赤ちゃんの成長が遅いとは
0歳から1歳までの赤ちゃんは著しいスピードで成長します。ですが、個人差が非常に大きいことも頭に入れておきましょう。児童館や支援センターに行くと、同じ月齢の赤ちゃんに出会うこともあるでしょう。つい他の赤ちゃんと見比べてしまって、できていないことを気にしてしまうこともあるかもしれません。
赤ちゃんの成長についてはほとんどの場合、心配しなくても大丈夫であることが多いですが、中には病気や障害が原因であることもあります。
このような場合に考えられる原因について、身長・体重の成長と、発育面での成長どちらについてもご紹介いたします。
赤ちゃんの身長・体重の成長が遅い場合
赤ちゃんの身長・体重の成長が遅い場合というのは、指標としては、身長の成長曲線から大きく外れている場合です。そのような場合に考えられる原因についてご紹介いたします。
【①ホルモン異常】
成長が遅い原因として、ホルモン異常が考えられる場合があります。
ホルモン異常による原因では、
・甲状腺機能低下症
・成長ホルモン分泌不全性低身長症
などの症状があります。出産の時に脳が外傷したり脳腫瘍が原因で、脳の下垂体に障害が起こる場合があります。脳の下垂体から成長ホルモンが分泌されなくなるため、身長が伸びない原因となってしまいます。
《治療方法》
不足している成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどを補い治療を行います。
【②子宮内発育不全(SGA性低身長症)】
妊娠満期で生まれたにもかかわらず低身長・低体重で生まれた赤ちゃんや、早産の場合は在胎週数を比べても低身長・低体重で生まれた赤ちゃんは、子宮内発育不全(SGA性低身長症)が原因と考えられます。
《治療方法》
2〜3歳までには標準身長・体重に追いつくといわれていますが、中には成長が成長が追いつかない場合もあります。そのような場合は、3歳以上から成長ホルモンによる治療を行うことがあります。
【③骨や軟骨の異常】
成長に必要なホルモンが正常に分泌されていても、骨や軟骨の異常があると成長が遅くなる場合もあります。その中でも比較的多いとされているのが、軟骨無形成症(軟骨異栄養症)というものです。
軟骨無形成症とは、軟骨細胞の異常により骨の形成が阻害されて、低身長以外にもこのような症状がみられます。
・著しい低身長
・手足が短い
・おでこの大きな顔つき
・腰椎のわん曲が大きい
《治療方法》
低身長の場合は成長ホルモン注射による治療が行われます。
赤ちゃんの発育の成長が遅い場合
赤ちゃんの身長・体重ではなく、体の機能的な発育や内面的な成長が遅いことが気になる方もいるのではないでしょうか。今度は発育面での成長についてみていきましょう。
【発育の目安】
月齢ごとの発育の目安としては、特徴的なものとしてこのような発育が挙げられます。
・首がすわる…生後3−4ヶ月
・寝返りを打つ…生後6−7ヶ月
・おすわりができる…生後6〜7ヶ月
・歯が生え始める…生後6〜7ヶ月(遅い子は12ヶ月)
・はいはいをする…生後8〜10ヶ月
・つかまり立ちを始める…生後9〜10ヶ月
・ママ、パパなどの言葉を発する…生後11〜12ヶ月
・1歳頃…一人で歩き始める
【発育の成長が遅いとは】
先ほど挙げた発育の成長の目安を見ても、1〜3ヶ月と大きく幅があることがわかります。赤ちゃんの1ヶ月間の月齢の差はとても大きいので、中には気にしすぎている方もいるかもしれません。
それでも、発育の成長が遅いと判断する場合としては、
・生後6ヶ月で首がすわらない
・生後8ヶ月になっても寝返りを打てない
・1歳半を超えても一人で歩行ができない
このようなことが挙げられます。
母子手帳でも発育の目安が記載されているため、それよりも遅れていることで気づく方が多いのではないでしょうか。また、自治体によっても異なりますが、生後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1歳の乳児健診で成長が遅いと診断される場合もあるでしょう。
【発育の成長が遅い場合の治療法】
発育面での成長が遅い場合はどのように治療をするのでしょうか。
特に、体の機能的な発育面の遅れについてはハッキリとした原因が分からない場合も多く、個人差が大きいこともあるため一概に異常があるとは言えないようです。それでも治療が必要な場合は、根本的なものはなく、発達を促す遊びを取り入れたり理学療法を行いながら経過をみていくことがほとんどです。
また、1歳までは順調に成長していた赤ちゃんでも、歩き出してから発育の遅れが発覚することもあります。1歳をすぎても引き続き、母子手帳を確認したり健診でみてもらうようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんの時期の成長は著しいもの。ですが個人差も大きく、他の赤ちゃんと比べたり、つい気になって色々と調べてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、赤ちゃんの成長の遅い・早いはほとんどの場合は心配不要なことが多いようです。それでも、中には病気や障害が原因の場合もありますので、気になる方は健診でみてもらったりかかりつけ医に相談するようにしましょう。