保育園の待機児童問題が心配
仕事復帰を考えているママにとって、心配になるのが待機児童問題かと思います。
定員がいっぱいだったり、地域に入園できる所がなかったりすると、ママの仕事復帰にも影響が出てしまいかねません。
少子化により子どもは減っているはずですし、待機児童の対策も行われているはずなのに、未だに問題になっているのはどうしてなのでしょうか。
今回は、待機児童問題とはなにか、現在行われている対策や、待機児童の現状などについて、一緒に詳しく見ていきましょう。
保育園の待機児童とはどんな子どもを指すの?
待機児童とは、保育が必要な状況で申請をしていて条件は満たしているものの、入所ができない子を指します。
保育が必要な状況とは、
・両親の就労、求職
・ママの妊娠、出産
・介護
・病気
・災害復興
等で、家庭で子どもを保育できない状況にあるということです。
地域によっては入園の需要に供給が追い付いていないため、保育園に入園ができず、待機児童になってしまうお子さんもいるのです。
【待機児童になってしまうと】
ママの仕事復帰に影響が出てしまうことがあります。
また、仕事復帰のために認可外保育園を利用することもできますが、保育料が高くなってしまうというケースもあります。
【隠れ待機児童(保留児童)とは】
認可保育園に入園できなかったのに、待機児童に含まれない子どもを隠れ待機児童(保留児童)と言います。
両親のどちらかが育児休暇を取得してる最中では、待機児童に含まれないケースがあります。
ただし、待機児童問題によってやむなく育休を延期するケースや、両親のキャリアや生活に支障が出るケースでは、待機児童とみなすことも。
(自治体によって定義は異なります)
入園できる認可保育園はあるけれど、希望地域外で仕事と施設利用の両立が難しいなど、親の都合で入園させないケースに関しても、待機児童には含まれなくなります。
他にも、両親が求職活動を休止したり、認可外保育園に入所すると、待機児童には含まれなくなります。
自治体では待機児童数を公表していることがありますが、隠れ待機児童数は含まれていないため、実際の待機児童数よりも多くの子どもが入園を希望しているのが現状です。
保育園の待機児童問題の対策は?
現在では待機児童数は全国的に見ても減少傾向にあります。
最も深刻だった平成29年では、26,081人だったのに対し、令和4年には2,944人にまで減少しています。(※1)
保育園の待機児童問題の対策としては、以下のような取り組みが行われてきました。
【保育施設を増やす】
保育施設の設置を推奨するために、貸借料の補助や固定資産税減免の普及など、金銭的な補償を行う地域があります。
また、多様な保育施設の設置(企業やマンションでの保育士施設の設置、空き施設の活用)などを進め、企業が保育施設を増やしやすい環境を整えてきました。
【保育人材の確保】
質の良い保育士を確保するための待遇改善や、業務負担支援などが行われています。
不足する保育士を確保するため、保育士の育成体制の整備や潜在保育士の復職支援が行われています。
【企業の働き方改革】
両親が育休を取得しやすい仕組みづくりや、子育てがしやすい働き方の推進を行う企業も増えてきています。
(※1)厚生労働省「保育所等関連状況とりまとめ」
(https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000979606.pdf)を元に作成
保育園の待機児童はいるのはなぜ?
改善されてきているとはいえ、今でも待機児童問題が深刻になっている地域があるのはなぜなのでしょうか?
【子育て地域の集中化】
子育てしやすい町作りが進む一方で、子育て世帯が集中してしまう地域では、保育園の入園希望者も多く、激戦区となりやすいです。
【共働き家庭の増加】
景気の悪化や物価の高騰により、共働きを余儀なくされる家庭が増えてきていることも、待機児童が増加する理由に挙げられます。
また、出産を経てもキャリアを維持したい女性も多くいるため、産後すぐに仕事復帰を希望ママも多くいることが挙げられます。
【保育士不足】
保育士の人材確保に努めているものの、まだまだ人材確保が難しい現状があります。
【地方の整備が追い付かないことも】
都市部では比較的保育施設の整備が進んでいますが、地方ではまだまだ供給が追い付いていない地域もあります。
待機児童問題の一方で定員割れも
待機児童の対策が進められている一方で、保育園が閉園になってしまうケースも見受けられます。
新しい施設が増え、子どもが分散されていることや、少子化による子どもの減少、育休が浸透してきていることが理由に挙げられます。
また、定員数が少ない0歳児~2歳児は多く埋まりますが、5歳児になると定員が割れてしまい、採算が取れなくなるといったことも挙げられるようです。
近年では、感染症による保育園の利用自粛も、保育園が閉園になる原因の一つに挙げられています。
せっかく入園できたのに数年で閉園になってしまい、新たに保育園を探さなければならない…という事態も問題となっています。
まとめ
国や地域が待機児童問題に取り組んできたことで、解消されつつある地域が増え、待機児童も年々減少傾向になります。
しかし、保育園激戦区では待機児童になってしまうお子さんは珍しくありませんし、数字として表れない隠れ待機児童もいますので、保育園入園にむけた準備はしっかり行っていきたいですね。