひどくかゆがり、機嫌が悪くなる赤ちゃんもいます。よく乳児脂漏性皮膚炎やおむつかぶれなどと間違えられやすい疾患です。
今回はそんな乳児のアトピー性皮膚炎の特徴とよく言われる原因は本当なのか、また適切な対処法をご紹介します。
乳児のアトピー性皮膚炎の特徴は?
乳児期(2歳まで)のアトピー性皮膚炎は次のような症状が見られます。
【乳児期のアトピー性皮膚炎の特徴】
・赤いぶつぶつとした湿疹ができる
・皮膚が赤くなる
・目の周りが赤くなる
・耳の後ろが切れる(耳切れ)
・頭や顔に湿疹が出る
・左右対称に症状が出やすい
・ひどくかゆがる
・2ヶ月以上続く
先ほど、乳児脂漏性皮膚炎やおむつかぶれとよく間違えられやすいと言いましたね。乳児脂漏性皮膚炎は頭部や眉毛周辺に黄色いかさぶたの付いた湿疹が出やすいという特徴があります。おむつかぶれは、その名の通り、おむつをしている場所にしか湿疹ができません。アトピー性皮膚炎の特徴とは少し異なります。
また、アトピー性皮膚炎は乳児期だけではなく幼児期(2歳以降)や学童期の子どもにも表れる疾患ですが、特徴が少し異なります。幼児や学童は目の周りや耳などの顔周りの湿疹は減り、首、肘や膝の内側、足首など全身に症状が出やすいです。
乳児のアトピー性皮膚炎の原因は?
アトピー性皮膚炎が起こる原因は気になる方も多いですよね。
しかし、アトピー性皮膚炎の原因は解明されていないのが現状です。
そしてアトピーになるきっかけや悪化させる要因なども、個人差があり、はっきりとしないことが多いようです。
【アトピー性皮膚炎は遺伝?】
親がアトピーであれば子どももアトピーになりやすいのではないか、と心配するママもいるでしょう。
結果から述べると、アトピー性皮膚炎自体は遺伝しません。
ただ、敏感肌であることや、アレルギーに反応しやすい体質であること、また免疫異常の病気にかかりやすいことが遺伝している可能性はあるようです。
【妊娠中の食生活が原因?】
妊娠中の食事が赤ちゃんのアトピー疾患に関係しているという噂を耳にしたことがある方もいると思います。
しかし、こちらも科学的な根拠は全くありません。
このように、アトピー性皮膚炎の原因については明らかではないので、アトピーだと診断されたら原因を突き止めるよりも、対処の方法を知っていきましょう。
乳児のアトピー性皮膚炎の対処法
乳児のアトピー性皮膚炎にはどのように対処していけばいいでしょうか。
【医療機関での受診】
赤ちゃんに湿疹ができ、強くかゆがるなどアトピー性皮膚炎である可能性がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。皮膚炎はかゆがってかきむしることで悪化してしまいます。また、アトピー性皮膚炎は個人によって症状も異なるため、自己判断も危険です。
症状の改善には、炎症を抑え、肌のバリア機能を回復させることが大切です。そのために、保湿剤などの軟こうや、またはステロイド剤の軟こうを使うことが一般的です。かゆみがひどく、かきむしる可能性がある場合は飲み薬で抗ヒスタミン剤が処方されることもあります。
ステロイド剤は長期間使った場合の副作用を気にし、敬遠するママもいるようです。しかし、上手に正しく使うことで重度の症状にも効果的で、アトピーの症状を長引かせず治療することができます。心配な場合は医師とよく相談し、不安な点を解消したうえで、使用方法をしっかり守り使用しましょう。
また、食べ物がアトピー性皮膚炎の原因だった場合、その原因の食べ物を除去する対処法もあります。その場合は必ず医師との相談のうえで除去し、離乳食を進めるようにしてください。自己判断での除去食は栄養が偏ってしまう危険もあるため止めましょう。
【自宅でのケアのポイント】
自宅ではアトピーの症状が悪化しないようにするために必要なケアです。次のようなポイントを守り、ケアしてあげましょう。
・毎日入浴する
・やさしく洗う(ぬるま湯で、せっけんなどは泡立て、ゴシゴシこすらない)
・小まめに保湿する
・汗をかいたらシャワーを浴びさせる(できないときは水で濡らしたタオルで優しく押しふきをする)
・強い紫外線は長時間浴びさせない
・爪を切る
・身の回りのものの洗濯、掃除は小まめに
・枕カバーやシーツは防ダニ加工のものを使用する
・部屋の換気をする
日常のケアが症状の悪化を防ぎ、また症状の再発予防にもなります。また、規則正しい生活も症状改善には必要です。よく食べ、よく遊び、しっかり寝るというストレスフリーな生活が送れるよう心がけましょう。
まとめ
アトピー性皮膚炎は赤ちゃんにとって、かゆくて辛いもの。早めに医療機関を受診し、治療を開始してあげましょう。
また、自宅でのケアも大切です。衛生的に保ち、小まめなスキンケアを日常的に心がけることで、アレルゲン物質が入り込む余地を与えない強い皮膚を作ってあげられます。赤ちゃんが悩みのない肌で毎日過ごせるよう、気をつけてみてくださいね。