新生児の心雑音の原因は?

新生児によくある心雑音とは

赤ちゃんが生まれた時、ママは人生で一番と言っていいほど幸せな気持ちになっていることでしょう。
そんな中、「赤ちゃんに心雑音がある」と医師に指摘をされたら…。

 

心雑音とは、心臓の中を血液が通過するときに起きる乱流が心音とは別に聴こえる音のことをいいます。
そんな心雑音が自分の赤ちゃんにもあると言われると、幸せな気持ちが一転、とても心配になってしまうことと思います。

 

しかし、新生児の赤ちゃんの心雑音は、珍しいことではありません。
心雑音は赤ちゃんの心臓の病気が原因のことも考えられますが、心臓には異常がなくとも聴こえることがあります。
そのため、「心雑音がある」と医師から言われたとしても、すぐに病院を転院しましょうとか、救急搬送しましょうとか言われなかった場合は、過度に心配しすぎる必要はありません。

 

今回は、そんな新生児の赤ちゃんの心雑音について、以下で詳しくご紹介します。

 

心雑音の検査方法

心雑音が見つかるのは、聴診器で医師が赤ちゃんの心音を聞いた時です。
心雑音は新生児の赤ちゃんの30~70%に見つかりますが、そのうち心臓に異常が見つかるのはごくわずかです。

しかし、早期の治療を必要とする病気が見つかることもあるため、心雑音が見つかったらしっかりと検査をする必要があります。

 

赤ちゃんに心雑音が見つかった際に検査する方法として、一般的なものは超音波検査(エコー検査)です。
妊婦健診の際のエコー検査と同じようなイメージなので、赤ちゃんに痛みや負担もなく短時間で検査可能です。

この超音波検査で、心臓の穴や欠損などを確認することができます。

 

また超音波検査以外にも、心電図やレントゲン検査を行うこともあります。
いずれにしても、痛みを伴うことのない検査なので、安心して受けられますよ。

 

心雑音の主な原因

心雑音の主な原因は、以下の通りです。

 

【機能性(無害性)心雑音】
「機能性(無害性)心雑音」とは、心臓そのものにはまったく異常がないのに聴こえる心雑音のことです。
新生児の赤ちゃんに聴こえる心雑音のほとんどが、この機能性心雑音です。

 

機能性雑音は、はっきりと原因が分かっていません。
しかし、

 

・心臓から送り出される血液量が多くなっている時
・血液の流れる速度が速くなる時

 

などは、心雑音の原因となるとも言われています。

 

無害性心雑音は、新生児期のみに起こるわけではなく、赤ちゃんが成長してから聴こえることもあります。
健康上では何の問題もなく、自然と聴こえなくなるのがほとんどです。

 

【卵円孔開存】
通常、心臓は左右上下の4つの部屋に別れています。(右心房・右心室・左心房・左心室)
しかし、赤ちゃんがママのお腹の中にいる時は、右上の右心房と、左上の左心房の壁(心房中隔)に大きな穴が開いています。
これを卵円孔(らんえんこう)と言います。

 

卵円孔は、お腹の中にいる時は血液が通るためには必要な穴なのですが、赤ちゃんが生まれるとだんだんとこの穴はふさがってきます。
しかし、卵円孔がふさがるスピードには個人差があるため、生後1ヶ月頃でも穴が開いたままの子もいるのです。

そのため、2週間健診や1ヶ月検診の際に心雑音を指摘される赤ちゃんには、この卵円孔開存の赤ちゃんが多いです。

 

【心臓の病気】
上記以外に、心臓の病気が原因で心雑音が聴こえるケースもあります。
「心臓の病気」と聞くと、とても大変なことのように感じるかもしれません。
しかし、緊急搬送などにならなかった場合、その病気によっては、成長ともに改善するものや手術は必要のないものもあるのであまり悲観しすぎないでくださいね。

 

心雑音がきっかけで見つかる病気は、それ以外に症状が見られないものも多いです。
そのため、「早く病気を早く見つけられて良かった」と思えると良いですね。

 

以下で、新生児期に聴こえる心雑音によって疑われる主な病気を程度別にご紹介します。

 

<すぐに手術が必要となる病気>

 

・完全大血管転位症
・総肺静脈還流異常症
・肺動脈弁閉鎖症
・高度の肺動脈弁狭窄症
・大動脈縮窄複合
・総動脈幹症    など

これらは、すぐに手術が必要となる重度の心疾患です。

最近は胎児超音波の精度が上がってきているため、お腹の中にいるときに見つかることもあります。
そうでなかったとしても生まれてすぐにわかるため、転院になったり、救急搬送になったりする対象になります。
命に関わることもあるため、これらの病気の場合はすぐに治療を開始する必要があります。

 

<経過を見ながら治療する病気>

 

・心室中隔欠損症
・心房中隔欠損症
・動脈管開存症
・ファロー四徴症
・心内膜床欠損症
・大動脈弁狭窄症
・肺動脈弁狭窄症  など

 

これらは、その病気の経過を見ながら手術を検討する病気です。

生まれてすぐではなくとも成長を待って治療することもありますし、成長とともに自然治癒するものもあります。

 

まとめ

赤ちゃんに心雑音があると言われると、ママとしては非常に不安になってしまいますよね。
しかし、転院や緊急搬送にならなかったとしたら、赤ちゃんの心雑音は珍しいことではなく、異常のないケースがほとんどです。

 

今回は心雑音のことを紹介しましたが、新生児ならではの症状や、不安に感じることはたくさんあることと思います。
しかし、そのどれもが、後から振り返ると考えすぎだったと感じることがほとんどです。

 

もちろん、わが子に心配事があれば不安になってしまうのは当然のこと。
しかし、あまり心配しすぎると、ママ自身も疲れてしまうので、肩の力を抜いて育児を楽しめると良いですね。

この記事を書いたライター

小橋 まな
小橋 まな

2歳の娘を育児中のママライター。出産前は子供がとても苦手だったのに、今では娘を溺愛しすぎてたまに我に返ることもあるほどです。育児休暇後職場復帰の予定が、実父の体調不良をきっかけに退職し在宅ライターの道へ。心配性で神経質になってしまった0歳児育児の過去の自分を振り返り、ママたちが安心して育児ができるような記事をお届けしたいと思います。

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