授乳量と授乳の回数
新生児期は、胃が小さく、授乳のリズムも整っていません。お母さんの母乳が出る量にも個人差があります。赤ちゃんがおっぱいを飲む力とお母さんの母乳の量が安定すれば、1度に飲む量も増えて、赤ちゃんの授乳リズムも整ってくるでしょう。
【完母(完全母乳)の場合】
新生児期は、2~3時間おきに1日7~8回授乳します。母乳の場合は、赤ちゃんが欲しがるだけおっぱいをあげることが基本で、1回あたりの母乳の量は、80~120mlくらいが目安となります。
搾乳した時と実際に直接母乳を飲んでいる量が同じとは限らないため、搾乳の量が少なくても不安になる必要はありません。
母乳は、栄養素を分解して消化を助け、吸収をよくする酵素も含まれていますから、栄養過多や消化不良になる心配もありません。
【混合(母乳とミルク)の場合】
混合の場合は、個々で対応が異なります。母乳をメインにしていきたい、ミルクをメインにしていきたい、また職場復帰が控えているなど様々ですので、残念ながら正解はありません。
母乳をあげてからミルクを足すのか、日中は母乳メインで、夜間だけミルクにするのか、日中ミルクで夜間だけ母乳にするのか、様々です。
いずれ母乳をメインにしたいと考えている方は、ミルクを哺乳瓶でなくコップやスプーンで飲ませると、ママのおっぱいの乳首と哺乳瓶の乳首との違いを嫌がり、母乳を飲まなくなることを防げます。
【完ミ(完全ミルク)の場合】
ミルクは3時間おきに、1日8回を目安にあげましょう。1回に飲ませる量は、生後何日目かで違ってきます。しかし生まれた時の体重が個々で異なるように、飲むミルクの量も個人差がありますので、あくまで目安です。
・生後0~9日…生後日数×10ml+10ml
・生後10日~2週間…80~100ml
・生後15日~4週間…100~120ml
また飲める時と飲めない時と量にムラがあることもありますので、1日のトータル量で考えるようにしましょう。
1日のトータル量が
2.5kgの子なら500ml程度
3kgの子なら600ml程度
3.5kgの子なら700ml程度
4kgの子で800ml程度
飲めていれば、問題がないことが多いです。
【母乳やミルクが足りているかのチェック方法】
おしっこが1日6~8回出ている、便が1日3~8回でている、赤ちゃんが元気そうにしているのであれば、母乳やミルクが足りていると考えて大丈夫です。それでも足りているかどうか不安な時、今の方法で問題ないのか聞きたい時は、産院か最寄りの小児科にまず電話して相談してみましょう。
赤ちゃんが受診する場合、感染のリスクを最低限にしようと病院側も配慮してくれるので、受診に良い時間や方法を聞くと良いでしょう。
入浴(沐浴)
新生児の赤ちゃんを入浴させるときは、浴槽ではなくベビーバスにお湯をはり、体をガーゼなどで拭ってきれいにする「沐浴(もくよく)」をします。
赤ちゃんが、風邪を引いたり疲れたりしないように、ガーゼやバスタオルなどの準備を整え、お湯の温度に気をつけて、手際よく10~15分で沐浴させましょう。
1ヶ月未満の赤ちゃんは、細菌などに対する抵抗力がまだ弱く、また手が滑り浴槽や洗い場に落とす危険もあるため、大人と一緒に浴槽に入って「入浴」するのは危険です。
またママの悪露が続いていることもあり、同じ浴槽は避けたほうが良いでしょう。一般的には、1ヶ月健診を受け、医師の了解を得てから入浴をさせます。
服装と室温調節
産まれたばかりの赤ちゃんは、体温をうまく調節できません。冷暖房器具を上手に使って、赤ちゃんにとって快適な室温を保つようにします。
赤ちゃんが快適に感じる室温の目安は、東京都福祉保健局が公開している「健康・快適居住環境の指針(平成28年度改訂版)」(※1)によると、夏場は外気温との差が4~5℃、冬場は室温20~25℃(湿度50~60%)と記載されていますが、最近は猛暑なので夏場は26~28℃(湿度60%)程度が良いでしょう。
迷った時はママやパパが部屋にいて不快でない程度の温度で、赤ちゃんが汗ばむことなく、手足が冷えることがない温度と考えると良いでしょう。
冷気や温風が直接赤ちゃんに当たらないよう、風向に気をつけることも大切です。
また、冬場は特に空気が乾燥して、室温が低くなりがちなので注意します。 むやみに厚着をさせたり、温度を上げたりする必要もありません。
1日ほとんど寝ている新生児期の服は、綿100%などの天然で肌に優しい肌着などを準備し、汗をかいたり汚れたりしたら、すぐに着替えさせてあげるようにします。
※1 東京都保健福祉局「健康・快適居住環境の指針(平成28年度改訂版)」
睡眠
新生児が起きているのは、泣くかおっぱいを飲んでいる間だけで、あとはほとんど寝て過ごします。
睡眠時間は1日16~18時間くらいです。産褥期のママも、家事などを頑張りすぎずに家族に協力を仰ぎ、赤ちゃんと一緒に休めるようにしましょう。