夜泣きに漢方は効果があるの?
赤ちゃんの夜泣きは、子育て中のママの大きな悩みのひとつ。
夜泣きがひどく何をしても泣き止まない夜が続くと、ママのストレスは溜まり、睡眠不足から体調を崩してしまいます。
どうして良いかわからず、抱っこをしながら一緒に泣いてしまう夜もあるのではないでしょうか。
夜泣きは成長の一環で起こることであり病気ではないため、薬で治すことはできません。
そこで注目されているのが、漢方。
漢方は赤ちゃんの夜泣きと相性が良く、効果が期待できるようです。
今回は、夜泣きへの漢方の効果について調べてみました。
併せてよく使われる漢方や飲ませ方、副作用などについても触れていますので、是非チェックしてみてくださいね。
夜泣きへの漢方の効果
「疳の虫」という言葉を聞いたことがあるママは多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが特に理由もないのに不機嫌になったりぐずったり、泣きわめいたりすることをいいますよね。
昔は不調はすべて体の中にいる虫が原因だと考えられており、赤ちゃんがぐずるのはこの疳の虫のせいだとされていました。
また漢方でいう「肝」とは、神経が過敏になり落ち着きがなく、ちょっとしたことで怒ったり興奮したりすること。
小さな子どもは肝の状態になりやすく、夜泣きも肝によって起こるとの説もあります。
このような症状を抑えるのによく使われているのが、漢方です。
漢方には神経の高ぶりやイライラを鎮め、気の流れを調節することで、夜泣きの症状を改善する働きがあります。
もちろん合う合わないはありますが、実際に夜泣きの治療に漢方を処方している小児科医もいるようですよ。
夜泣きによく使われる漢方
夜泣きに効果があると期待され、処方されることのある漢方をご紹介します。
【甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)】
比較的甘くて飲みやすく、赤ちゃんの夜泣きの代表的な漢方です。
夜泣きはストレスや不安が原因になることもありますが、甘麦大棗湯には心身の興奮や不安を鎮める働きがあり、しくしくと泣く夜泣きに効果があるといわれています。
【抑肝散(よくかんさん)】
抑肝散には気の流れの乱れを整え、イライラを鎮める効果が期待できます。
甘麦大棗湯とは違い、金切り声で泣きわめくような夜泣きに効くようです。
漢方のなかでは甘みがありますがわずかな苦みもあり、赤ちゃんにとっては少し飲みにくいかもしれません。
ほかにも抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)などが夜泣きによく使われる漢方であり、細かな症状の違いや原因によって使い分けられます。
夜泣きをする赤ちゃんへの漢方の飲ませ方
赤ちゃんに漢方を飲ませる際は、飲ませ方やタイミング、副作用についても気になりますよね。
【飲ませ方】
・白湯でといてスプーンで飲ませたり、スポイトで流し込む
・少量の水や白湯で練り、頬や上あごの内側になすりつける
・食べもの(ゼリーやヨーグルト、アイスなど)と混ぜて飲ませる
・服薬ゼリーや単シロップと混ぜて飲ませる
ご紹介した漢方は子どもに使われることが多く甘みがある方ではありますが、粉のまま飲むことはできないので、上記のように工夫すると、飲みやすいですよ。
食べものと混ぜる場合は、合わせるものによってはより苦みを感じることもあるため、ママが事前に味見をしてみてくださいね。
1歳を過ぎていれば、はちみつも飲みやすくなります。
【飲むタイミングは?】
基本的には漢方は、食前(食事の30分~1時間前)または食間(空腹時)が効果的です。
ただし忘れてしまった場合、食後でも問題はありません。
気がついたらすぐに飲み、次の服用まで間隔を調整しましょう。
【副作用は?】
赤ちゃんに使われる漢方は安全性が高いといわれていますが、体質にも個人差があり絶対ではありません。
下痢や胃腸などの不調を起こすこともあるため、異常を感じたらすぐに服用を中止し、医師に相談しましょう。
漢方は市販されているものもありますが、赤ちゃんに使う場合は、医師に処方してもらう方が安心ですよ。
夜泣きに効く漢方は「母子同服」できる
夜泣きに使われる漢方の大きな特徴のひとつが、ママと赤ちゃんが同じ漢方を飲む「母子同服」です。
冒頭で述べたように、夜泣きはママにとってもイライラやストレスの原因になります。
疲れや寝不足もあり、精神的にも肉体的にもつらい状態が続きますよね。
ママの不調が赤ちゃんに伝わり、神経が過敏になって余計に夜泣きがひどくなってしまうこともあるでしょう。
そういった悪循環を改善するためにママにも漢方を処方し、ママと赤ちゃんの心身のバランスを同時に整えるのです。
産後は授乳もあり、体調が悪くても薬に頼りづらいもの。
赤ちゃんにも使える漢方なら、ママも安心して飲めますよ。
まとめ
赤ちゃんの夜泣きには、まずは生活リズムや睡眠環境を整えることが大切です。
しかし漢方を使うのもひとつの方法。
高ぶった神経を落ち着かせて不安を鎮めることで、夜泣きの症状も改善するかもしれません。
夜泣きで困っているママは、一度医師に相談してみてくださいね。