助手席にチャイルドシートは違法なの?
赤ちゃんと車でお出かけをする際、必ずチャイルドシートが必要となります。
チャイルドシートは、基本的に後部座席に設置して使用するものですが、チャイルドシートに慣れていない赤ちゃんやママと離れたくない赤ちゃんの場合は、チャイルドシートに座らせることで泣いてしまうこともありますよね。
運転中に後部座席で赤ちゃんが大泣きしていると、泣き声が気になって運転に集中できなかったり、運転中赤ちゃんが後部座席でどのように過ごしているか心配というママもいると思います。
後部座席の赤ちゃんの様子が気になりすぎて運転に集中できないと事故を起こす危険もあるので注意が必要ですね。
では、チャイルドシートを後部座席ではなく助手席に設置するのはどうでしょうか?
助手席にチャイルドシートを設置すれば、ママと2人のドライブでも赤ちゃんがいつもママのそばにいられるので安心ですし、ママも赤ちゃんの様子をこまめに見ることができます。
現行の法律では「6歳未満の子どもにはチャイルドシートを使用する必要がある」と定められているのみで、チャイルドシートの形状や設置場所については特に決められてはいません。そのため、助手席にチャイルドシートを置くこと自体は「違法」ではないのです。(※)
車に乗り合わせる人数の問題や、赤ちゃんの状態によっては助手席にチャイルドシートを設置するという選択肢も法律上は問題ないということになります。
しかし、助手席での利用については、様々なリスクが伴うことも理解しておかなければなりません。
なぜ、助手席にチャイルドシートを設置すると危険なのでしょうか。
今回は、そんな助手席でのチャイルドシートの利用についてご紹介します。
※e-Gov/道交法第七十一条の三の3より(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#674)
助手席のチャイルドシートはなぜ危険?
助手席にチャイルドシートを置くこと自体は違法ではないため、助手席へ設置ができるチャイルドシートも販売しています。
しかし、多くの自動車メーカーでは「助手席へのチャイルドシートの設置」を推奨していません。
その理由は、「助手席」という場所の危険性にあります。
助手席にチャイルドシートを設置しない方がよい理由は、ズバリ「エアバッグ」です。
万が一の事故の際に、乗車している人の命を守るのがエアバッグです。しかし、助手席にチャイルドシートを設置していることで、エアバッグが開く際の衝撃を受け、赤ちゃんがケガをしてしまう危険があるのです。
また、日本は左側通行のため、万が一の事故の際に車体の左側が損傷する危険もあります。
このような事情から、多くの自動車メーカーではチャイルドシートを後部座席に設置することを推奨しています。
どんなに気を付けて運転をしていても、100%事故を防げるわけではないので、万が一の事故の際にリスクが少ないのは「後部座席へチャイルドシートを設置すること」ということは覚えておくと良いでしょう。
助手席でのチャイルドシート使用の注意点
事情によって助手席にチャイルドシートを設置する場合は、以下の点に注意しましょう。
【助手席のシートを最大限後ろに下げる】
万が一の事故の際に、エアバッグの衝撃を受けすぎないよう、助手席のシートは最大限後ろに下げておくことが大切です。
事故に遭った場合、フロントガラスが割れてしまうこともあるので、助手席のシートを最大限下げておくことで割れたガラスが赤ちゃんを傷つけるリスクを軽減できます。
【前向きタイプのチャイルドシートを使用する】
助手席に「後ろ向きタイプ」のチャイルドシートを設置した場合、エアバッグが開く衝撃でチャイルドシートが飛ばされてしまう危険があり、酷い場合は、飛ばされたチャイルドシートによって、運転手や他の乗員がケガをすることもあります。
どうしても助手席でチャイルドシートを使わなければならない場合は、必ず前向きタイプのチャイルドシートを設置しましょう。
外国製の一部の車では、助手席のエアバッグを解除する機能が付いているものもあります。助手席のエアバッグを解除することができるのであれば、後ろ向きタイプのチャイルドシートでも問題ありません。
【必ず正しい取り付け方法で設置する】
万が一の事故の際に赤ちゃんを守ってくれるのは「正しい取り付け方法で設置した場合のみ」です。
誤った方法でチャイルドシートを設置した場合は、事故の衝撃でチャイルドシートそのものが外れてしまう可能性もあります。必ず正しい方法で取り付けましょう。
【ナイロンジャンパーなど滑りやすい服は脱がせて乗せる】
チャイルドシートは、走行時にしっかり赤ちゃんを固定してくれるものです。
しかし、ナイロンジャンパーやダウンジャケットなど、ツルツルと滑りやすい素材の服を着せている場合は本来の力を発揮できません。
チャイルドシートから赤ちゃんが滑り落ちてしまわないよう、ナイロン素材のアウターは脱がせてから乗せるようにしましょう。
また、ベルトも成長に合わせてこまめに調節し、しっかり体にフィットするようにベルトを締めるようにしてくださいね。
まとめ
助手席にチャイルドシートを設置すること自体は違法ではありませんが、万が一の事故ではリスクを伴います。今回ご紹介した注意点を参考に、正しく設置し、安全運転を心がけましょう。