赤ちゃんのお食い初めは食べる順番がある
お食い初めは、赤ちゃんが一生食べ物に困らないように祈りながら、一汁三菜を生後100日に食べさせる真似をするお祝いです。
縁起のいい食べ物が揃ったお祝い膳と、漆塗りの器や柳の白木の箸など、用意するものもたくさんあります。
食べる時にもルールがあり、食べさせる順番や食べさせる人が決まっているのもお食い初めならでは。
厳格に守らなくてもOKですが、どんなルールがあるのか、是非この機会に確認してみましょう。
お食い初めのやり方は、各地方によって様々です。
気になる方は、ママやパパの両親に確認するなど、聞いてみるといいかもしれませんよ。
なぜ食べる順番に決まりがあるの?
そもそも、なぜお食い初めには食べる順番があるのでしょうか?
お食い初めの食べ方は現代で言う「三角食べ」。現代では賛否がある食べ方とされていますが、ご飯やお吸い物を逐一挟むことで消化を助けてバランス良く食べられる食べ方ですから、元気に大きく育てるためには必要な食べ方だったのかもしれません。
他にもお食い初めに使われる三角食べは、
・ご飯と一緒に食べると味の濃さを調整できる
・味の変化を楽しめて味覚が養われる
・栄養バランスを整えられる
などの利点もあります。
お食い初めの最後に行う歯固めの石にあやかって良く噛んで食べることは、現代の食の細い子供たちの成長にも有効な食べ方と言えるでしょう。
お食い初めを食べる順番のルール
先ほど、お食い初めの順番は、現代で言う「三角食べ」であるとお伝えしましたが、具体的にどのような順番で食べるのが望ましいのでしょうか。
地方によっても多少異なりますが、ここでは一般的なお食い初めの順番をご紹介します。
【3品の時のお食い初めのルール】
ご飯又はお赤飯、焼き魚、お吸い物の3品の時の食べる順番のルールは、
「ご飯もの→お吸い物→ご飯もの→焼き魚→ご飯もの→お吸い物」
の流れを3セット繰り返します。
そして最後に歯固めの石を箸で触れ、赤ちゃんの歯茎に箸を当てれば完了です。
【5品の時のお食い初めのルール】
ご飯又はお赤飯、焼き魚、お吸い物、煮物、香の物の5品の時の食べる順番のルールもご紹介します。
3品の時と基本は変わらず、3セット繰り返して最後に石に触れた箸を当てるのも一緒です。3品の流れのセットに、煮物と香の物が追加されるだけなので簡単ですね!
「ご飯もの→お吸い物→ご飯もの→焼き魚→ご飯もの→お吸い物→ご飯もの→煮物→ご飯もの→お吸い物→ご飯もの→香の物→ご飯もの→お吸い物」
が1セットです。
3品よりも長い工程となるので、張り切って用意しても赤ちゃんが途中でグズってしまい、全部をやりきれない可能性もあります。5品のお食い初めは、普段から食べることに興味がありそうな赤ちゃんにおすすめです。
お食い初めの「養い親」とは?
お食い初めには赤ちゃんに食べさせる係の人が必要です。
養い(やしない)親といって、お膝の上に赤ちゃんを乗せて食べ方の順番のルールに則って箸でちょんちょんとしてあげます。
養い親にも決まりがあり、お食い初めに参加している身内の中の年長者にお願いすることとされています。
赤ちゃんが女の子なら女性の年長者、男の子なら男性の年長者です。
年長者にお願いするのは長寿にあやかれるようにという意味があります。おじいちゃんおばあちゃんにお願いするのがベストですが、パパとママと赤ちゃんのみでお食い初めをする場合は、性別だけは揃えてどちらかが養い親になりましょう。
もしお食い初めの順番を間違えたら?
食べ方のルールがあるからといって、厳格に守らなくてはいけないわけではありません。赤ちゃんの機嫌もありますし、やっているうちにわけがわからなくなることもあるでしょう。
基本は、お食い初めの意味を感じながら、お祝いする気持ちがあれば十分です。
一生食べ物に困らないで生きてほしい、一つ一つの食べ物の縁起、養い親のように長生きしてほしい、歯が丈夫で栄養をしっかり摂ってすくすく成長してほしい、など、お食い初めにも様々な願いや祈りが込められています。
成長や健康を祈る気持ちで、食事の時間を過ごせればそれでOK。間違えても気にせず楽しく食事を続けましょう。
まとめ
生後100日なんて赤ちゃんの記憶にも残らないし、親の自己満足なのでは?と思うママもいるかもしれません。
ただ、お食い初めが始まった昔の時代の赤ちゃんたちは、100日生きるのも大変で、心からお祝いするイベントだったのです。どんな縁起にもあやかりたいママやパパの気持ちもわかりますよね。
写真や記録に残っていれば、あとから見返した時に子どもたちも愛されて育てられたと感じてくれるはずです。
赤ちゃんが元気でいてくれることに感謝し、子供たちの成長と健康を祈る昔からの風習を大切にしながら、愛情を赤ちゃんにも後世にも伝えていきましょう。
お食い初めを行う際は、あくまで「食べるマネ」だけです。
誤って食べさせてしまわないように注意しながら、思い出に残る1日にしてくださいね。