自分に合った授乳姿勢が知りたい
赤ちゃんがなかなか母乳を飲んでくれない。上手に母乳をあげることができない。そんな風に悩んでいるママもいるのではないでしょうか。
今回は、母乳を与えるときの授乳姿勢についてご紹介します。正しくて、ママにも赤ちゃんにも合った授乳姿勢を見つけることで、赤ちゃんにたくさんの母乳を飲んでもらいましょう。
一般的な授乳姿勢
いつも同じ授乳姿勢で与えているママも多いでしょう。実は、授乳姿勢にはさまざまなものがあります。ここでは、一般的な4つの授乳姿勢をご紹介します。
【横抱き(クレードル)】
1番馴染み深いのが横抱きです。まず、背筋を伸ばして椅子に座ります。飲ませる側の乳房の前に赤ちゃんの顔が来て、赤ちゃんの体がママの体にぴったりつくように横向きに抱きます。飲ませる方の乳房と同じ側の腕で赤ちゃんの首と頭を支え、逆の腕で赤ちゃんの背中と下半身を支えます。ただこれは、生まれて間がない赤ちゃんには、不安定になりがちな姿勢です。
【交差横抱き(クロスクレードル)】
新生児におすすめの授乳姿勢は、交差横抱きです。横抱きと似たような姿勢ですが、腕が逆になります。飲ませる側の乳房と同じ側の腕で赤ちゃんの背中や下半身を支え、逆の腕で赤ちゃんの頭や首を支えます。安定感のある授乳姿勢です。
【脇抱き(フットボール抱き)】
片方の脇に抱え込む姿勢に、赤ちゃんを落とさないか不安を感じるママもいるかもしれません。しかし、赤ちゃんの重さがママのお腹に負担をかけないのが、脇抱きのメリットです。飲ませる側の乳房と同じ側の脇で赤ちゃんを抱え込み、同じ側の腕と手で赤ちゃんの体をしっかりと支えます。ママに負担がかかりづらいので、帝王切開や乳房の大きいママにおすすめの姿勢です。また、ママの腕と体に抱き込まれるので、赤ちゃんにとっても安心して飲みやすい姿勢です。
【添い乳】
赤ちゃんのお世話で疲れ切ったママにおすすめの授乳姿勢が、添い乳です。飲ませる側の乳房と同じ側に横向きに寝て、赤ちゃんと向かい合った状態でそのまま授乳します。横向きになった逆の腕と手で赤ちゃんの頭や背中を支えます。ママの体に赤ちゃんの重みがかからないので、帝王切開のママにも楽で安心な姿勢です。
試してみたい授乳姿勢
次は、なじみは薄いかもしれないものの一度は試してみてもらいたい授乳姿勢をご紹介します。
【縦抱き】
「横」があるなら「縦」抱きもあります。背筋を伸ばして座り、ママの太ももの上に赤ちゃんを縦向きに座らせた状態での授乳です。両腕で赤ちゃんの頭や背中をしっかりと支えます。赤ちゃんが座ることができるようになったら試してみましょう。吐き戻しがある赤ちゃんや耳の感染症にかかっている赤ちゃんに効果的な姿勢です。
新生児より首がすわってきた赤ちゃんの方が良いでしょう。
【レイバック式】
お腹の上に赤ちゃんをのせて、ゆったりした状態の授乳姿勢がレイバック式です。ソファやクッションなどにもたれかかり、赤ちゃんをお腹の上へのせて授乳します。両腕で赤ちゃんの背中や下半身を支えます。腰痛があったり、母乳の量が多いママにおすすめの姿勢です。
ただ、おっぱいで赤ちゃんの鼻をふさいでしまう可能性があるため、体のコントロールが自由にできるようになってきた1歳近い赤ちゃんにおすすめの飲ませ方です。
授乳姿勢の注意点
次は、授乳姿勢をするときの注意点をご紹介します。ちょっとしたことで授乳がスムーズになるかもしれませんよ。
【赤ちゃんの顔と体の向き】
赤ちゃんの顔と体の向きが同じで、一直線になる状態で授乳してください。顔と体の向きがおかしいと授乳が難しくなるだけでなく、赤ちゃんやママの体にも負担がかかります。ママの乳首に傷がつく可能性もあります。
【赤ちゃんとママの距離】
赤ちゃんとママの距離がなるべく近い状態で授乳してください。距離が遠いと、赤ちゃんの乳首のくわえ方が浅くなり、授乳が難しくなります。ママが寄り添い、しっかりと抱き込むことで赤ちゃんも安心して上手に飲むことができます。
【赤ちゃんのくわえ方】
赤ちゃんが乳首を深くくわえることができていることが重要です。くわえ方が浅いと、赤ちゃんが飲みにくいだけでなく、乳首を傷めたり、母乳の出の悪化につながります。乳房や赤ちゃんの口の高さを調整しながら、赤ちゃんがしっかりくわえることができているか確認しましょう。
【赤ちゃんの窒息】
赤ちゃんが授乳中に窒息したら大変です。乳房が赤ちゃんの鼻を塞いでしまわないように注意しましょう。特に、添い乳や縦抱きは窒息の可能性が他の授乳姿勢よりも高いです。また、猫背のママは、体が前のめりになり赤ちゃんを窒息させないようにしましょう。授乳時は背筋を伸ばすように気を付けてください。
【ときどき授乳姿勢を変える】
毎日同じ授乳姿勢で授乳していると乳腺炎になることがあります。乳腺炎は、同じ場所を刺激し続けることで、乳腺が炎症を起こすことです。時には授乳姿勢を変えて乳腺炎にならないようにしましょう。
【授乳は両方の乳房で】
ついつい楽な方で授乳していませんか。授乳するときは左右同じように授乳するようにしましょう。それにより、左右の乳房の大きさの違いや乳腺炎になることもなくなります。
まとめ
赤ちゃんに授乳ができる時期は、あっという間に過ぎていきます。いろいろな授乳姿勢を試し、時には姿勢を変えながら、赤ちゃんとの授乳時間を楽しんでください。