授乳中にカフェインを摂り過ぎると…?
赤ちゃんにとって母乳は、成長に必要な栄養たっぷりの食事です。
授乳をしているママも母乳のことを考えて、食事にも気を付けていることかと思います。
中でもカフェインの入っている飲み物に関しては、母乳からカフェインの成分が移行してしまうため、控えているというママもいるかもしれませんね。
これまでコーヒーやお茶などを好んで飲んできたママにとっては、我慢するのは結構つらいのではないでしょうか。
本来カフェインは、体に害を及ぼす成分ではなく、健康にも良いと言われる面も持っている成分です。
しかし、量を摂り過ぎてしまうと、ママや赤ちゃんにもカフェインによる影響を与えてしまうことがあるため注意が必要です。
どのくらいの量ならカフェインを摂っても問題ないのか気になりますよね。
今回は、授乳中のママが摂取しても大丈夫なカフェインの量や、摂り過ぎてしまった場合の、母子への影響について見ていきましょう。
授乳中に摂取できるカフェインの量は?
ママの体に摂取されたカフェインですが、母乳から排出される成分は、1%ほどです。
赤ちゃんへの影響を考えると、授乳中は300mgまで、コーヒーですと、1日1~2杯ほどでしたら、飲んでも赤ちゃんへの影響は考えにくいと言える量となります。(※1)
なお、カフェインは摂取してから30分ほどで、血液濃度が最高値に到達するため、そのころに授乳をしてしまうと、母乳からカフェインの成分が多くでてしまう可能性があります。
したがって、出来ればカフェインを摂取するのは、赤ちゃんの授乳が終わった後が望ましいです。
次の授乳まで時間が空くため、少しでも母乳からカフェインの成分が母乳から出ることを抑えることができます。
【授乳中のカフェイン】ママへの影響
カフェインを摂り過ぎてしまうと、中枢神経系が過剰に刺激されてしまうため、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気の症状をもたらすことがあります。(※2)
摂取量や体調には個人差があるため、どのくらいの量が摂り過ぎになるかという明確な数値を出すことは難しくなります。
カナダ保健省(HC)では、授乳の有無にかかわらず、健康な成人でも1日の摂取量は400mg(コーヒーをマグカップで3杯分)としているため、こちらの数値を目安にしてみるといいですね。(※3)
それ以上に1日に何杯も飲んでしまうと、母乳から分泌されるカフェインの影響は赤ちゃんだけではなく、ママ自身の体調不良をもたらす可能性があることは覚えておきましょう。
【授乳中のカフェイン】赤ちゃんへの影響
授乳中のママが一日に摂取できるカフェインの量は300mgほどと紹介しました。
しかし、万が一基準値以上のカフェインを摂り過ぎてしまった場合、母乳を飲んだ赤ちゃんには、どのような影響が考えられるのでしょうか。
カフェインが赤ちゃんの脳を刺激してしまうことで
・興奮する
・泣いてしまう
・寝つきがわるくなる
・情緒が安定しない
などといった症状が起こる可能性があります。
また、赤ちゃんは代謝機能が未熟なので、カフェインを体外に排出するのにも、大人以上に時間がかかってしまい、より長くカフェインの作用が働くことが考えられます。
授乳中にカフェインを摂り過ぎてしまったら?
もし、授乳中にカフェインの入っている飲み物を摂り過ぎてしまったら、赤ちゃんへの影響を心配するかと思いますが、対処法があります。
【ミルクを飲ませよう】
混合授乳をしているママでしたら、次の授乳は母乳ではなくミルクを飲ませてあげてください。
母乳を与えるまでの時間を延ばすことで、ママも体の中でカフェインを体外に排出し、極力赤ちゃんの体にカフェインが移行するのを防ぐことができます。
ママは、搾乳を忘れないようにしてくださいね。
【水分を多く摂ろう】
カフェインの入っていない水分を多く飲むことで、血中のカフェイン濃度を極力薄めるようにしましょう。
トイレへ多く行くことも、心がけてください。
【過度に心配しすぎないように】
カフェインによる赤ちゃんへの影響は確かに心配ですが、日常的に継続してカフェインを多く摂っているようでなければ、過度に心配しすぎなくても大丈夫です。
たまたま一時的に飲みすぎてしまったということでしたら、赤ちゃんの成長にまではっきりと悪影響を与えるような可能性は、考えにくいためです。
ママができる対処をしながら、赤ちゃんの様子を気を付けて見てあげてくださいね。
まとめ
カフェインによる赤ちゃんへの影響は心配ですが、ママが摂取量に気を付けていれば、リラックスタイムに楽しめる飲み物です。
ただし、飲み過ぎには要注意。
カフェインレスの飲み物も探してみると色々な種類があるので、この機会に好みの味を見つけてみるのもおすすめです。
ママが好きな飲み物を我慢することでストレスを感じてしまうのは、自分にとっても赤ちゃんにとってもあまりいいこととは言えませんから、上手に気分転換しながら過ごしてきましょう。
(※1、2,3)参考文献:厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」