赤ちゃんの名前は親からの贈り物
新しい命を授かってパパやママになり、初めて親として赤ちゃんにプレゼントするのは名前ではないでしょうか。名前は、親がわが子の幸せな一生を願って贈る大切なものです。
一生変わらない子どもの名前をつけるのは、親としても責任重大です。親としての責を噛みしめつつ、生まれてくる子を思って名前を考えることは貴重な時間となるでしょう。
パパやママだけで考えるのもいいですが、両家の両親に相談するのも良い方法です。あなたの知らない先祖代々の習わしがあるかもしれません。
また、赤ちゃんのお兄ちゃんやお姉ちゃんとつながりのある名前にすると兄弟愛も深まって仲良しになるかもしれませんよ。
赤ちゃんの命名で考えるべきこと
一度命名して出生届を提出すると、簡単に変えられないのが名前です。可愛い赤ちゃんのためにも、なるべく失敗のない完璧な名づけをしたいのが親の気持ちではないでしょうか。
ゆっくり時間をかけて考えたいところですが、出生届は赤ちゃんが生まれた日を含めて14日以内に提出しなければいけません。
赤ちゃんが生まれるとやるべきことが多く、忙しくて14日間という時間はあっという間に過ぎてしまいます。14日を過ぎても出生届は受け取ってもらえますが、正当な理由がなく遅れると、戸籍法第135条による罰則があり、5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
パパやママに責任のない理由で出生届が出せないときは、警察や病院で「届出遅延理由書」を発行してもらい、届出が出せるようになった時から14日以内に出生届と一緒に提出します。
親として赤ちゃんの命名をしっかりして、出生届が遅れることがないように提出したいものです。そのためにも、命名するときに考えるべきことをいくつか整理しておきましょう。
【名づけへのこだわりポイントの例】
・性別がわかる名前にする
・運気にこだわって命名する
・好きな人や尊敬する人、有名人から名前をもらう
・人気のある流行の名前から選ぶ
生まれる前から性別がわかっている場合や、生まれて赤ちゃんの顔を見てから命名する場合は、名前から男の子や女の子とわかる名づけが可能です。
運気にこだわって命名する場合は、漢字の画数やことだまなどを気にかけて命名します。これは姓名判断にかかわることになりますので、専門的な知識のあるプロに頼むという方法もあります。
好きな人や尊敬する人、有名人から名前をもらうこともできます。存命中の有名人から名前をもらうときは、その有名人が将来どうなるかわからないため気をつける必要があります。
その有名人に良くない出来事があれば、同じ名前のわが子が余計な苦労をすることになりかねません。
すでに亡き有名な人の名をもらうときは、その人の人生をよく調べることも大事です。
立派な仕事を成し遂げた人物であっても私生活では放蕩な人生を歩んでいるということもあるからです。
自分の先祖から名前をいただいても構いません。代々で必ず使う漢字が決まっている場合もあるようです。
外国では、親子で同じ名前にしてジュニア(Jr.)やシニア(Sr.)と呼ぶのも珍しくありませんが、日本では同一戸籍内に同じ名前を持つことは認められていません。
読みが同じで漢字が違う名前の場合は問題ありませんが、同じ漢字で読みが違う名前もつけられません。
戸籍法で親子同名はダメだと明記されてはいないようですが、法務省の先例による「ルール」として、親子同名は認められないことになっているようです。
歌舞伎などで世襲していく名前は、家庭裁判所の審判で変えています。伝統のある名前に変えるのも大変ですね。
命名式(お七夜)
つける名前に頭を悩ませることも親として大事なことですが、赤ちゃんにとって大切な行事も親として忘れてはいけません。
赤ちゃんが生まれてすぐ、最初に経験する大切な行事が「お七夜(おしちや)」です。
【お七夜とは】
お七夜とは、生まれてから7日目の夜に行う赤ちゃんにとって初めてのお祝い行事です。「7日目」の夜なので、1日に生まれた場合は8日の夜にお祝いすることになります。
お七夜は、赤ちゃんのこれからの健やかな成長を祈願することと、赤ちゃんの名前を披露する命名式も兼ねています。
「命名書」に毛筆で赤ちゃんの名前を書き神棚にお供えすることで、神様に赤ちゃんを認めてもらうのです。
赤ちゃんの名前をお披露目して、家族や親戚、土地の産神様に報告しお祝いするお七夜は、別名「名付け祝い」とも呼ばれ、平安時代から続く歴史のある日本の風習です。
近年は、両家の両親と家族だけなどのごく内輪でお祝いすることが多いようです。
お七夜の祝い方は、地域や家々によっても異なります。おじいちゃんやおばあちゃんにどうすればよいか相談し、家族みんなで赤ちゃんの将来の幸せを願ってお祝いすると良いでしょう。
まとめ
親からの大切なプレゼントである赤ちゃんの名前は、法律を守った上で、親として責任を持ってじっくり考えたいものです。
みんなに呼んでもらい、可愛がってもらう名前を時間をかけて一生懸命選りすぐるのは良いですが、出生届の提出には遅れないように命名しましょう。