新生児の原始反射は今だけ
新生児の「原始反射」をご存じですか?
原始反射とは赤ちゃんの体に刺激が加わることで、無意識に反応する反射動作です。
生まれて間もない赤ちゃん特有の動きは可愛らしく、思わず写真や動画を撮ったママも多いでしょう。
今しか見られない姿だと思うと、思い出に残しておきたいですよね。
そこで今回は、新生児の原始反射についてご説明します。
原始反射と言ってもその種類はさまざま。
代表的な原始反射や、見られる時期についても併せてご紹介します。
種類や意味を知ると、よりその姿が貴重に感じられますよ。
新生児の原始反射とは?
新生児期に見られる原始反射は、体に起こるさまざまな刺激で無意識に反応する反射動作です。
受けた刺激は大脳ではなく、脊髄や脳幹に伝わって起こります。
・生き残るため
・安全に成長するのを助けるため
といった働きがあり、ママのお腹の外の環境に順応して生きるために必要な機能と言えます。
原始反射は誰もが生まれつき持っている能力で、生まれて間もない小さな赤ちゃんだけに見られる動作です。
またこの反射の観察をすることは、赤ちゃんの発育の目安にもなります。
時期に個人差はありますが、脳の発達に伴いいずれ自然に消失してしまいます。
新生児の原始反射の種類
新生児の原始反射にはどのような種類があるのでしょうか。
代表的な反射をいくつかご紹介します。
【歩行反射(自動歩行) 生後2~3ヶ月まで】
赤ちゃんの両脇を抱えて足の裏が床などに触れる状態にすると、足を交互に動かして歩くような仕草が見られます。
これが歩行反射です。
歩行反射が消えても、実際に歩き出すまでにはまだしばらくかかります。
【哺乳(吸啜)反射 生後5~7ヶ月まで】
哺乳(吸啜)反射とは、口の中に入ってきたものを規則的に吸う反射です。
この反応が見たくて、赤ちゃんの口に指を近づけてみたママもいるのではないでしょうか。
おっぱいやミルクではないのに、一生懸命指を吸っている姿はとても可愛らしいですよね。
哺乳(吸啜)反射によりママのおっぱいやミルクを吸えるため、赤ちゃんにとっては生きるために重要な反射と言えるでしょう。
【モロー反射 生後4ヶ月まで】
モロー反射とは、仰向けに寝かせた赤ちゃんの後頭部に手を当て少し持ち上げた後、急に頭を下すと驚いたように両腕を広げる反射です。
その後何かにしがみつくように両腕をちぢこませます。
外部からの刺激に危険を知らせ、守ってもらおうとする本能の動きのようです。
またママの体から落ちそうになったときにしがみつくため、とも言われています。
モロー反射は抱っこで寝かしつけた後、布団の上などに寝かせたときに起こることも多く、知っているママは多いかもしれませんね。
せっかく寝た赤ちゃんが起きてしまうこともあり、この反射に苦労するママもいるでしょう。
でも守ってもらいたくてママにしがみつこうとしていると思うと、なんだか微笑ましい気持ちになりますよね。
【探索反射 生後4~6ヶ月まで】
唇に何か触れると、触れたものを探すように首を上下左右に回して口で捉えようとする反射です。
生まれてすぐにママのおっぱいやミルクを飲めるよう、乳首を探す行動と言われます。
【緊張性頸反射】
緊張性頸反射には2種類あります。
・非対称性緊張性頸反射 生後3~4ヶ月まで
赤ちゃんを仰向けに寝かせ、首を一方に曲げると顔側の手足が伸び、反対側の手足が曲がる動き。
消失後、寝返りが打てるようになります。
・対称性緊張性頸反射 生後6~11ヶ月頃まで
四つ這いの状態で顎を上げると腕が伸びて足が曲がり、顎を下げると腕が曲がって足が伸びる動き。
はいはいの下地になるとも言われています。
【把握反射】
・手掌握把握反射 生後3~4ヶ月まで
指などで赤ちゃんの手の平を触ると、赤ちゃんがその指を握り返す反射。
消失後、物を掴めるようになります。
・足底把握反射 生後9~10ヶ月まで
足裏の親指の付け根のふくらみを圧迫すると、全ての足指が内側に曲がる動き。
消えた後しばらくすると、1人立ちや1人歩きを始めます。
【バビンスキー反射 生後1~2年】
足の裏の外側をかかとからつま先まで刺激すると、親指は外側に曲がり他の指は扇状に広がる反射。
新生児の原始反射はいつ出る?
新生児の原始反射はいつから見られるのでしょうか。
実は原始反射はママのお腹の中にいるときから出現し、生後すぐから機能しています。
胎児のときからママのお腹の外に出るための準備をしているのですね。
個人差があるため、出現や消失が他の赤ちゃんと少し違っても神経質にならないようにしましょう。
気になる場合は悩まず、気軽に医師に相談すると良いですよ。
まとめ
新生児の原始反射は、生まれたばかりの赤ちゃんに備わった生きるための本能です。
小さな体で首も座っていない赤ちゃんですが、さまざまな能力を持っていることに驚きますね。
慣れない育児に毎日が慌ただしくて余裕がなく、ママは疲れてしまうこともあるでしょう。
しかし原始反射は期間限定でしか見られない反応です。
少し休んでほっと一息つき、今だけの可愛らしい姿をゆっくり楽しむのも良いかもしれませんよ。