ひとりで悩まないで!妊娠の相談先は?
妊娠出産とは、新しい命をさずかり育てていくこと。本来、祝福され、望まれるイメージが強いかもしれません。
けれどもそればかりではないのも現実です。
・思いがけない妊娠に戸惑っている
・産みたいけれど育てられないかも
・彼から出産を反対されている
・産婦人科を受診する勇気がない
など、さまざまな戸惑いや不安を抱えている妊婦さんも多いのです。
最悪な結果として、時折ニュースになるような悲しい事件に発展してしまうことも。
妊娠に気付いたばかりの時期は、お腹に赤ちゃんがいるという実感はまだないかもしれません。
でも、あなたの体は出産に向けて準備を進めています。
もし、妊娠出産が不安、妊娠を継続できない理由がある、などの心配事があれば、ひとりで悩まないで相談できるところを調べてみましょう。
自治体や医療機関の相談窓口
妊娠に関する手続きや制度についての相談は、お住まいの自治体の窓口を利用しましょう。
【手続きに関する相談】
・妊娠したかもしれないけど、どうしたらいいのか分からないときの相談先・・・母子保健窓口、産婦人科
母子健康手帳を発行してもらうにも医師による「妊娠届出書」が必要な場合がほとんどです。まずは産婦人科を受診しなくてはなりません。
特に、妊娠週数が進んでいる場合は早急に受診する必要があります。
【経済的な相談】
・健診や分娩費の負担が重いなどの相談先・・・福祉窓口
妊婦健康診査受診票というクーポンや補助制度、少額の自己負担で出産することができる「入院助産制度」が使える場合があります。
また、保健センターや母子保健窓口などで、妊婦健診や分娩費の安い病院の情報を教えてもらいましょう。
・育てられる自信がないときの相談先・・・福祉窓口、児童相談所、民間の養子縁組機関
生活保護、または生活困窮者自立支援制度の利用を検討したり、法的な手続きを踏んで子どもを望む夫婦と特別養子縁組を結ぶという方法もあります。
また、現在学生である、病気治療中であるなどの理由で一時的に乳児院や里親に預けることもできます。
【パートナーとの関係に関する相談】
・DVを受けているときの相談先・・・警察、児童相談所、自治体のDV相談窓口
パートナーから離れて、ママと赤ちゃんが一緒に住みながら子育て支援を受けられる母子生活支援施設に入居することも可能です。
無料の法律相談を紹介してもらえる場合もあります。
・産もうかどうしようか迷っているときの相談先・・・産婦人科
最終的に人工中絶を選ぶのであれば、母体保護法により妊婦側の申し入れによる中絶可能時期が定められています。
理由はどうであれ女性にとってつらい経験であることに変わりはありません。後々までPASS(中絶後ストレス症候群)を抱える女性も少なくありません。
きちんとカウンセリングしてもらえる産婦人科を選びましょう。
その他支援団体の相談窓口
ひとりで悩んでいても時間は過ぎてしまいますし、妊娠中の身では解決策を見つけるのが難しいことも。
ママや赤ちゃんを保護したり相談に乗ってくれるさまざまな支援団体があります。
それぞれの団体がホームページを設置していますので、団体名称で検索して内容を確認してみましょう。メール相談フォームも用意されています。
【妊娠SOS相談窓口】
妊娠、出産、育児に関する悩みごとに無料で相談に乗ってもらえます。
民間団体の独自事業による相談窓口と、自治体の事業による相談窓口があります。自治体の事業の場合も、民間のNPOや助産院に委託しているケースが多いようです。
・対応時間が長い(24時間ホットラインのあるところも)
・電話やメール相談、匿名による相談も可能
・相談員(助産師、看護師、社会福祉士など)や専門家(産婦人科医、小児科医、精神科医、弁護士など)と連携してくれます
【こうのとりのゆりかご】
様々な事情で育てることができない新生児を、親が匿名で特別養子縁組をするための施設やシステムを、通称「赤ちゃんポスト」と呼びますが、日本でこのシステムを採用している熊本県の慈恵病院では「こうのとりのゆりかご」という名称を使っています。
賛否両論ありますが、預けること自体を目的とするのではなく、預けるに至るまでの間に悩みや解決方法を相談することを目的としているそうです。
・24時間ホットラインあり
・匿名相談可能
・相談無料
・助産師などが相談に応じてくれます
【法テラス】
法律事務所に相談するのは敷居が高いもの。そんな時、味方になってくれるのが法テラスです。
収入上限などの条件を満たせば、契約している弁護士や司法書士が無料相談に乗ってくれます。
・1回30分、3回まで
・刑事事件は相談対象外
・調停や裁判になった場合、弁護士費用を立替えしてくれます(分割返済可能)
まとめ
妊娠がわかった時から、お腹の赤ちゃんの1番の味方はママであることに変わりはありません。
赤ちゃんの命を助ける、赤ちゃんやママの幸せを考える手段はいろいろあります。
ママの知らない手段を相談できる窓口は全国に広がっているのです。上手に利用しましょう。