男性の育休取得の現状
近年、核家族化が進み、ママだけで育児をする「ワンオペ育児」という言葉が定着しつつありますよね。
そんななか、少しでも社会全体で子育てしやすい環境を作ろうと、男性の育休取得を推奨している企業も増えてきました。
しかし、そうは言っても、実際に育休を取得している男性はほとんどいない…というのが現状ではないでしょうか。
実際に男性が育休を取得することによるメリット・デメリットなどを踏まえながら、男性の積極的な育児参加について考えていきたいと思います。
男性の育休によるメリットとデメリット
男性の育休取得があまりイメージできない、という方も多いでしょう。そこで、実際に男性が育休取得をした場合のメリットとデメリットをご紹介します。
【育休取得によるメリット】
《子どもとの時間をたくさん作ることができる》
子どもの成長はあっという間。特に手がかかる0~1歳のころは、毎日忙しすぎて幸せを実感できないママもいるほどです。しかし、過ぎてみると「あっという間」と感じることが多いのもこの時期。
この時期にしか見られないわが子の笑顔や泣き顔を、たくさん見られるのは大きなメリットでしょう。
《父親としての自覚が生まれる》
「ワンオペ育児」の原因の1つとして「パパが育児の当事者ではない感覚がある」というのが問題視されています。
仕事で帰宅が遅いと、赤ちゃんと触れ合う時間が減るので、父親としての自覚が芽生えにくいのかもしれませんね。
育休を取得することで、赤ちゃんのお世話をするのが当たり前になり、当事者意識、つまり父親としての自覚が生まれやすくなるでしょう。
《育休が終わっても育児に積極的に参加しやすい》
パパの育休が終わっても、まだまだ育児は続きます。というよりも、これからが本番かもしれません。
育休中の経験があれば、今後の育児も積極的に参加してもらいやすいのではないでしょうか。
【育休取得によるデメリット】
《収入が減る》
育休中の給付金など、制度を利用する手もありますが、やはり働いている頃よりは収入は減ってしまいます。
収入が減っても取得してもらいたいか、という選択に悩まされる方も多いようです。
また、今後の出世に影響するのではという不安もあるかもしれません。
《職場でのパタハラにつながってしまうという不安》
パタハラとは、パタニティハラスメントの略で、育休取得による周囲からの嫌がらせを受けることを意味します。
パタハラによる訴訟問題が起きているなど、男性の育休取得のハードルが高い社会であることがうかがえますね。
《育児に積極的になりすぎて夫婦喧嘩になる》
夫婦にとって初めての育児。夫婦協力し合うどころか、時にはやり方の違いにより、喧嘩になってしまうことも。
お互いの意見や思いをちゃんと話し合って、取り組めるようにしたいですね。
男性の育休取得が義務化って本当?
男性の育休取得のメリットデメリットや現状でも述べたように、まだまだ育休取得には高いハードルがあると言えるでしょう。
そんな状況を打開するために「男性の育休取得の義務化」を掲げている政治家や企業が増えています。
今はまだ「義務化」というだけで、まだ「義務」に至ってはいません。
育休取得義務化を掲げていても、育休からの復帰をうまくリカバリーできなかったり、人手不足、労働力の不足から、実際には取得しにくいのが現状です。
義務化の前に、企業や社会として取り組むべき課題はたくさんあり、個人だけではなく大きな社会問題となっています。
男性の育休の取得方法と期間
男性の育休取得は難しい場合がまだほとんどかもしれません。
ですが、ママだけが大変な思いをして育児をし、結果的に夫婦関係が悪くなってしまうことは避けたいですよね。
男性の育休取得は義務化されていなくても、条件を満たしている男性従業員からの育休申請の申し出を企業は拒否することはできません。
メリットとデメリットを考え、ぜひ取得したいという結論になった場合、どのようにして取得したらいいのでしょうか。
【育休取得の方法】
企業によって少し異なりますが、専用の書面に記入し、規定の期日までに会社に提出して行います。
育休についてあらかじめ会社の人事部などに確認しておくと良いでしょう。
また、育児休業給付や社会保険料の免除の制度を利用することができるので、忘れずに手続きを行いましょう。
【男性の育休期間】
女性の場合は産前と産後の「産休」から、1歳までの育休と場合によっては2歳まで延長して取得することが可能です。
男性の場合は「産前」がないので、産後から1歳までで、生まれたと同時に育休を開始できると、最長で1年間の育休が取得できます。
また、「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用すると、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休期間を延長することができます。
まとめ
男性の育休取得が難しいというのが現状ですが、中にはきっちり取得できている方もいます。
子どもが1歳までというのは本当にあっという間です。
育休取得のメリットとデメリットをよく考えて、夫婦ともに納得できる決断をしたいですね。