赤ちゃんの断乳時、ママがケアをしなかったらどうなる?
赤ちゃんの成長に伴い、母乳で授乳をしていたママは、「断乳」または「卒乳」をすることになるでしょう。
特に計画的に母乳をやめることを指す「断乳」では、ママの体にも大きな変化が訪れます。
そのため、断乳をする際には赤ちゃんの気持ちなどのケアだけでなく、ママ自身のケアも必要と言われています。
ケアを怠ると、身体的にも精神的にもさまざまな問題が発生する可能性があるからです。
今回は、断乳時にママが適切なケアをしない場合に起こるリスクや、その対策についてまとめました。
段乳時にケアを怠った場合のリスク
断乳をする際にママ自身のケアを怠ると、身体的にも精神的にもさまざまな問題が発生する可能性があります。
【乳腺炎になるリスク】
断乳後に母乳が適切に排出されないと、乳腺が詰まり感染し炎症を起こす「乳腺炎」になる可能性があります。
乳腺炎になると、乳房の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れ、重症化すると医療機関での処置が必要になることも。
また、断乳を急に行うと、母乳が乳腺に溜まりやすくなり、そのまま放置すると乳腺が詰まって炎症を引き起こすことがあります。
さらに悪化すると、膿がたまる乳腺膿瘍へと進行するリスクも考えられます。
【乳房の張りや痛みを感じる】
断乳後、母乳の分泌が急に減るわけではないため、乳房が張りやすくなります。
これを放置すると、しこりができたり痛みが増したりすることがあります。
【ホルモンバランスの乱れる可能性】
断乳に伴い、母乳の分泌を促していたホルモンであるプロラクチンやオキシトシンの分泌が急激に減少します。
その影響で、気分の落ち込みやイライラが増すことがあります。
不眠症や頭痛、めまいなどの症状が出ることもあり、生理不順やPMSの悪化が見られることもあります。
これらの症状が続くと、産後うつのような状態になることもあるため、心のケアが重要になります。
【精神的ストレスと育児疲れ】
断乳は赤ちゃんにとってもママにとっても大きな変化です。
授乳はスキンシップの一つでもあるため、断乳によって赤ちゃんが情緒不安定になったり、夜泣きが増えたりすることがあります。
そうやって赤ちゃんがぐずると、ママのストレスも増し、育児疲れがさらに悪化することがあります。
また、授乳をやめることで、ママ自身が喪失感のようなものを感じてしまうこともあります。
断乳後のママのケア方法
断乳後は、乳房のケアや心のケアなどをしっかり行うことが大切です。
【乳房のケア】
まず断乳後は、乳房のケアをしっかり行うことが重要です。
乳房が張って痛みを感じる場合は、完全に搾乳するのではなく、軽く圧抜きをする程度に絞るとよいでしょう。
痛みや腫れがある場合は、冷たいタオルや保冷剤で冷やすと炎症が和らぎます。
また、乳腺が詰まらないように優しくマッサージを行い、乳房の皮膚が乾燥しないように保湿ケアをすることも大切です。
それでも痛みや違和感がある場合には、母乳外来などで相談するといいでしょう。
さらに、断乳を急激に行うと、乳腺や皮膚が急速に縮小するため、乳房の形が変わることがあります。
皮膚がたるんでしまうことがあるため、適切なマッサージや保湿ケアを行うことが大切です。
【ホルモンバランスを整えるケア】
ホルモンバランスを整えるために、栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れることが大切です。
特に大豆製品(イソフラボン)やビタミンB群を含む食品を摂ると良いでしょう。
ヨガやストレッチなどの軽い運動を行い、十分な睡眠を確保することで、心身ともに調子を整えることができます。
ストレス管理を意識し、リラックスできる時間を持つことも大切です。
【心のケア】
ママの心のケア、つまり精神的なケアも怠らないようにしましょう。
育児の悩みは誰かに共有することで気持ちが楽になることが多いため、家族や友人に相談したり、リラックスできる時間を確保したりすることが重要です。
特に、夫などパートナーと積極的に会話をし、お互いの気持ちを理解し合うことが大切です。
また、一人で抱え込まず、地域の育児支援センターやママパパ向けのコミュニティに参加するのも良い方法です。
必要に応じて助産師やカウンセラーなどの専門家に相談することも視野に入れ、心の負担を軽減しましょう。
まとめ
断乳は赤ちゃんだけでなく、ママにとっても身体的にも、精神的にも大きな変化を伴います。
そんな断乳の際にママ側が適切なケアを行うことで、乳腺炎やホルモンバランスの乱れによる不調を防ぎ、よりスムーズに断乳を進めることができます。
ママ自身の健康を守ることは、赤ちゃんの健やかな成長にもつながります。
自分の体調や気持ちは後回しになりやすい育児中ですが、自分にもしっかり向き合いながら、無理をせず、できる範囲でケアを行いましょう。
そして、断乳後も赤ちゃんとの時間を大切にし、ポジティブな気持ちで新しい育児のステージに進んでいけたらいいですね。