赤ちゃんのうつ伏せ寝はなぜ危険?
赤ちゃんの成長とともに寝返りができるようになると、うつ伏せの状態から元に戻ることができず、窒息などの事故の危険性が高まります。
ニュースでも、度々、赤ちゃんの痛ましい事故を耳にすることがあるでしょう。特に睡眠時は、ママも気が付かないことがあるので注意が必要です。
しかしその一方で、寝かしつけの際に、赤ちゃんがうつ伏せの状態で背中やお尻をトントン叩いてあげると、よく寝てくれるという話もあります。実際にひと昔前の育児法では、よく眠れる・頭の形が良くなるという理由で、うつ伏せ寝が推奨されていました。
新米ママにとっては、一体何が正しくて、何が危険なのか分からず、不安になってしまいますよね。
そこでまずは、うつ伏せ寝の危険性について考えていきたいと思います。
【窒息事故のリスクが高まる】
赤ちゃんをうつ伏せにした状態で寝かしつけたり、寝返りがうてるようになって、ママの知らない間にうつ伏せ寝になってしまった場合、柔らかい布団や枕に顔が埋もれてしまい、窒息死してしまう恐れがあります。
【SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクが高まる】
SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、窒息事故とは違い、なんの前兆もなく元気な赤ちゃんが、寝ている間に突然亡くなってしまうという原因不明の病気のことです。
1歳未満の赤ちゃんが発症しやすい病気で、生後2~6ヶ月頃に最も多く、稀に1歳以上でも発症することがあります。日本では、1万人に1人の割合(平成30年にはおよそ60名)で発症しているそうです。(※)
SIDSのはっきりとした原因は未だに解明されていませんが、うつ伏せ寝のときに発症する確率が高いという研究結果もあるようです。
ほかにも、冬に多く発症する、タバコを受動喫煙すると発症するリスクが上がることがわかっています。
※厚生労働省HP 「乳幼児突然死症候群について」より引用
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html)
睡眠中の事故を防ぐ方法は?
うつ伏せ寝をすることで、窒息事故やSIDS発症のリスクが高まることがわかりましたよね。
では、睡眠中の事故からわが子を守るためにはどのような対策をすれば良いのでしょうか。
以下を参考に、赤ちゃんの睡眠環境を見直してみてください。
【①こまめに赤ちゃんの様子をチェックする】
赤ちゃんがお昼寝をしている時は、別室でママが家事をしたり、ひとときの休憩をしたりしていると思います。
ママにとっては貴重な時間ではありますが、なるべく10~15分おきくらいに、お昼寝している赤ちゃんの様子を見に行くようにしましょう。
保育園などでも、お昼寝中の窒息事故防止のために、保育士が赤ちゃんたちの様子をこまめにチェックしに行くそうです。
うつ伏せ寝を好む赤ちゃんもいますので、うつ伏せで昼寝させる場合は、ママがしっかり注意するようにしてください。
【②赤ちゃんの周りにクッションやぬいぐるみを置かない】
クッションや枕、ぬいぐるみなどは、赤ちゃんの窒息事故の原因となります。昼寝だけでなく夜間も、赤ちゃんの周りにこれらを置くのは止めましょう。
【③寝るときは布団を掛けない】
布団をかけることによって、思うように寝返りをうつことができず、埋もれて苦しくなって窒息事故につながる危険があります。
寝冷えが気になる寒い冬場などは、つい厚手の布団をかけてしまいますが、小さい赤ちゃんの場合は逆に危険です。
長袖のパジャマを着せたり、エアコンやヒーターなどで室温を調整するようにしましょう。
【④敷布団は硬めにする】
クッションや枕だけではなく、布団も柔らかいものだと、うつ伏せ寝の際に顔が埋もれてしまう危険があります。
なるべく硬めの敷布団を使用しましょう。
うつ伏せ寝は何歳から?
うつ伏せ寝をしても良いのは、一般的に生後1歳以上で、自由に寝返りをうてるようになってからとされています。
これは、先にも述べたように、うつ伏せで寝かせた後、自分の力で元に戻ることができず窒息死してしまう危険があるからです。
しかし、赤ちゃんによっては、寝ている間に元気に動き回り、自力で元に戻ることができない月齢でも寝返りをうって、いつの間にかうつ伏せになっていることもあります。
ママが気が付いたときは、そっと赤ちゃんの体を横向きにしてあげるなどして、うつ伏せの状態にならないようにしてあげてください。
まとめ
まだ小さな赤ちゃんの睡眠時は、何かと気を遣いますよね。
少しでも事故のリスクを減らすために、ママが積極的にうつぶせ寝で寝かせることはやめましょう。
しかし、赤ちゃんによっては、うつ伏せ寝を好む子もいます。その場合は、寝付いた後にそっと横向きにしてあげたり、仰向けにしてあげるなど工夫してみてください。
自分の力で上手に寝返りをうてるようになれば、睡眠時の事故のリスクはおのずと減っていきます。