子どもを救急受診させる目安

子どもを救急受診させる目安

子どもを救急外来に連れて行く目安とは

子どもは夜間や休日に、思わぬことで大けがをしたり、体調が急変したりして慌てることも多いと思います。そんな時、救急外来に連れて行くべきか判断に迷うこともありますよね。
子どもを救急受診させるかどうかの大まかな目安は以下のとおりです。

 

①顔色が悪く、食事も水分もとれない
②痙攣やひきつけを起こしている
③意識がもうろうとしていたり、ぐったりとして遊ぶ気力もない
④症状がつらく、熟睡できない

 

子どもは、高熱が出ていても、意外と元気なことが多いため、ただ「高熱が出ている」というだけでは、慌てる必要はありません。しかし、上記のように「遊ぶ」「寝る」「食べる・飲む」という、子どもの生活において最も重要な3つのことが満たされていない、または「痙攣やひきつけがある」という場合は緊急を要する状態にあります
どのような病状であっても、これらの症状が見られたら、迷わず救急外来を受診してください。

発熱時の救急受診の目安

熱が高いと子どもの脳が心配になりますが、40℃くらいの熱があっても脳への影響はありません。しかし、赤ちゃんが生後3ヶ月未満の場合、下記の症状が1つでも見受けられたらすぐに救急病院に連れて行きましょう

 

①ぐったりしている
②顔色が悪い
③ミルクやおっぱいを飲まずおしっこが出ない
④いつもと泣き方が違う
⑤呼吸がおかしい
⑥意識がもうろうとしている

痙攣・ひきつけ時の救急受診の目安

痙攣・ひきつけとは、体の全部や一部が突っ張ったり、力が抜けたり、ぴくぴく震えたりすることです。子どもに多いのは「熱性痙攣」で、急な発熱時に起こり、数十秒で治まります。痙攣中は、呼びかけに答えず白目をむいたり唇の色が悪くなったりします。
痙攣やひきつけの場合は急を要する場合が多いため、症状によって救急車を呼ぶことも必要となります。

 

【救急車を呼ぶ目安】
①痙攣が止まっても意識がはっきりしない
②唇の色が紫色(チアノーゼ)で呼吸が弱い
③痙攣を何度も繰り返して止まらない

 

【救急病院に連れて行く目安】
①痙攣が5分以上続いた
②初めての痙攣だった
③生後6ヶ月未満で痙攣を起こした
④6歳以上で痙攣を起こした
⑤痙攣したとき体温が38℃以下だった(熱性痙攣ではない痙攣)

腹痛時の救急受診の目安

 

単なる腹痛だけでは緊急性は低いですが、以下のような症状が見られる場合は、救急病院を受診しましょう。

 

①お腹がパンパンに膨らんでいる、もしくは硬くなっている
②お腹を触ると痛がって嫌がる
③股の付け根の部分が腫れ、青黒く変色している
④血便や激しい嘔吐、下痢を伴った腹痛である
⑤お腹が痛くて動けない
⑥お腹を強くぶつけた後の腹痛である

下痢や嘔吐時の救急受診の目安

下痢や嘔吐も子どもの症状ではよく見られます。すぐ治まるようであれば緊急性は低いですが、以下のような症状が見られる場合は、救急病院へ連れて行くようにしましょう。

 

【下痢をしたとき】
①イチゴジャムのような血便や多量の血便が出ている
②生後3ヶ月未満、または体重5kg未満の乳児で、1日6回以上水のような便と嘔吐が続く
③ぐったりしていて目が落ちくぼみ、泣いても涙が出ない
④皮膚や口、舌が乾いている

 

【嘔吐したとき】
①吐いたものに赤色や褐色の血液や緑色の胆汁が混ざっている
②激しい腹痛や嘔吐がある
③水分がとれず、半日以上おしっこが出ない
④唇が乾きぐったりしている

咳がある時の救急受診の目安

風邪に伴う咳でも、以下のような症状がある場合は救急病院を受診しましょう。

 

①顔色が悪く唇が紫色(チアノーゼ)になっている
②肩で息をしてゼーゼー、ヒューヒュー息苦しそう
③犬の遠吠えやオットセイのような咳をする
④熱がないのに元気がなく呼吸が速い

誤飲時の救急受診の目安

子どもがうっかり誤飲をした場合、飲み込んだもので対処の仕方が変わるため、何を飲み込んだか把握し医師に伝えるようにしましましょう。

 

【救急車を呼ぶ目安】
意識がなく痙攣を起こしている

 

【救急病院へ連れて行く目安】
意識はあるが、塩素系洗剤・トイレ用洗剤・猫イラズ・ベンジン・シンナー・ガソリン・灯油・除光液・染毛剤・ネズミ駆除剤・殺虫剤・灰皿の水などを飲みこんだとき、ボタン電池やマグネットなど飲み込んだ場合は症状が何もなくても必ず救急へ受診をしましょう。うちにある大人の薬を飲んだ時も急いで受診をする必要があることがあります。わからないときは必ず中毒センターに問い合わせ、指示を仰ぎましょう。

まとめ

救急を要する症状に当てはまらない場合は、子どもの経過を観察し、症状が悪化しなければ次の日の通常診療時間内に病院に連れて行くようにしましょう。
休日・夜間に起きる子どもの「もしも」の時に備え、救急対応してくれる小児科病院を普段から見つけておきます。家族みんなが見られるところに、救急病院の電話番号などを控えておくと安心です。

 

また、いつもとの様子を比較するためにも、子どもの平熱を知っておくことも大切ですね。

 

休日や夜間に、ママが子どもを救急病院に連れて行くべきか悩んだときは「こども医療でんわ相談」に電話をかけてみるのも1つです。小児科医・看護師が電話に出て、子どもに合った適切な対処法やアドバイスを受けることができます。

 

こども医療電話相談 #8000 (携帯電話からでもかけられる)

 

万が一の際も、慌てず落ち着いて対応するように心がけてください。

この記事を書いたライター

月子
月子

親の病を機に九州へ舞い戻る一児のママライター。 おかしな方言の使い方をする子どもに笑い、癒されながら、バタバタ過ごす毎日です。 趣味は料理とベランダ菜園。育てたものはおいしく食べています! 心がほっとするような、楽しく役立つ情報をたくさんお届けしていきたいです。

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