赤ちゃんの耳だれ
赤ちゃんの耳から、においを伴う黄色っぽい液体が出てきて驚いた経験を持つママは多いと思います。
この液体の正体は「耳だれ」といい、耳漏(じろう)とも呼ばれます。
赤ちゃんの耳から耳だれが出ている時は、耳が何らかの炎症を起こしているサインです。
今回は、赤ちゃんの耳だれの原因と、お手入れ方法などについて詳しく解説します。
赤ちゃんの耳だれの原因
【①中耳炎】
中耳炎(ちゅうじえん)とは、鼓膜の奥にある「内耳」が炎症を起こしている状態のことを言います。
中耳炎は、赤ちゃんにはポピュラーな病気で、0~3歳のうちに実に7割もの赤ちゃんや子どもが発症すると言われています。
中耳炎は耳だれ以外にも、
・耳の痛み
・発熱
・耳が聞こえづらい
などの症状が併発することもあります。
中耳炎は自然と治る病気ではないため、上記の症状が見られたらなるべく早めに病院を受診しましょう。
また、中耳炎の原因は様々ですが、鼻水が原因であることが多いです。
赤ちゃんが風邪をひいて鼻水が出ている場合は、こまめに鼻水を吸ってあげるようにしましょう。
赤ちゃんは大人と異なり鼻水をうまくかむことができないので、ふき取るだけでなく鼻水をしっかりと吸うことが重要です。
鼻水吸い器は電動式のもの、ポンプタイプのものなど様々なものがあります。
(チューブを口にくわえて吸うものもありますが、風邪をもらうリスクがありますし、あまり吸引できません。)
赤ちゃんに突然鼻水が出ても慌てないように、1つは持っておくと便利な育児グッズですよ。
【②外耳道炎】
外耳道炎(がいじどうえん)とは、耳の穴から鼓膜までの「外耳」と呼ばれる部分が炎症を起こしている状態のことをいいます。
外耳道炎は、耳だれと合わせて
・耳の痛み
・耳のかゆみ
などの症状が起こります。
赤ちゃんの耳に触れるだけでも非常に痛がったり、かゆそうに耳を気にしている仕草が見られる場合は、外耳道炎の可能性が高いです。
外耳道炎は悪化すると非常に激しい痛みを伴い、耳だれに血が混じることもあるため、早めに病院を受診しましょう。
外耳道炎の主な原因は、耳そうじの際に赤ちゃんの耳を傷つけてしまうことによって起こります。
赤ちゃんの耳そうじの際は力を入れすぎずに行うようにしましょう。
耳そうじはママが無理に行わず、耳鼻科にお任せするのも一つの方法です。
「たかだか耳そうじで病院へ行ってもいいの?」と思うママもいるかもしれませんが、赤ちゃんや子どもの耳そうじのために耳鼻咽喉科へ行くママは少なくありません。
不安なようなら、「赤ちゃんの耳そうじで受診したい」とあらかじめ電話で相談してみても良いですね。
赤ちゃんの耳だれは何科?
【赤ちゃんの耳だれでの受診の目安】
赤ちゃんに耳だれの症状が見られたら、なるべく早めに病院へ連れて行くようにしましょう。
赤ちゃんの耳だれの原因によっては自然と治るものもありますが、赤ちゃんは自分の症状を言葉で伝えることができません。
耳だれ以外にも不快に感じていることがあるかもしれないので、必ず病院へ行ってしっかりと医師に診てもらってくださいね。
また、耳だれと合わせて、高熱やひどい耳の痛みを伴う場合は、夜間でも診察が必要なケースもあります。
診療時間外の受診の判断に悩んだら、「#8000(子ども医療電話相談事業)」に電話をしてみましょう。
専門の医師や看護師が相談に乗ってくれますよ。
【赤ちゃんの耳だれは何科に行く?】
赤ちゃんの耳だれの場合は、耳鼻咽喉科へ連れて行くようにしましょう。
もし耳鼻咽喉科が近くにない場合はかかりつけの小児科でも診察可能です。
ただし、小児科の場合は耳の中まで細かく見られる医療機器がない場合もあるため、まずは電話で症状を伝えて受診可能かを確認すると安心です。
赤ちゃんの耳だれのお手入れ方法
赤ちゃんに耳だれの症状が見られたら、なるべくこまめにふき取りましょう。
耳だれを放置しておくと、耳だれが固まってしまいます。
ふき取る際は、ぬるま湯を絞ったガーゼやタオルで優しくふき取るようにしましょう。
また、赤ちゃんを寝かせる際は、赤ちゃんを横向きに寝かせ、耳だれのある耳を下側にして寝かせます。
この時、寝具に耳だれがついてしまうことがあるので、タオルなどを敷いておきましょう。
赤ちゃんの耳だれがある際の注意点
赤ちゃんの耳だれが気になるからと言って、綿棒などで耳の奥までふき取る必要はありません。
炎症が起きている耳の内部を傷つけてしまう恐れがあるため、ガーゼなどでふき取れる範囲のみふき取れば大丈夫です。
同様に、耳だれが耳の内部で固まってしまったとしても、無理に取らずに医師に相談しましょう。
また、赤ちゃんの耳だれが改善したとしても、自己判断で通院や服薬等をやめずに、医師の指示に従いましょう。
まとめ
赤ちゃんの耳だれを初めて見たママは驚いてしまうかもしれませんが、小さな赤ちゃんには耳のトラブルはよくあることです。
しかし、耳だれをそのまま放置してしまうとその原因となる炎症がもっと悪化してしまいます。
耳だれの症状が見られたら、なるべく早めに病院へ行くようにしましょう。