アステカ式出産ってなに?
アステカとは、大昔にメキシコ中央部に栄えた文明国家のこと。
それと出産が一体なんの関係があるのでしょうか。
出産は想像を絶する痛み。
よく、鼻からスイカを出すくらいの痛み、なんて例えられますよね。
ですが、男性であるパパには想像すら難しいでしょう。
そこで、出産の痛みをママだけではなく、パパにも体感してもらうというのがこのアステカ式出産(アステカ法、アステカ式陣痛緩和法)です。
メキシコの先住民がその出産方法を行っていたという古代の絵が見つかり、「アステカ式出産」とネーミングされネット上で話題となっています。
その絵が本当に古代のものかは真偽は定かではありませんが、アステカ式出産を取り入れて痛みを分かってもらいたい!というママの声が広がっています。
アステカ式出産の手順
それでは、アステカ式出産の手順をみていきましょう。
①陣痛の間隔が早くなってきたらパパは天井につかまり待機
②パパの睾丸にロープを括り付けてロープの先端はママが持つ
③出産でいきむと同時にママはロープを引っ張りパパと痛みを共有する
というものです。
もちろん、こんなことを実際に執り行う産院はありません。
そして実際に古代のメキシコで行っていたかどうかもはっきりとは分かっていないようです。
パパからすると、冗談でも聞きたくないような内容かもしれません。
なぜこのような現実的ではない出産方法がネット上で広まったのか、気になりますね。
アステカ式出産についての賛否
アステカ式出産をイメージした古代の絵も、もともとはアート作品だったという話もあります。
ですがその絵がなぜ、ネット上で広まったのでしょうか。
一番の原因は、女性側、つまりママからの「パパにも出産の痛みを分かってもらいたい」という声が大きかったようです。
他にもこのような意見がみられました。
【ママからの意見】
・痛みを乗り越えて夫婦の愛が強まるのならパパにやってもらいたい
・出産は夫婦で痛みを分かち合うべきだからこのやり方に大賛成!
・出産時の精神的緩和ができるならアリ!
・陣痛きてなくても夫にイライラしたらやってみたい
続いて、パパからの声もご紹介いたします。
【パパからの意見】
・痛いから無理
・ママからどう?と言われても困る
・本当にそんなことがあるのか
・これは命の危険を感じる
このように、男女間で大きな捉え方の差があります。
それもそのはず、実際に陣痛の痛みを経験するのは女性だけ。
男性側からすると、なぜわざわざ痛みを共有しなければいけないのか疑問に思うのも無理はないですよね。
出産の痛みを分かち合うためには
今回ご紹介したアステカ式出産は過激でしたが、痛みを共有するための方法として、擬娩という風習もあったようです。
擬娩とは、ママの出産前後にパパが日常的活動を停止して禁忌に服し、出産までの行為を意識的・無意識的に模倣する世界的な習わしです。
日本ではそのようなことが古来で行われていたか分かりませんが、出産は特別なものであり、夫婦で乗り越えるべきもの、というのは昔からあったのかもしれませんね。
【夫婦で痛みを分かち合う方法】
アステカ式出産は現実的ではありませんが、古代からも出産の痛みは変わらないものとされていることが分かりますね。
「パパにも痛みを分かってほしい」というのは、永遠のテーマなのかもしれません。
実際の痛みを分かってもらうのは難しくても、分かち合える方法はないのでしょうか。
・立ち会い出産でサポートしてもらう
もっとも出産を身近に感じてもらうには、やはり立ち会い出産をすること。
分娩方法によっては立会い出産ができない場合もありますので、前後でサポートしてもらいたいことを伝えておきましょう。
・陣痛から出産の流れが分かる動画を一緒に観る
ママは妊娠中に出産の流れについて自発的に調べる方がほとんどではないでしょうか。
パパにもぜひその流れを知ってもらうために、両親学級に参加するのも良いですし、動画を見つけて一緒に観るのも良いでしょう。
・経験者から聞く
どれぐらい痛いのか言葉ではなかなか伝えづらいものです。
出産を経験されている方の話を一緒に直接聞いてみるのも良いでしょう。
・出産以外の子育てで頑張ってもらう
出産を経験できるのは女性だけ。
それならパパには、出産以外の子育てで頑張ってもらいましょう。
子どもは産んでからの方が長く大変なこともきっとあるでしょう。
夫婦一緒に乗り越えるために、出産はママが頑張るけど、それからはパパもよろしくね、と伝えておきましょう。
・どんな分娩方法でも痛みがあることを知ってもらう
よく誤解されるのが、自然分娩以外は痛くないの?ということ。
無痛分娩でも帝王切開でも、どんな方法で産んでも痛みもありますし命がけです。
どんな分娩方法でも痛みがあることも、知っておいてもらいたいですね。
まとめ
アステカ式出産は実際には取り入れるのが難しいですが、根底には「パパにも痛みを分かってもらいたい」という女性の願いがあるのかもしれません。痛みを分かち合うために、古代でこのような方法があったことや、出産の痛みについて知ってもらう機会を作ってみてはいかがでしょうか。