赤ちゃんの耳掃除は大人と勝手が違う
赤ちゃんのケアの中で「耳掃除が難しい」と感じているママも多いのではないでしょうか。
「どこまでやれば良いの?」
「毎日しないといけないの?」
「うまくやるコツあるのかな」
など、よくわからないことが多いですよね。
耳の穴の中には副交感神経が走っているため、耳掃除で刺激を受けると心地よい気分になりリラックスすることができます。
気持ち良いから毎日綿棒で耳掃除する、というママもいるかもしれません。
でも赤ちゃんの耳掃除は大人とは勝手が違います。
耳掃除のし過ぎや間違ったやり方によって耳の中が傷ついたり、かえって耳垢を溜め込んでしまうこともあります。
今回は、注意してほしい赤ちゃんの耳掃除についてまとめました。
赤ちゃんの耳掃除は必要?
そもそも、耳垢とはどんなものなのでしょうか。
新陳代謝によってはがれた皮膚の一部、耳垢腺からの分泌物、ほこりなどが混ざり合ってできたものです。
しかし、単なる老廃物ではなく、
・異物の侵入や雑菌の繁殖を防ぐ
・適度な脂肪を含み、デリケートな外耳の皮膚を保護する
・細菌の繁殖を抑える抗菌作用がある
などの役割もあります。
そのため、耳垢はすべて取り除かなければならないものではないのです。
むしろ、ある程度耳垢が残っていたほうが赤ちゃんの耳を保護してくれるということを覚えておきましょう。
【赤ちゃんの耳には自浄作用がある】
しかも、赤ちゃんの耳には「自浄作用」があり、放っておいても自然に耳垢を外に押し出してくれます。
大人になるにつれてこの自浄作用は弱くなっていきますが、1歳くらいまでの赤ちゃんの場合はこの自浄作用に任せ、頻回な耳掃除は必要ありません。
とはいえ、耳周りの汚れを取ったり、出てきた耳垢を取ったりする程度の耳掃除はしても構いません。
赤ちゃんの耳掃除の方法についてみてみましょう。
赤ちゃんの耳掃除おうちケア①
赤ちゃんの耳の周りは意外と汚れがたまりやすいものです。
入浴後など皮膚が柔らかくなっているタイミングで、ガーゼなどを使って外耳部分、耳たぶ、耳の裏を優しく拭いてあげましょう。
・お湯で濡らしてよく絞ったガーゼをママの人差し指に巻く
・ガーゼの余分な部分は手のひらで握るようにしてまとめる
・ガーゼのきれいなところを回し使って、耳全体、耳の穴周辺、耳たぶ、耳裏を丁寧に拭く
肌触りの良いガーゼでやさしいタッチで行います。
また、赤ちゃんが耳掃除を嫌がらないように「お耳キレイにしようね」「気持ちいいね~」と声掛けしてあげるのも良いですね。
赤ちゃんの耳掃除おうちケア②
本来、赤ちゃんには綿棒や耳かきを使った大人のような耳掃除は必要ありません。
見えるところに耳垢が出てきているようであれば、ベビー綿棒を使ってそっと拭き取ってあげる程度で良いでしょう。
・綿棒の中心部分を鉛筆のように持つ
・赤ちゃんの頭を押さえ、見える耳垢だけを綿棒でそっとぬぐう
綿棒でこすったり押し付けたりせず、くるくる回すように汚れを絡め取り、拭ってあげるのがポイントです。
赤ちゃんの耳垢がカサカサしている場合は、綿棒にベビーオイルやワセリンを少量含ませておくと取りやすいですよ。
赤ちゃんの耳掃除のコツと注意事項
おうちで赤ちゃんの耳掃除を行う際のコツと注意事項を見てみましょう。
【耳掃除のコツ】
・不意に動かないように、おくるみやバスタオルで赤ちゃんをくるんでおく
・赤ちゃんの上に覆いかぶさり、片手で赤ちゃんの頭をしっかり押さえる
・耳たぶを少し後ろに引っ張って中が見えやすくする
・可能であれば、パパと協力して二人体制で行う
【耳掃除の注意事項】
・綿棒を耳の奥まで入れない
・赤ちゃんを怖がらせないように、声かけながら行う
・赤ちゃんの機嫌が悪い時はすぐやめる
・綿棒は赤ちゃんの手の届かないところに保管しておく
・ペットを飼っている場合は、別室やケージに入れておく
綿棒での耳掃除がうまくいかず、奥に押し込まれた耳垢が溜まっていくと「耳垢栓塞(せんそく)」になることがあります。
病気ではありませんが、耳垢が耳栓のようになっている状態で、悪化すると外耳炎や難聴の原因になる場合もあります。
そんな場合は、耳鼻科で耳掃除をしてもらうこともできます。
耳鼻科でも耳掃除をしてもらう
また、どうしても赤ちゃんの耳掃除が苦手だ、上手にできないという場合も、耳鼻科で耳掃除をしてもらうと良いでしょう。
耳掃除だけで受診してもいいの?と思うかもしれませんが、大人でも耳掃除だけで定期的に通院している人もいます。
保険も適応されますよ。
耳鼻科では、専用のスコープで耳の中を覗いたり、ピンセット型の鉗子などを使って耳掃除をしてもらえます。
耳垢を柔らかくするお薬を使うこともあるので、痛みもありません。
また、次のような気になる症状がある時も耳鼻科受診がおすすめです。
・耳垢が奥の方に溜まっているように見える
・膿のような液体が出ることがある
・赤ちゃんが耳を触ったり気にするしぐさをすることがある
数ヶ月に1度受診して、耳掃除とともに耳に異常がないか確認してもらえば安心できますね。
まとめ
無理に耳垢を取ろうとするとかえって奥へ押し込んでしまうことになります。
赤ちゃんの耳掃除は、「見えている部分だけをそっとやさしく」が基本で、必要に応じて耳鼻科を受診する方法もあるということを覚えておきましょう。