赤ちゃんの「熱なし」けいれんの原因

赤ちゃんのけいれんで熱がない時

赤ちゃんの体の一部または体全部が硬直したり、ピクピクと動いたりすることを「けいれん(痙攣)」と言います。

乳幼児のけいれんで多いのは、発熱を伴う「熱性けいれん」ですが、稀に熱がないのにけいれんを起こすこともあります。

 

赤ちゃんがけいれんを起こすと、ママはとても心配になりますよね。

そこで今回は、主に熱がない時に起こる赤ちゃんのけいれんについてご紹介します。

 

熱がない時のけいれん①新生児けいれん

新生児けいれんとは、生後間もない時期に起こるけいれん発作のことを指します。

新生児の場合、けいれん特有のガクガク・ピクピクとした体の動きや体の硬直は見られないため、ママやパパが見た目だけで判断することが難しいでしょう。

 

【主な症状】

・呼吸の停止

・自転車をこぐような足の動き

・唇や舌をモグモグ咀嚼しているような動き

・瞬きを繰り返す

 

など。

新生児けいれんの場合、このような「微細発作」が多いため、発作であるかどうか見つけにくいという特徴があります。

赤ちゃんを見ていて、何かいつもと違う奇妙な動きが見られたら、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。

 

【主な原因】

新生児けいれんは、以下のようなことが原因で起こるとされています。

 

・くも膜下出血や脳室内出血など頭蓋内出血が原因で起こる

・脳炎や髄膜炎など細菌やウイルスが原因で起こる

・脳梗塞が原因で起こる

・妊娠中や分娩時に赤ちゃんの脳に酸素が十分に送られていないことが原因で起こる

・先天的な発達異常や大脳皮質の形成異常が原因で起こる

 

など。

新生児けいれんの場合、なかなか異常を見つけるのは難しいですが、けいれんが長く続くことで後遺症が残ることもあると言われています。

なるべく早く対処することが大切なので、気になる症状が見られたら携帯などで動画を撮影し、すぐにかかりつけ医に相談するようにしましょう。

 

熱がない時のけいれん②憤怒けいれん

生後6ヶ月から1歳くらいの赤ちゃんに多いとされるのが「憤怒けいれん」

別名「泣き入りひきつけ」とも言います。

 

【主な症状】

主に赤ちゃんが泣き過ぎてしまったことで、うまく呼吸ができず、けいれんを起こしますが、タイプによってその症状が少し異なります。

 

《チアノーゼ型》

チアノーゼとは、酸欠状態になることで唇の色が青紫に変色する状態のことを言います。

 

赤ちゃんが泣き過ぎて、呼吸ができなくなることで一時的な酸欠状態に陥り、チアノーゼや意識の喪失が起こります。

時には、体が反り返ったり、ガタガタと体が震えたりする症状も見られるでしょう。

 

《蒼白型》

蒼白型は、頭を強く打つなどのひどい痛みがあった時や物凄く驚いた時などに起こります。

強い衝撃により、呼吸が止まって顔面蒼白となり、泣くこともなく意識を失ってしまうのが特徴です。

 

【主な原因】

いずれも、赤ちゃんの呼吸を調節する器官や脳が未熟であることが原因で起こると言われています。

そのため、脳の画像診断により、特段異常が見られなければ、成長と共にけいれんなどの発作は見られなくなるでしょう。

熱がない時のけいれん③胃腸炎関連けいれん

主に生後6ヶ月~3歳児くらいに多く見られるのが胃腸炎関連けいれんです。

一般的には、胃腸炎を発症してから数日後にけいれんが現れるケースが多いとされています。

また、胃腸炎関連けいれんは、短時間に何度も繰り返すことが特徴です。

 

【主な症状】

・手足の硬直

・体がガクガクと動く

・手足の一部がピクピク動く

・目を開いたまま反応がない

・意識の喪失

 

など。

けいれんの症状は、その子によって様々です。医師に相談する際は、必ずけいれんの様子を正確に伝えるようにしましょう。

携帯などで動画を撮っておくと診断の助けになります。

 

【主な原因】

ロタウイルスやノロウイルスなど、ウイルス性胃腸炎が原因で引き起こされると言われています。

 

ウイルス性胃腸炎が原因で引き起こされるけいれん発作は、慢性的に持続することはほとんどないため、後遺症を残すこともありません。

ただし、時々、脳炎や脳症を発症することがあります。この場合は、命の危険だけでなく、後遺症を残すこともあります。

 

ロタウイルスに関しては、ワクチン接種をすることで予防することが可能です。重症化を防ぐためにも、ワクチン接種をしっかり行うようにしましょう。

 

熱のないけいれんが起こった時の注意点

熱を伴わないけいれんが起こった時の注意点について確認しておきましょう。

 

【①自己判断は禁物】

熱を伴わないけいれんの原因は、様々です。

けいれんを起こした原因によって、治療法も異なります。

適切な処置を早めに行うことで、けいれんによる後遺症を防ぐことができますので、自己判断はせず、必ずかかりつけ医に相談するようにしましょう。

 

【②けいれんの様子をよく観察する】

赤ちゃんがけいれんをしている時は、とにかく落ち着いて様子を観察することが大切です。

 

・けいれんは何分くらい続いている?

・けいれんの様子は?(意識の有無や全身なのか体の一部だけか…など)

・けいれんが治まった後の様子は?(顔色や唇の色、手足の状態や意識の有無…など)

 

これらのことをしっかり観察し、医師に正しく伝えるようにしましょう。おかしいと思ったらすぐに動画を撮り始めるようにします。

それを診察時に医師に見せると、診断の助けになることがあります。

 

まとめ

まだ小さな赤ちゃんが、けいれん発作を起こしているのは、見ていてとても不安になりますよね。

熱性けいれんについては、よく知られていることですが、熱がなくてもけいれん発作は引き起こされます。

安易に自己判断はせずに、赤ちゃんの様子がおかしいなと思ったら、すぐにかかりつけ医を受診するようにしましょう。

この記事を書いたライター

たけだ あおい
たけだ あおい

東京都出身、埼玉県在住。 現在、パートにて事務職の仕事をしながら、在宅ライター、幼稚園児の娘の母と3つの顔を持っています。 毎日ちょっぴり反抗期の娘の子育てに奮闘中!! 働くママという目線から、同じように子育てに悩み、楽しんでいるママたちのためになる情報をお届けしたいと思っています。

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