赤ちゃんの視力
「赤ちゃんは生まれてすぐはあまり目が見えていない」というのは、多くのママが知っていることではないでしょうか。
その後成長とともにどんどんと視力も発達してきますが、わが子の視力は正常に発達しているのかどうかが気になるママも多いと思います。
まだまだ視力が完成していない赤ちゃんの視力検査は難しいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実はスクリーニング検査により簡単に検査をすることができます。
赤ちゃんのうちから視力検査をしておくことで、メリットもたくさんあるんですよ。
そこで今回は、赤ちゃんの視力についてと、スクリーニング検査について詳しくご紹介します。
赤ちゃんの視力の発達
【生まれた時の赤ちゃんの視力】
生まれた時の赤ちゃんの視力は、まだほとんど発達していません。
生後間もない赤ちゃんの視力は、0.02ほどと言われており、ぼんやりとしか見えていない状態です。
加えて、色の識別も白・黒・グレーといったモノクロのみです。
ここから成長とともに、徐々に視力が上がっていき、色の識別もできるようになってきます。
【赤ちゃんの視力の完成はいつ?】
生まれてすぐは0.02ほどだった赤ちゃんの視力も、生後3ヶ月頃には0.05、1歳頃には0.2ほどになります。
そして、3歳頃には1.0となり、大人と同じくらい遠くのものも見えるようになってきます。
その後も視力は発達していき、6歳頃に視力が完成すると言われています。
赤ちゃんの視力スクリーニング検査
赤ちゃんのうちは、まだまだ視力の発達の途中のため、視力検査はできないのでは?と思っているママもいるかもしれません。
しかし、「スポットビジョンスクリーナー」という眼科機器を使用すれば赤ちゃんからも検査を受けることが可能です。
以下で、詳しくご紹介します。
【スポットビジョンスクリーナーとは】
スポットビジョンスクリーナーとは、赤ちゃんの視力のスクリーニング検査をするための眼科機器です。
「視力検査」というと、片目を隠してドーナツ型の円形(ランドルト環)が欠けた場所を指さす検査を思い浮かべるママがほとんどだと思います。
しかし、幼い赤ちゃんにはそれらの検査を行うことができません。
スポットビジョンスクリーナーでは、赤ちゃんの目をカメラで写真を撮るような感覚で撮影し、検査を行います。
ママの膝の上に乗せながら、数秒で終わる検査で痛みも一切伴いません。
スポットビジョンスクリーナーでは、近視、遠視、乱視、不同視、斜視、瞳孔不同などをスクリーニング可能です。
あくまでも「スクリーニング」検査ですが、その精度はかなり高いものと言われています。
【スポットビジョンスクリーナーはいつから?】
スポットビジョンスクリーナーでの検査は、生後6ヶ月頃から行うことが可能です。
一般的な視力検査は、3歳児健診の際に行われます。
その前にわが子の視力を知っておきたいという場合、スポットビジョンスクリーナーでの検査が一般的になります。
また、3歳児健診の視力検査でうまく検査ができなかった場合なども有効な方法でしょう。
【スポットビジョンスクリーナーでの検査費用】
スポットビジョンスクリーナーでの検査費用は、病院によって異なります。
数百円~数千円と幅が広いため、検査を希望する場合は機器の有無と合わせて、費用をあらかじめ問い合わせておくと良いでしょう。
自治体によっては、乳児検査の際にスポットビジョンスクリーナーでの視力検査が検査項目となっている場合もあり、公費で行えることもあります。
子どもの「弱視」は早期発見が大切
【注意したい子ども「弱視」】
近年、子どもの「弱視」が増えてきているというはご存じでしょうか。
弱視とは、メガネやコンタクトレンズなどでも視力が矯正できない状態のことを言います。
この弱視は、50人に1人ほどリスクがあると言われています。
【「弱視」は早期発見が大切】
子どもの視力が完成する6歳ごろまでに、視力に何らかの異常(近視・遠視・乱視など)があると、そこで視力の発達が止まってしまい、弱視となる可能性が高くなります。
ただし、この弱視は4歳前までに治療を開始すれば、95%以上が改善可能と言われています。
早期発見、そして早期治療のためにも赤ちゃんのうちに視力検査を行うことが大切なのです。
しかし、一般的には子どもの公的な視力検査は現在、3歳児健診で初めて行われます。
「3歳児健診」とは言っても、実際には3歳後半で実施される自治体もあり、子どもの視力を知るのには少し遅いことも。
また、3歳児健診の際の視力検査は、一般的にはまず自宅でママが行います。
3歳の子どもではまだまだ上手に視力検査をできない子も多いことから、近年視力のスクリーニング検査は需要が上がってきています。
まとめ
眼鏡やコンタクトレンズが必要なママは分かると思いますが、本当に「視力は財産」です。
赤ちゃんの視力を早期に検査しておくことで、仮に赤ちゃんが弱視である場合でも早期に治療が開始できます。
多少費用はかかりますが、大きな手間や負担もかからないので、赤ちゃんの目のことで気になる場合は、近隣の小児科や眼科に検査機器があるかどうかを問い合わせしてみてもいいかもしれませんね。