卒乳時期が遅いとダメ?
赤ちゃんが成長し、離乳食もしっかり食べられるようになると、徐々に母乳から卒業していくようになります。
これが卒乳です。
他の様々な事情から母乳を与えるのを辞める「断乳」とは違い、赤ちゃんのタイミングで離れていく卒乳は、個人差が大きいですよね。
自然と1歳半~2歳頃に卒乳する子もいれば、3~4歳になっても母乳を欲しがる子もいるでしょう。
卒乳時期は人それぞれですから、早い方が良い、遅いとダメといったことはありません。
しかし、そうは言っても周りの子と比べてしまい心配になるママもいますよね。
そこで今回は、卒乳が遅い場合のメリット・デメリットや虫歯のリスクについてご紹介します。
卒乳が遅い場合のデメリットは?
卒乳が遅いと心配になるのは、おそらく3歳以降ですよね。
将来的に赤ちゃんが卒乳するのが遅いな…と感じた場合、どんなデメリットがあるでしょうか?
【周りから嫌な言葉を言われる】
卒乳時期が遅い場合、周りから「まだ母乳を飲ませているの?」「気持ち悪い」なんて心無い言葉をかけられた…という先輩ママも少なくないようです。
周りからアレコレ言われてしまうと、ママ自身、責められているような感覚になって不安が募ってしまうでしょう。
【赤ちゃんが食事を食べてくれない】
赤ちゃんによっては母乳で満足してしまうため、なかなかご飯を食べてくれず、食事から栄養を摂ってくれないというケースもあります。
食事をしっかり摂れていないと、成長に必要なビタミンや鉄分が不足してしまう可能性も高いので注意が必要ですね。
【ママが大変】
赤ちゃんのころに比べて大きく成長したわが子を抱っこしながらの授乳は大変です。
3~4歳であれば、歯も生えていますから乳首を嚙まれたり、吸う力も強いため痛みを感じたりすることも…。
また、授乳する時間を日々取られることにストレスを感じてしまうママもいるかもしれません。
卒乳が遅い場合のメリットは?
卒乳が遅いからと言ってデメリットばかりではありませんよ。
以下のようなメリットもあります。
【母子の絆が深まる】
赤ちゃんの頃は、授乳時間を通して自然とスキンシップをしていたと思いますが、成長するにつれ、その機会は失われていくことも多いですよね。
しかし、卒乳が遅ければ、自然と授乳時間に母子のスキンシップタイムが設けられますから、互いの絆をより深めていくことができます。
ママが一番の味方であるという自信を持つことで、子どもは大きく成長していけます。
これから先、どんな困難にぶつかったとしても乗り越えていく力を持つことができるでしょう。
それだけ母子の絆が深いということは、子どもの情緒に大きな影響を与えるということです。
そのような貴重な時間を少し長く過ごすことができるというのは、メリットの1つと言えそうですね。
【ママの心の安定につながる】
卒乳時期が遅いということは、ママにもメリットがあります。
授乳することで分泌する「オキシトシン」というホルモンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれており、心の安定につながると言われています。
毎日の育児や家事でストレスを感じているママは、ときにはわが子にイライラし、当たってしまうこともありますから、授乳を続けることで少しでもママの気持ちが安定し心の健康維持に効果が得られれば、それもメリットの1つと言えるでしょう。
卒乳が遅いと虫歯になるって本当?
卒乳が遅いと虫歯になるという話を聞いたことがあるママもいるかもしれませんよね。
これは、卒乳が遅いから虫歯ができやすのではなく、問題なのは「夜間授乳」をしているから。
寝ている間は唾液の分泌が減少し、虫歯の原因菌が繁殖しやすくなってしまいます。
夜間授乳を続けていると虫歯のリスクが高まってしまうのです。
ほかにも、卒乳が遅い子はジュースやお菓子を食べていることが多いため、虫歯のリスクが高まっているとも言われています。(※)
卒乳が遅い場合は、虫歯予防を徹底し、夜間授乳は避けるとともに砂糖がたくさん入ったお菓子やジュースについても控えるようにしましょう。
また、歯が生え始めてきたら家庭でのケアもしっかり行い、定期的に健診へ行くようにしてくださいね。
※参考文献:厚生労働省-eヘルスネット「卒乳時期と虫歯の関係」より
まとめ
結局、卒乳時期が遅い方がよいのか、それとも早い方がよいのか、これから卒乳について考えるママにとっては悩ましい問題ですよね。
冒頭でも少し触れましたが、卒乳時期に明確な基準はありません。
・保育園に行くタイミングで自然と母乳を欲しがらなくなった
・母乳が出なくなった
などの理由で少しずつ卒乳に向けてタイミングを見計らうのも1つですし、あくまでも赤ちゃんが主体となって自然と離れていくのを待つというのも1つの考え方です。
卒乳が周りと比べて遅いと焦ってしまうかもしれませんが、必ずしもデメリットばかりではありません。
一番大事なことは赤ちゃんがしっかり栄養を摂れているか、成長に支障をきたしていなかということ。
将来的にどのような形で卒乳を進めていきたいのか、少しずつ考えていきましょう。