母乳育児中に多い「しこり」のトラブル
母乳育児中のママを悩ませるおっぱいトラブル。
その中でも、胸にしこりができてしまったというママは非常に多いです。
突然しこりができてしまったママは、激しい痛みも伴うケースもあることから、一刻も早く解消したい!と思うはず。
そこで今回は、母乳育児中のおっぱいトラブルである「しこり」について、その原因や対処法、そして予防策などについて以下で詳しくまとめました。
母乳育児中にしこりができる原因は
【母乳育児中のしこりの原因は?】
ママの胸には、母乳を作り出す「乳腺(にゅうせん)」と、母乳を運ぶ「乳管(にゅうかん)」があります。
そして、この乳管に母乳が溜まってしまうと、硬いしこりのようになってしまうのです。
この状態を「乳瘤(にゅうりゅう)」とも言います。
しこりができてしまう原因は様々ですが、ママのストレスや疲れが溜まっていると起こりやすいと言われています。
特に赤ちゃんが低月齢のうちは、慣れないお世話に加えて、深夜の頻回授乳などもあり、心身ともに疲れ果ててしまう時期でもありますよね。
そして、母乳の量そのものがまだ安定していなかったり、赤ちゃん自身も上手に母乳を飲むことができなかったりと、おっぱいが詰まってしまう原因は多いので注意が必要です。
また、「生クリームやお餅を食べるとおっぱいが詰まりやすい」などと言われていますが、科学的な根拠はないようです。
【しこりを放置しておくとどうなる?】
しこりを放置しておくと、そのまま自然に治ることもありますが、ひどくなると乳腺炎になってしまうこともあります。
乳腺炎は、母乳を作り出す乳腺に炎症を起こしている状態で、激しい痛みを伴ったり、風邪のように高熱の症状が出たりします。
乳腺炎になると、ほんの少し胸に手が触れただけでも痛む人もいて、赤ちゃんへの授乳が困難になってしまうケースも。
そのため、しこりを見つけたら乳腺炎になってしまう前に対処することが大切です。
【乳がんの可能性は?】
「胸にしこりがある」というと、乳がんなのでは?と心配になるママもいると思います。
もちろん、授乳中のママが乳がんになる可能性はゼロではありません。
しかし、この授乳期の胸のしこりは乳瘤や乳腺炎が原因であることがほとんどです。
ただし、時間が経過してもしこりの症状が改善されない場合、熱を持ってる場合は、乳腺科へ行ってみましょう。
乳溜の場合だとしても、トラブルの改善につながりますし、もちろん乳がんの検査もできますよ。
母乳育児中にしこりができた時の対処法
【授乳をする】
おっぱいの詰まりにもっとも効果的なのは、赤ちゃんに飲んでもらうことです。
いつもよりも積極的に授乳を行うようにしましょう。
【搾乳をする】
授乳をしてもなかなか改善しなかったり、赤ちゃんがあまり飲んでくれなかったりする場合は、搾乳をしましょう。
搾乳はママの手でも行えますが、搾乳機があると便利です。
普段から搾乳をする習慣のないママであれば、手動タイプのものならばリーズナブルで、薬局や赤ちゃん用品店などで気軽に購入ができます。
【授乳の抱き方を変えてみる】
おっぱいには複数の乳管があるため、いつも同じ姿勢で赤ちゃんが飲んでいると、飲まれない乳管も出てきます。
あまり飲まれない乳管に母乳がたまると、詰まってしまい結果としてしこりにつながっていくこともあります。
授乳の際の抱き方を変えることで、ママのおっぱいに当たる赤ちゃんの口の場所も変わり、しこりの改善にもつながるのです。
多くのママは、赤ちゃんを横に抱っこしながら授乳をする「横抱き」の姿勢をとっているのではないでしょうか。
横抱き派のママは、まずは赤ちゃんを縦抱きにして授乳をさせましょう。
それでも改善しない場合は、「フットボール抱き」をしてみましょう。
赤ちゃんの下に授乳クッションなどを敷いて高さを出して、わきの下で赤ちゃんの体をまっすぐの状態にして抱えます。
赤ちゃんの首を少し反らせて飲ませると、上手に授乳ができますよ。
フットボール抱きは、普段の横抱きで刺激されない乳管が刺激されるため、この抱き方をすることでしこりが改善されるママは多いです。
まとめ
放置しておくと乳腺炎につながる危険性もある、母乳育児中のしこり。
今回はホームケアをご紹介しましたが、痛みがひどかったり、胸そのものが熱を帯びている場合は、乳腺外来や助産院に相談するようにしましょう。
赤ちゃんを持つママは、「これくらいなら我慢しなければ」と、痛みを我慢してしまいがちですが、我慢のしすぎは禁物です。
悪化をしてもっとつらい思いをしないためにも、少しでも違和感を感じたら初期のうちから対策ができると良いですね。