授乳中に生ものって食べてもいい?
授乳期間中は、「母親の食事が赤ちゃんに直接影響を与えるのでは?」と心配になる人も多いかもしれません。
中でも、生魚などの”生もの”については、食べない方がいいのでは?と不安を感じる人も多いようです。
妊娠中は生ものを食べることに対し、注意喚起がされた経験がある方もいるかもしれません。
出産後の授乳中はどうなのでしょうか。
今回は、授乳期間中に生ものは食べても大丈夫なのかに加え、食べる際に注意したいポイントをまとめました。
授乳期間中の食事
授乳期間の食事ですが、基本的には授乳期間中に、食べてはいけない、飲んではいけないというものはありません。
しかし、中には気を付けた方がいいものもあります。
例えば、まだ赤ちゃんに耐性がないアルコールや、多量のカフェインなどです。
どちらも絶対に飲んではいけないというわけではありませんが、分解するスピードもママそれぞれ異なるので、量を考えて飲み過ぎないように注意した方がいいでしょう。
では生ものはどうでしょうか。
授乳期間中の生ものは大丈夫?
生ものとは、調理されていない食品、または生のままの食品のことを指します。
以下のような食品が含まれます。
・生肉:生の鶏肉、牛肉、豚肉、ユッケなど
・生魚:刺身や寿司などの生の魚
・生卵
などです。
中でも、日本では刺身や寿司は食べる人が多いでしょう。
【授乳期間中の生ものは食中毒になる?】
妊娠中には、刺身や寿司をはじめとした、ユッケなどの生ものはできれば避けた方がいいと言われたことがあるかもしれません。
その理由は、生ものが原因で食中毒になってしまうのを避けるためです。
生ものには加熱すると殺菌できる細菌や寄生虫が潜んでいる可能性があります。
妊娠中のママが食中毒になると、嘔吐や下痢での脱水が重篤になると流産や早産に繋がってしまうことがあります。
一方、授乳中も食中毒になるのは避けたいところですが、ママの食中毒が直接赤ちゃんに影響するということはありません。
母乳を通して赤ちゃんに食中毒がうつるということもありません。
しかし、ママが食中毒になっている間、赤ちゃんのお世話をするのは大変です。
またママが脱水になると、母乳量が少なくなってしまう場合もあります。
そのため、避けた方がいいと言われることがあるのでしょう。
【メチル水銀による影響がある?】
妊娠中、生魚に含まれるメチル水銀という有機水銀が赤ちゃんに悪影響だという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、これについては授乳によって赤ちゃんに移行する水銀量は、ごく少量であることが内閣府食品安全委員会の食品健康影響評価(※1)によって示されています。
ママがメチル水銀含む魚を食べても、メチル水銀は体外に排泄されていくので、心配する必要はありません。
そのため、普通に食べるだけなら、気にしなくてもいいと言えます。
気になるのであればメチル水銀濃度が低い、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマなどを選んで食べるといいでしょう。
ただし、メチル水銀は心配ないからといって、毎日多量に魚ばかり摂取するのはママの体にとってもよくありません。
刺身や寿司はおいしいだけでなく、栄養価も高い食品ですが、魚だけで栄養が完璧というわけではないからです。
魚の栄養のメリットを生かせるよう、他の食材、食品とのバランスも考えて食べるようにしましょう。
(※1)内閣府食品安全委員会HP「食品健康影響評価関係」
生ものを安全に食べる方法
安全に生ものを食べるために、以下のポイントを考慮してみるといいでしょう。
【新鮮なものを食べる】
生ものを食べる場合は、新鮮なものを選んで食べましょう。
ママが食中毒になるのを防ぐためです。
消費期限を意識して選び、できるだけ早めに食べ切るようにしましょう。
刺身を自分で切ったり、魚をさばいたりして食べる場合には、衛生面で注意が必要です。
必ず清潔なまな板、包丁を使い、手をよく洗ってから調理しましょう。
【量に注意する】
生ものを食べる際には、量にも注意してみましょう。
毎日お寿司ばかり、刺身を大量に食べる・・・という食生活では栄養面で偏りが出てしまいます。
生もの以外でも、食べ過ぎには要注意。
いろんなものから栄養を摂るつもりで、特定のものばかりを食べないようにしましょう。
まとめ
授乳期間中には食べてダメなものは基本的にありません。
しかし、摂る量に気を付けなければいけないもの、また鮮度に気を付けた方がいいものもあります。
特に生ものは鮮度が第一です。
傷んだものを食べてしまうと、ママが食中毒になってしまうことがあります。
食中毒自体は赤ちゃんに影響はありませんが、ママの体は心配です。
嘔吐や下痢によって脱水を起こしたり、体調不良で赤ちゃんのお世話がままならなくなる可能性があります。
生ものは食べてはいけないというわけではありませんが、ママの健康も意識しながら、注意して楽しんで食べるようにしてみてください。