新生児の平均身長と「低身長症」

新生児の平均身長と低身長症

新生児の身長の成長目安

発育状況を知るために、体重と同じように測られるのが身長です。
生まれたばかりの新生児期は、今の身長よりこれからの伸び具合が気になるところでしょう。今回は、新生児の身長の目安や測り方から、成長曲線から外れて身長が伸びない原因について解説します。

 

まずは新生児期の身長の目安についてみていきましょう。
赤ちゃんの身長を測ったら、母子健康手帳の成長曲線グラフに結果を記録していきます。成長曲線は、母子健康手帳に載っている標準的な成長の度合いを示したグラフです。標準的な身長を帯状で示しているため、帯のどの辺りに位置しているかで平均より低いか高いを判断することができます。

 

【男の子】
・出生時:44.0〜52.6cm
・生後1ヶ月:50.9〜59.6cm

 

【女の子】
・出生時:44.0〜52.0cm
・生後1ヶ月:50.0〜58.4cm

 

上記はあくまで目安です。成長には個人差がありますので、この範囲に入っていなくても、順調に伸びていれば問題ありません。

 

※データ参照元:厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査(結果の概要)」よりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf

 

新生児の身長の測り方

新生児の身長を測るときは、乳幼児身長計を使います。

 

【乳幼児身長計で測る】
乳幼児身長計は、大人の身長計を寝かせたような形です。乳幼児健診の際に病院で測ってもらいましょう。

 

【メジャーで身長を測る】
乳幼児身長計がないご家庭でも、メジャーを使って身長を測ることができます。メジャーで新生児の身長を測る方法は、次の通りです。2人がかりで計測するとやりやすいでしょう。

 

①フローリングの部屋の壁に段ボールをくっつけて置く
②赤ちゃんを丸裸にしてフローリングの上に仰向けに寝かせる
③補助する人が、赤ちゃんの頭を段ボールの側面にくっつける
④頭の角度は、「目」と「耳の穴」を結んだ線が、台と「垂直」になるようにする
⑤計測する人が、赤ちゃんの膝を片方の手のひらで軽く抑えて伸ばす
⑥計測者が残った片手で、赤ちゃんの踵が位置している床に目印をつける
⑦フローリングのラインに沿ってメジャーで計測する

 

新生児の赤ちゃんが動いてうまく計測できないときは、仰向けで昼寝をしているときに計測しましょう。

新生児の赤ちゃんを起こさないように、そっと膝を閉じて足を伸ばし、素早く静かに計測するといいですね。ご機嫌が斜めで動いてしまうようであれば、また時間をおいて測ります。無理に体を抑えたりしないように注意しましょう。

 

赤ちゃんの身長が伸びない原因

身長が低いからと過度に心配することはありませんが、同性の同じ新生児期の赤ちゃんに比べ極端に低いときは、次のような原因が考えられます。いずれも稀なもので、出生時や2週間健診、1ヶ月健診で医師が診断しますが、不安があれば相談してみましょう。

 

【内分泌系のホルモン異常】
成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気の可能性が考えられます。

成長ホルモンは脳下垂体の前葉から分泌されるホルモンで、成長ホルモンが分泌不全だと低身長症になります。甲状腺ホルモンは、赤ちゃんが生まれた時に全員がマススクリーニング検査を受けているため、何か異常があれば医師から指摘されているでしょう。

 

【染色体異常・代謝異常】
染色体に異常があると低身長なることがあります。他に体の奇形や内臓疾患、発達の遅れが見られます。

 

【軟骨異栄養症】
骨や軟骨に異常がると身長が伸びないときがあります。胴体に比べて手足が短い、O脚であるなどの特徴があれば、可能性が高くなります。

 

【呼吸器・心臓など内臓の疾患】

心臓・肝臓・腎臓などの重要な臓器に異常があったり疾患があったりする場合、身長が伸び悩むことがあります。

 

低身長症が疑われたら?

前述したとおり、あまり極端に身長が伸びないという場合は、「低身長症」の疑いがあります。

 

一般的に、同性同年齢の平均値より「約2倍」低い場合に低身長症の検査を受けます。低身長症とは、特定の原因によって起こる成長障害で、原因となる病気によっては治療可能なものがあります。早期発見・早期治療ができれば、平均値まで身長を伸ばすことも可能です。

 

低身長症の原因にもよりますが、最も多い治療は成長ホルモンの治療です。骨が成熟してしまう前の段階で早期治療をすることで、大きな効果を得ることができます。今後の成長過程で気になることがある場合は、小児内分泌の専門外来がある病院を訪ねてみると良いでしょう。

 

まとめ

新生児期の身長は、赤ちゃんがまっすくぴんと測ることが難しいので、測った人や環境によって誤差が出るものです。生後1ヶ月の間での身長の伸びについては、さほど気にせずに見守っていくようにしましょう。

 

もし何か元々の疾患があって身長が伸びないという場合は、出生時やその後の診察で見つかります。不安があれば医師に相談するようにしてくださいね。

この記事を書いたライター

月子
月子

親の病を機に九州へ舞い戻る一児のママライター。 おかしな方言の使い方をする子どもに笑い、癒されながら、バタバタ過ごす毎日です。 趣味は料理とベランダ菜園。育てたものはおいしく食べています! 心がほっとするような、楽しく役立つ情報をたくさんお届けしていきたいです。

この記事もおすすめ

int(8)

ベビーバスの代用おすすめ5選

ベビーバスは代用できる! 赤ちゃんのお風呂として、ベビーバスを思い浮かべる方も...

赤ちゃんのへその緒の保管方法

赤ちゃんのへその緒の保管方法

なぜ赤ちゃんのへその緒を保管するの? へその緒はママのお腹の中で、赤ちゃんに血...

【月齢別】新生児時期に必要なもの

月齢0~2ヶ月の時期に必要なものは? 赤ちゃんのお世話に必要なアイテムはたくさ...

新生児の生活にかかるお金

家計の支出の増加に注意 家族が増えると、これから始まる新しい生活にドキドキワク...

新生児の保湿スキンケアのポイント

新生児期の保湿スキンケア 新生児期から保湿スキンケアをするようにと指導されたこ...

新生児服の水通しはいつする?

新生児の服の水通しはした方がいい? 大人よりも弱い赤ちゃんの肌。新生児の服を購...

新生児のしゃっくりの原因は?

新生児のしゃっくりの原因は?

新生児はなぜよくしゃっくりをするの? 赤ちゃんのしゃっくりはとても愛らしいもの...

新生児期の赤ちゃんがミルクを飲まないのはなぜ?

【新生児】赤ちゃんがミルクを飲まない ミルクというと、赤ちゃんがゴクゴクと音を...

新生児の心雑音の原因は?

新生児によくある心雑音とは 赤ちゃんが生まれた時、ママは人生で一番と言っていい...

名づけの注意点

名づけの注意点 赤ちゃんの名前をつけるときは、注意しなければならない点がいくつ...

低体重児の赤ちゃんとは?成長は?

低体重児の赤ちゃんとは?成長は?

低体重児の赤ちゃんとは 低体重児とは、2,500g未満の体重で生まれてきた赤ち...

出産祝いにおすすめのおもちゃ

出産祝いにおすすめのおもちゃ 赤ちゃんの出産祝いに何を贈ろうかな?と悩む方は多...

パパも必見!産後ケアの必要性

パパも必見!産後ケアの必要性

「産後ケア」はママにも家族にも大切! 産後ケアは、産後のママの体や心の回復を包...

生後0ヶ月の赤ちゃんの服選び

生後0ヶ月の赤ちゃんの服選び 生まれて間もない生後0ヶ月の赤ちゃん。 赤ちゃ...

赤ちゃんのお七夜はいつ?正しい数え方

赤ちゃんのお七夜はいつ? 赤ちゃんが誕生してから初めてのイベントが「お七夜」で...

赤ちゃんの名づけ・命名

赤ちゃんの名付けとは 赤ちゃんを授かったら、最初に悩み、考えることと言ったら名...

産休でスキルアップできる講座10選 

産休はスキルアップにおすすめタイム 産休は予定日の前後約4ヶ月ですが、産後の2...

新生児が起きない時の授乳はどうする?

新生児が起きない時の授乳はどうする? 赤ちゃんがなかなか寝てくれない、寝てもす...

新生児の哺乳瓶の選び方

新生児の哺乳瓶は必要? 赤ちゃんは生まれてすぐ授乳が必要です。 最初から完全...

新生児の肌着の選び方とお着替えのコツ

新生児の肌着の役割とは? まだ体温調節を自分ですることができない新生児の場合、...

赤ちゃん成長ナビとは?

赤ちゃん成長ナビの活用方法

赤ちゃん成長ナビの活用方法

赤ちゃん成長ナビでは、生後まもなくから1歳になるまでの赤ちゃんの月齢別成長度合いや育児のポイントについて紹介しています。
生まれたばかりの赤ちゃんがいる新米ママはもちろん、もうすぐで赤ちゃんが生まれてくるプレママや将来的に赤ちゃんが欲しいと考えている方に、妊娠・出産・子育てに関する情報をお届けすることで、安心して赤ちゃんと向き合えるお手伝いをしたいと考えています。

[適用テンプレートファイル名]single.php