母乳育児のトラブル乳口炎とは
母乳で赤ちゃんを育てていると、母乳育児ならではのトラブルがありますよね。
痛いという噂の乳口炎もそのひとつです。
今回は、乳口炎について、原因や対処法、予防法などについてご紹介します。
乳口炎の主な症状とは
乳口炎とは、乳頭が炎症を起こしたり、水ぶくれができて詰まってしまう症状のことを言います。
【主な症状】
・授乳時に乳首が痛む
・乳首が炎症を起こしている
・乳頭に白斑ができている
・乳房にしこりができる
白斑とは、1~2ミリほどの大きさの白っぽいニキビのようなもので、痛みを伴います。
母乳かすが脂肪のかたまりになったり水ぶくれができることによって発生します。なかには、血が混じる場合もあります。
乳口炎の原因とは
乳口炎の原因として次のようなのことが考えられます。
【原因①乳口の詰まり】
・赤ちゃんが母乳をうまく飲めていない、飲み残しがある
・授乳間隔が空きすぎている
・いつも同じ抱き方、体勢で授乳している
・ママの食生活やストレスの影響
などにより、乳口が詰まってしまうと白斑ができることがあります。
【原因②乳口の炎症】
・赤ちゃんが遊び飲みをする
・赤ちゃんの歯で傷がついた
・1回の授乳に時間をかけすぎている
など、授乳時についた傷が原因で炎症を起こしてしまうことがあります。
1日に何度も授乳するので、かさぶたができてもなかなか治りにくいのです。
乳口炎のケア方法
子育て中は病院に行くのも大変です。家庭でセルフケアできる方法もありますよ。
【ケア方法①授乳】
実はこれが一番有効なケア方法なんです。
赤ちゃんにどんどん母乳を飲んでもらうことで、乳口の詰まりも解消しやすくなります。
なお、白斑ができている乳首を吸っても赤ちゃんには影響ありません。
【ケア方法②搾乳】
授乳が一番のケアとは言うものの、乳首が痛む状態で授乳するのはママも苦痛です。
そのような場合は、搾乳して哺乳びんで授乳しましょう。
【ケア方法③マッサージ】
授乳前にはマッサージするのがおすすめ。
乳口炎になると乳首の周りまで硬くなってしまうことがあります。いきなり揉むと痛いので、蒸しタオルなどで乳房を温めてから行いましょう。
赤ちゃんが深く吸い付きやすいように、乳首も柔らかくほぐすのも良いですね。
【ケア方法④保湿】
授乳後はオリーブオイルや馬油などで保湿しましょう。
次の授乳前には蒸しタオルで軽くふき取りマッサージをすると良いですね。
【ケア方法⑤保温】
血行を良くすることで白斑が取れやすくなったり、詰まりが解消しやすくなることがあります。
赤ちゃんのお世話を家族にお願いして、ゆっくり湯船につかるのも良いですね。
【ケア方法⑥受診】
ケアしてもなかなか治らない場合は病院を受診しましょう。
授乳中でも服用できる薬を処方してもらったり、母乳外来でマッサージしてもらうのも良いですね。
【これはNG】
針などで突いて自分で詰まりを取るのは絶対にやめましょう。
オイルで柔らかくすれば自分で取れる、という説もあります。確かに取れるかもしれませんが、皮膚がさらに傷つくことになります。
傷口から雑菌が入り、症状を悪化させることにつながりますよ。
進行すると乳腺炎を発症することも
乳口炎が悪化すると症状が進行し乳腺炎を発症することがあります。
乳腺炎になると、乳管が炎症を起こしたり乳房が腫れ、痛みだけではなく感染症を引き起こすことがあります。
さらに進行すると悪寒がしたり頭痛や発熱などの全身不調が起こります。
そうならないためにも、予防法を覚えておきましょう。
乳口炎の予防法
乳口炎を予防するにはどうしたらよいのでしょうか。
【予防法①正しい授乳】
母乳の飲み残しがあると、白斑ができやすくなります。
抱き方を変えたり体勢を変えて、左右まんべんなく、すべての乳腺から飲ませるようにしましょう。
飲み残しがある場合は、搾乳してからっぽにしておきましょう。
また、赤ちゃんが乳首をしっかりと深くくわえているか確認しましょう。
【予防法②遊び飲み】
赤ちゃんは満腹になると乳首をくわえて遊んでしまいします。
ママと赤ちゃんのスキンシップ時間にはなりますが、乳口炎を発症しやすいママは早めに遊び飲みタイムを切り上げるようにしましょう。
【予防法③授乳間隔】
授乳間隔が空きすぎると母乳が詰まりやすくなるので、意識して頻繁に授乳するようにしましょう。
毎回、時間を記入しておくのも良いですね。
授乳の前には乳首や乳輪をマッサージして柔らかくしてから飲ませます。
【予防法④バランスの良い食事】
ママの食事内容と母乳の質は関連があると言われています。バランスよく栄養豊かな食事メニューを心がけましょう。
まとめ
疲れやストレスも乳口炎の原因になることもあるそうです。血行不良につながるからですね。
また、きつい下着も血行不良を引き起こすことがあります。
最近は、乳首ケア用のサポート下着もあるので、上手に活用したいですね。
せっかくの母乳育児を中断させないように、予防法を意識しながら早めのケアを心掛けましょう。