授乳中のママがお腹が空くのはなぜ?
赤ちゃんが生まれたら、妊娠中に増えてしまった体重をなんとかしたい!と考えるママは多いのではないでしょうか。
しかし授乳がはじまると、食べても食べてもお腹が空き、止まらない食欲に悩むのはよくあることのようです。
出産を終えてお腹の赤ちゃんに栄養をあげる必要はないのに、どうしてこんなにお腹が空くのでしょうか。
不思議に思うと同時に自分の食欲にびっくりしてしまい、不安になってしまいますよね。
実は授乳中のママがお腹が空くのには、きちんと理由があるのです。
今回は、授乳中のママの止まらない食欲についてお話します。
お腹が空く原因に併せて、食べすぎを防ぐ方法についてもご紹介しますので、参考にしてくださいね。
授乳中にお腹が空く原因
授乳中にお腹が空く主な原因を、いくつか挙げてみました。
【母乳でたくさんのエネルギーを使うため】
母乳を作り出すのは、思った以上にたくさんのエネルギーを消費します。
100mlの母乳を出すのに消費するエネルギーは、約60kcal。
月齢や個人差にもよりますが、生後7ヶ月位までだと、1日の母乳量は約614~780gといわれています。
完全母乳で赤ちゃんを育てているママは、授乳だけで毎日約368~468kcalを消費しているのです。
約400kcal分といえば、水泳なら1時間ちょっと、ジョギングなら1時間半程度に相当します。
授乳をするだけで毎日この消費量なら、食べても食べてもお腹が空くのも納得できますよね。
【産後のホルモンの変化】
産後の食欲には、レプチンというホルモンも関係しているようです。
レプチンは食欲を調整する働きをしており、体内にレプチンが多いと満腹感を得られ、食欲が抑えられます。
しかし産後は、レプチンの分泌量を増やす作用のある女性ホルモン、エストロゲンが急激に減ります。
それと同時にレプチンも減って食欲を抑える働きが弱くなり、たくさん食べてしまう原因になるのです。
【活動量が増える】
妊娠中はお腹が大きく、活動量も少なかったかもしれません。
しかし出産を終えると、体が軽くなるうえに赤ちゃんのお世話に忙しく、ママが思っている以上に動いていることも。
その分お腹が空くのは自然なことですよね。
【ストレス】
頻回授乳が必要な時期は生活が不規則になり、睡眠不足になりがち。
睡眠不足が続くと食欲を抑えるホルモンが減り、反対に食欲が増すホルモンが増えることが分かっています。
ストレスを感じることも多くなり、食べることで解消している場合もあるかもしれませんね。
授乳中の食欲はいつまで続くの?
授乳中の食欲は、赤ちゃんの離乳食がはじまり、母乳を飲む量が減ってくると徐々に落ち着いてくるようです。
離乳食開始直後は、まだ赤ちゃんが欲しがるだけ母乳を与えますが、3回食がはじまる頃には母乳の回数も量も減るでしょう。
母乳量が減ると再びエストロゲンの分泌が増えてレプチンも増え、食欲も抑えられるようになります。
もちろん個人差があり、これより早く治まるママがいれば、母乳量が減っても食欲が止まらないママもいるかもしれません。
しかしだいたいの目安が分かると、少し安心ですよね。
授乳中の食べすぎを防ぐ方法
授乳中の食欲の増加は、栄養補給の意味では必要な場合もあります。
しかしあまりにも多いと体重の増加や、栄養の偏りなども心配です。
工夫をして、授乳中の食べすぎを防ぎましょう。
【3食しっかり食べる】
食べすぎを気にして食事量を減らすと、結局お腹が空いて間食が増えてしまいます。
授乳期には母乳生産のため、普段より+350kcalが必要といわれているため、3度の食事はしっかりと食べましょう。
また、不規則な食事やながら食べは食べた感覚が得にくく、つい食べすぎてしまいます。
食事の時間や食べる量を決めておくと、良いかもしれません。
【間食は栄養のあるものにする】
せっかく食べるのであれば、母乳や体のことも考えて栄養価の高いものを選びましょう。
脂質や糖分の多いお菓子や菓子パン、ケーキはたまにのご褒美に。
普段の間食にはおにぎりやさつまいも、ヨーグルトなど、栄養補給ができるものを心がけたいですね。
【水分をしっかり摂る】
食べすぎを防ぐためにも母乳をたくさん作るためにも、水分は重要です。
水やノンカフェインのお茶、ハーブティー、野菜たっぷりのスープなどが良いでしょう。
【ストレスを溜めない】
ただでさえ食欲が増しやすい授乳期は、ストレスが溜まると余計に食べたくなることも。
お散歩や買い物で適度に外に出かけたり、子育て支援センターなどを活用して人と話す機会を作ったりして、気分転換をしましょう。
まとめ
母乳を作るには多くのエネルギーが必要なうえ、産後はママの体を回復するにもたくさんの力を使います。
授乳中のママがお腹が空いて食欲旺盛になるのは、自然なことなのです。
離乳食が始まると少しずつママの食欲も元に戻る場合が多いため、あまり心配しないようにしてくださいね。
しかし赤ちゃんのためとは言え、食べすぎによる体重増加や健康も気になるもの。
なるべく栄養のある体に優しいものを選び、ストレスを溜めないようにして乗り切りましょう。