授乳期の赤ちゃんも虫歯になる?
歯が生えてくる時期には個人差が大きいですが、早ければ生後5ヶ月ごろから生え始めます。
そんなかわいらしい乳歯が虫歯になったら・・・と考えたら悲しいですよね。
生後5ヶ月といえば、まだ母乳やミルクを飲んでいる授乳期の子が多い時期。
実は、授乳期でも、歯が生えてくれば虫歯になることはあります。
虫歯はミュータンス菌という細菌が口内で増殖し、酸を生成して歯の成分を溶かす病気です。
生まれたばかりの赤ちゃんの口内にはミュータンス菌はいませんが、周りの人から感染し、増殖すると乳歯でも虫歯になる可能性があるのです。
今回は赤ちゃんを虫歯のリスクから守るために、授乳と虫歯の関係についてまとめました。
母乳やミルクは虫歯の原因になる?
虫歯は先述したように、ミュータンス菌という細菌が増殖し、歯を溶かすことで起こります。
ミュータンス菌は糖質を栄養源として増殖しますが、母乳やミルクにも乳糖という糖質は含まれています。
乳糖はお砂糖であるショ糖と比べて、虫歯の原因になりにくい糖質ではありますが、絶対に虫歯の原因にならないというわけではないので、歯が生えてきたら気を付けたいところですね。
【離乳食を始めたら要注意】
母乳やミルクに含まれる糖質は、虫歯の原因になりにくいものの、離乳食に含まれる糖質は虫歯の原因になることがあります。
離乳食を始めるころにはちょうど歯が生えてくる時期であることも多いため、注意が必要です。
【哺乳瓶が虫歯の原因になることも?】
哺乳瓶でミルクを飲んでいる場合、哺乳瓶を咥えたまま寝てしまうこともあるでしょう。
その場合、口の中に長い時間ミルクが溜まり、ミルクが歯に長時間触れているので、虫歯のリスクが高くなることもあります。
特に寝かしつけの際にミルクを飲ませている場合は、気を付けた方がいいでしょう。
進行が速い赤ちゃんの虫歯
授乳期の赤ちゃんでも、虫歯になる可能性はあるということが分かりました。
もちろん赤ちゃんだけではなく、授乳期を終えた子どもも大人も虫歯には気をつけたいものですが、赤ちゃんの場合は虫歯になると進行が速いので特に気をつけた方がいいと言われています。
赤ちゃんの歯、つまり乳歯のエナメル質は永久歯に比べて薄く、酸に対する耐性が弱いためです。
永久歯よりも構造が柔らかい乳歯は、虫歯菌が酸を作り出すとすぐに歯の表面が溶けてしまいやすいのです。
そのため、初期の小さな虫歯でも短期間で大きく進行し、治療が必要になることがあります。
授乳中の赤ちゃんの虫歯対策
授乳中の赤ちゃんの歯を虫歯から守るためには、どのような対策が必要でしょうか。
【口内の清潔を保つ】
まず大切なのが、口の中を清潔に保つことです。
歯が生え始めたら、シリコンブラシや赤ちゃん用の歯ブラシを使ってケアを始めましょう。
【家族も口腔ケアをする】
赤ちゃんへの感染を防ぐためにも、家族全員が口腔ケアを徹底し、家族みんなで虫歯対策をすることが大切です。
みんなで健康な歯の習慣を心掛けられるといいですね。
【歯科医院でのフッ素の塗布】
赤ちゃんの歯の健康を守るために、歯科医院でのフッ素の塗布も検討するとよいでしょう。
一般的に乳歯が生え始めた時期からフッ素塗布を行ってもらうことができます。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯菌の酸から歯を守る役割があります。
<フッ素塗布の頻度>
一般的に年に2〜3回のフッ素塗布をしておくと、虫歯予防になると言われています。
また、定期的に医師に歯の状態を確認してもらう、定期健診を受けるといいでしょう。
定期健診、フッ素塗布のタイミングや頻度は、歯科医師と相談して決めると安心です。
親子の食器共有はダメ?
以前から、親から子どもへ虫歯菌の感染を予防するために、親とスプーンやコップなどの食器の共有を避けるようにと言われることや、その情報が広がっています。
しかし、食器の共有をしないことで虫歯予防できるとい うことの科学的根拠は、はっきり明確なものではありません。
食器を共有することよりも前に、虫歯菌が親子間でうつっている可能性があることや、食器の共有に気をつけていても子どもが虫歯になったなどの例があることが理由として挙げられます。
赤ちゃんの歯が虫歯になるのを避けるためには、やはり家族みんなでのケアが大切と言えるでしょう。
まとめ
授乳期の赤ちゃんでも、歯が生えてくると虫歯になるリスクがあることが分かりました。
母乳やミルク自体が虫歯の原因になることは少ないですが、離乳食が始まり、いろんなものを食べるようになると、虫歯のリスクは上がります。
乳歯は永久歯へと生え変わりますが、口内環境は永久歯に生え変わったからといって変わるものではありません。
乳歯の頃から口内環境を清潔に保つ習慣をつけておくことが、赤ちゃんの生涯の歯の健康につながることもあります。
まずは、家族みんなで歯の健康を考えた習慣を作っていきましょう。