夫婦で育休取得は理想的?
日本では男性の育休取得率がなかなか増えないという話をよく耳にしますよね。
以前よりは周りにチラホラと夫婦で育休を取っていた人がいるという人もいるかもしれませんが、それでもまだまだ珍しがられる場合も多いようです。
今は「パパ・ママ育休プラス」という、夫婦で育休を取得すれば(妻が専業主婦の場合でも)最大1年2ヶ月間の間、休業が認められる制度もあります。
また、2021年6月には改正育児・介護休業法が成立し、制度的には男性が育児休暇を取得しやすいようになりました。
それでも、なかなか夫婦で育休を取得する方が少ないのはなぜでしょうか。
今回は、夫婦で育休を取得するメリットとデメリットから、夫婦で育休取得が日本で進まない原因についてまとめました。
夫婦で育休取得のメリット
まず、夫婦で育休を取得するメリットは何でしょうか。
【メリット①育児のスタートが同じにできる】
0歳の時期、特に低月齢時期はお世話もたくさんあり、慣れるまでが大変です。
そんな時期に夫婦で一緒に育児をスタートすれば、一緒にお世話の方法を学んだり、忙しい中でも協力しながら慣れていくことができます。
これから一緒に家族として暮らしていく夫婦と赤ちゃんですから、1つ1つ一緒にこなしながら、自分たちに合った育児のスタイルを築いていくことは大きなメリットです。
反対に、夫婦どちらかが育児に関わる時間が少ないと、育児に慣れるまでの「差」が出てきます。
慣れるスピードが遅い側は、お世話の方法が合っているか不安で消極的になったり、慣れている方に任せっきりになったりする場合も出てくるでしょう。
夫婦で育休の取得時期をずらしながらの場合は、スタートが同じだとは言えないものの、やはり一番お世話の忙しい0歳時期に赤ちゃんのお世話に慣れ、夫婦で協力し合えることはプラスになるはずです。
【メリット②一生の思い出や達成感が得られる】
最初の1年のお世話はとても大変かもしれませんが、少しずつ手が離れ、自立し、大人になっていきます。
もちろん、1歳を過ぎても育児で大変なことはたくさんありますが、ふにゃふにゃとしていた新生児が、笑うようになり、喃語を話すようになり、寝返り、お座り、はいはい、つかまり立ち…
驚くほどのスピードで成長していき、そのお世話に追われる1年は、0歳児だからこそ。
そう考えると、その貴重な子どもの1年を夫婦で一緒に見守り、ゆったりとした気持ちで家族で過ごすことは、一生涯の思い出になるに違いありません。
また同時に、夫婦2人で頑張ったという達成感も得られるでしょう。
夫婦で育休取得のデメリット
反対に夫婦で一緒に育休を取得するデメリットはどんなものがあるでしょうか。
【デメリット①仕事に穴をあけてしまう】
仕事に穴をあけなければいけないということが一番大きな問題だと考える人も多いでしょう。
自分がしていた仕事を育休中は誰かに代わってもらわないといけなくなるため、会社の理解、後任決めや引継ぎなどが必要になります。
育休後、その仕事をまた引き続きできるか、という保証はありません。
その結果、思い描いていたキャリア形成に支障が出てしまう場合も。
【デメリット②収入が減る】
育休中は育児休業給付金を、育児休業開始前6ヶ月間の給料の総額÷180日×支給日数×67%(育児休業取得後6ヶ月から50%)を2人それぞれ受給できますが、収入は減ります。
育休に備えて貯金をする人もいますが、そうでない場合は生活に不安を抱く方も。
【デメリット③夫婦育休への理解が得られないことも】
まだまだ男性が育休を取得するケースが少ないことから、「男が育休を取るなんて」「昇進に響く」「妻に任せておけばいい」などと周りから言われることがあるもの事実です。
夫婦2人が育休を一緒にと思っていても、周りからの反対で取得できないというケースもあります。
「夫婦で育休」が進まないのはなぜ?
日本では一緒に育休を取る夫婦はまだまだ少ないですね。
「夫婦で一緒に育児を…」という考え方は一昔前よりは進んだものの、そのメリットよりも環境的なデメリットの方が大きいことが原因でしょう。
また、日本では産後のママは実家や頼れる家へ、里帰りする習慣もあります。
パパ以外に頼れる人がいれば問題ない、という場合もあるでしょう。
しかし、子どもを産む、育てることで夫婦どちらかが不利益を被ってしまう、何かを諦めなくてはいけなくなるという状況はできるだけ避けたいもの。
夫婦で育休取得することのメリットデメリットを総合的に考えながら、2人で納得のいく育児スタイルを見つけていければいいですね。
まとめ
育児に慣れるまでが大変な最初の一年。
そんな一年に夫婦で一緒に育休を取り、夫婦二人三脚で新しい家族との毎日を過ごすのも選択肢の一つとしていいかもしれません。
しかし、夫婦で一緒の育休取得にはデメリットも存在しますし、育休を取らなくても協力し合えることもあります。
「あの時は大変だったけど、一緒に頑張ったよね」と言い合えるような、夫婦それぞれの育児スタイルを見つけてみてください。