赤ちゃんがやけどしたときの応急処置
やけどは赤ちゃんから子どもまで、いつでもどこでも起こる可能性のある事故です。
しかし赤ちゃんの場合、皮膚が大人よりも薄いので、皮膚の深部までやけどが進行しやすいといわれています。
赤ちゃんがやけどをしてしまったら慌てず、応急処置をとりましょう。
【やけどの応急処置方法】
やけどをしたときは、患部をすぐに流水で冷やします。
冷やすことで、痛みも緩和されますし、やけどが皮膚に深く進行するのを防ぎます。
患部の位置や赤ちゃんが水を怖がるなどで流水で冷やすのが難しい場合は、濡れタオルや冷却材を使用します。冷却材は患部には直接当てず、タオルなどを巻いて使用してください。
服の上からやけどをした場合は、服の上から流水をかけて冷やしましょう。水ぶくれができてしまった場合、服を脱がすことで水ぶくれがつぶれることを防ぐためです。
冷やす時間は30分程度が目安です。好きなテレビや動画を見せたり、冷やしながらでも遊べるおもちゃを使ったりしながら、冷やしましょう。
【やけどで病院を受診する目安】
やけどの患部を冷やしながら、次のような症状が見られる場合、できるだけ早く病院を受診してください。
・冷やしても赤みがひかない
・水ぶくれができている
・顔のやけど、目の周りのやけど
このほかにも心配であれば、受診して医師の治療を受けましょう。一見、軽いやけどに見えても、皮膚の奥まで進行していて跡が残ってしまう場合もあります。
病院へ到着するまでも、冷やしたタオルを患部に巻いておくなど、冷やし続けることが大切です。
赤ちゃんの場合は小児科を受診するとよいですが、症状の程度によっては処置が難しい場合もあります。その場合は皮膚科や形成外科への受診も考えましょう。
【やけどで救急車を呼ぶ目安】
・皮膚が黒く焦げている
・皮膚が白くなっている
・大人の手よりも大きい広範囲のやけど
・やけどでショック状態になっている
・服に皮膚がくっついている
これらの場合は迷わず救急車を呼びます。一刻も早い治療が必要です。
やけどが治癒するまで
やけどは程度により、大きく3つに分けられ、それぞれ治癒するまでの期間が異なります。
【Ⅰ度熱傷】
比較的浅いやけどで、皮膚が赤くなるだけの症状のものをI度熱傷といいます。
正しくケアすることで、1週間程度で赤みや痛みも治まってきます。
【Ⅱ度熱傷】
水ぶくれができる程度のやけどは、Ⅱ度熱傷と呼ばれます。
Ⅱ度熱傷の中でも、水ぶくれの底部分が赤くなっている場合は浅いやけどで、病院での処置後2~3週間程度で治ります。
水ぶくれの底部分が白くなっている場合は、皮膚深くまでやけどが達している可能性が高く、傷口が治癒するまでにもう少し時間がかかります。
【Ⅲ度熱傷】
皮膚が黒くこげたようになったり、反対に白くなっている場合はⅢ度熱傷といいます。
治癒までに3ヶ月程度かかることがあります。
やけどしたときのホームケアのポイント
病院を受診したあとは、ホームケアが大切です。
【水ぶくれをつぶさないようにする】
水ぶくれがつぶれると跡に残りやすく、細菌に感染しやすいです。
赤ちゃんが触ったり、また何かの拍子でつぶれたりしないよう、優しくガーゼや包帯でガードしてあげるといいでしょう。
ガーゼや包帯は毎日替えてください。
もしつぶれてしまったときは、水と石鹸で傷口を清潔にし、皮を取り除いたあと殺菌消毒薬などを塗ってケアします。
【処方された薬は用法用量を守る】
病院で処方された薬を使用する時は、用法用量を必ず守って使いましょう。
【入浴は毎日】
やけどをしていても、シャワーや入浴は問題ありません。
傷口に細菌が入り込まないよう、毎日清潔にしてあげましょう。
ただし、傷口は擦らずシャワーで流す程度でOK。水ぶくれがある場合は、つぶさないように気を付けてください。
してはいけないNG処置
以下の処置は間違いですので、しないでください。
・水ぶくれをつぶす
・患部に直接冷却材などを当てて冷やす
・熱が出たときなどに使う冷却シートを使用する
・自己判断で市販の薬を湿布する
これらの処置はやけどを進行させてしまうだけでなく、細菌感染のおそれもありますので絶対にやめましょう。