出産の内祝いに付けるのしについて
赤ちゃんを出産すると頂くことがある出産祝い。
出産祝いにはお礼の気持ちを込めて、内祝いを贈るのがマナーとなっています。
中でも出産の内祝いに付ける「のし」には、いくつか覚えておきたいポイントがあります。
今回は、内祝いののしの書き方やマナーについて、詳しく解説します。
出産の内祝いののしの書き方
お祝い事の贈り物にかけられるのし。
これには、贈答の目的ごとに描き方のルールとマナーがあります。
出産の内祝いののしの書き方も、他ののしとは異なる部分があるので、まずは書き方のルールをおさえておきましょう。
【水引の種類】
出産の内祝いでは、「紅白蝶結び」の水引が書かれているのしを使います。
出産は、何度あってもおめでたいこと。
蝶結びは何度も結び直すことができるため、出産のお祝い事に用いられています。
(他にも、誕生日や昇格、中元歳暮などにも紅白蝶結びの水引が用いられます。)
【のし上】
贈り物の用途を記載します。
出産の内祝いなので、「内祝」または「出産内祝」と記載しましょう。
両親など身内に送る場合は、お祝い事のお裾分けを送るという意味を込めて、「御祝」と記載します。
【のし下】
送り主の名前を記載します。
出産の内祝いの場合は、赤ちゃんの苗字は記載せず、「名前のみ」記載しましょう。
名前にはふりがなをふるといいですね。
これは必ず必要なものではありませんが、現代の名付けでは当て字を使うケースも多く、内祝いを貰った相手が赤ちゃんの名前を読めなかったり、間違えてしまったりということもあるからです。
一般的に読める名前でも、内祝いを贈る相手にとっては「読み方は本当にこれで合っているかな?」と不安に思うこともあります。
たとえ読みやすい名前だとしても、ふりがなをふっておくと相手に親切ですね。
【多胎児の場合ののし下の書き方】
双子や三つ子などの多胎児の場合は、生まれた順に右から名前を記載していきます。
【短冊タイプののし】
あまりかしこまった形にしたくない場合や、内祝いが小さい・細い場合などには、短冊タイプののしを使うことも、現在は多くなりました。
書き方は普通のサイズののしと変わりありません。
内祝いの内のしと外のしの違いは?
のしには、「内のし」と「外のし」があります。
出産の内祝いでは、どちらをかけるのがいいのでしょうか。
【内のしをかけるケース】
内のしとは、内祝いの品物に直接かけるのしです。
出産の内祝いでは、一般的には内のしが用いられます。
内のしは相手には控えめな印象を与えます。
内祝いは、出産祝いを贈ってくださった相手への感謝の気持ちをお返しするのが目的ですので、内のしをかけるのが望ましいですね。
特に、遠くに住んでいる方に郵送で内祝いを贈る場合は、のしの汚れ防止の意味でも内のしをかけるようにしましょう。
【外のしをかけるケース】
外のしとは、内祝いをラッピングした包装紙の上からかけるのしのことです。
内のしが一般的とは言いましたが、外のしがかけられているのを見かけることもあるのではないでしょうか。
手渡しで直接渡す際に限り、赤ちゃんの名前が分かる外のしをかけるケースもあります。
手渡しの場合は、内祝いを紙袋や風呂敷などに入れて持参しますが、その紙袋や風呂敷が内のしをかけた時の包装紙と同じ役割を果たし、「控えめ」な印象を相手に与えてくれます。
ただし、先方に渡すときは紙袋から出して”品物だけ”を渡すのがマナー。
相手から見て、何の贈り物か、また赤ちゃんの名前がパッと見て分かるように外のしをかけることもあるので覚えておきましょう。
ちなみに手渡しする際は、包んでいた風呂敷などは自分で持ち帰るようにしてくださいね。
出産の内祝いののし紙の用意について
のし紙の用意は、以下の方法があります。
【内祝いの商品と一緒にサービスしてくれる】
内祝いを購入すると、のしもサービスでかけてくれる場合がほとんどです。
お店でのし上やのし下も印刷してくれるので、簡単に用意ができます。
お店や通販サイトによっては、赤ちゃんらしいかわいらしいのしや、個性的なのしを用意していることも。
また、のしと一緒に赤ちゃんの名前や写真の入ったメッセージカードを添えてくれるサービスもあり、利用している方も多くいます。
【自分で用意する】
のし紙を購入し、自分で書く、または印刷するということも可能です。
一般的に販売されているのし紙は昔ながらのシンプルなものが多いですが、墨と筆で自分で書きたいということがあれば、この方法でもいいかもしれません。
また、何らかの理由でお店が用意できないケースなども、この方法で用意します。
まとめ
のし(熨斗)は、出産祝いの内祝いに限らず、お祝い事にはかけるのがマナーのひとつ。
もし、のしをかけないと何の贈り物を渡したのか、意図が不明になってしまうこともあります。
こちらが内祝いを用意したつもりでも、相手が内祝いだと思わなかった…というトラブルを防ぐためにも、正しく「のし」をかけるようにしましょう。
出産の内祝いというのはあくまで「お礼」です。
相手に感謝と誠意が伝わるよう、これを機に「のし」のマナーについて理解を深めておきましょう。